さまざまな装いとカラフルなボディカラーが、赤茶けた荒野の夕景に映える。「イースターJeepサファリ」は2023年も、賑やかでタフで晴れやかな「Jeep好き」のためのお祭り騒ぎになったようだ。
Jeepファンがその走りを楽しみつくすための、濃密な9日間
北米ユタ州グランド郡にあるモアブ国立公園の雄大な大自然を舞台に開催される「イースターJeepサファリ」は、9日間にわたってトレイルライドを楽しむJeepファンためのイベントだ。1967年にモアブ商工会議所によって行われた、日帰りでのトレイルライドに由来する。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
現代の主催は「Red Rock 4Wheelers four-wheel club」。参加者は年々増え続け、イベント規模は拡大していく一方。第57回を迎える2023年は、4月1日~9日の日程での開催となった。
とはいえ、イベントラストの週末に迎える「Big Saturday」が、お祭り騒ぎのトリを飾る「メイン」であることに変わりはない。参加者、主催者ともにそんなちょっとしたこだわりを大切にすることが、イベントの伝統を継ぎ、価値を高めていくのかもしれない。
このイベントにはもうひとつ、ファンのための素敵な「プレゼント」が贈られることでも知られる。様々なコンセプトカーやカスタマイズスタイルなどを提案するモデルがお披露目されるのだ。今年も、4台の電動化モデルを含む計7台が登場して、イベントを大いに盛り上げた。
BEV、PHEVなど、電動化がもたらす「可能性」を提示
Jeep ラングラー マグニートー3.0コンセプト
本格的な4×4モデルのフルバッテリーEVとして、2021年に「Jeep ラングラー マグニートー1.0コンセプト」が誕生。優れたロッククライミング性能を持ちながら、その走りは静かで素早く、しかも単体ではゼロエミッションという、オンオフ問わないオフロードモデルの「可能性」を示した。
2022年の「2.0」ではパワー、トルクともに引き上げられているが、今年の「3.0」ではさらに高効率にアップデート、航続距離は20%ほど増加している。モーター出力のセッティングは、2種類を設定。スタンダードは最高出力285hp/最大トルク370Nm、最大で650hp/1220Nmに達する。
回生もふたつのモードが選択可能。ハードなロッククロールなどのシーンでもアグレッシブな「ワンペダル」走行が可能な、ヒルディセントモードを備えている。
Jeep ラングラー ルビコン 4xeコンセプト
鮮やかなクロマティック・マゼンタカラーに彩られたルビコン4xeコンセプト。最新のルビコンから受け継いだフロントグリルとヘッドランプベゼルにグロスブラックのアクセントを配して、華やかさと精悍さを大胆不敵に調和させている。
インテリアもエッジの効いたテーマ性を感じさせるアレンジが特徴だ。レザーシートは、アニマルプリントの表皮にパーフォレーテッド処理を施し、ボルスターやストラップ部には、光沢のあるブラックパテントレザーのアクセントを配する。
ドアノブやグラブハンドル、ギアシフト、トランスファーケースシフターブーツなどにもマゼンタのアクセントを加え、ポップな印象まで感じさせる。
Jeep ラングラー ルビコン ディパーチャーコンセプト
北米市場で人気を集めるPHEVモデルをベースに、タイヤマウントを変更してスペアタイヤの装着位置を工夫、とくにディパーチャーアングルのリミットを高めるアレンジが施されている。
足まわりには50mmのリフトアップを実現したビルシュタインパフォーマンスショックアブソーバーを装備、リモートリザーバーを採用することで、サスペンションの動作量を増やすとともに、タフな走りでも音を上げない冷却性能も実現している。
1978 Jeep チェロキー 4xeコンセプト
イースター・ジープ・サファリに登場したJeep チェロキー 4xeコンセプトは、1978年モデルのJeepチェロキーに、ラングラー ルビコン Xeと同じメカニズムを組んだもの。2Lターボエンジンに4つのモーターを装備することで、レトロモダンなスタイルが魅力のオフロードパフォーマーを作り上げた。
1970年代のマルチカラーペイントスキームを採り入れながらも、ボディは大幅にアレンジされている。ローバックなバケットシートや4点式のセーフティケージなど、本格的なオフロードスペックは、70年代に人気を博したチェロキーSJにも連なる本気モードと言えるだろう。
タフに、アグレッシブに「アドベンチャー」を楽しむための理想を追求
Jeep スクランブラー 39コンセプト
Jeepブランド初のコンバーチブルトラックとして1981年に登場した「スクランブラー」は、2610mmのホイールベースと長めのリアオーバーハングが特徴。貨物スペースが広く、より多用途性に富む。
搭載される4.8L V8 HEMIは、最高出力470hp/最大トルク637Nmのハイスペック。カーボンファイバーによるボディワークで軽量なチョップドトップの2シーターホットロッドスタイルを、ダイナミックに走らせることができる。
グランドワゴニア オーバーランドコンセプト
最高出力500ps/677Nmを発生する、新しい3L「ハリケーンツインターボ」エンジンを搭載、「冒険」を目いっぱい楽しむための走行性能を磨きぬいていたクロストレッキング・コンセプト。プレミアムSUVでありながら、オフロードでも妥協のない走破性を追求している。
機能面での最大の特徴は、ルーフトップに取り付られた格納式の就寝スペース「スカイロフト」だろう。カーボンファイバー製、手動で約10秒で展開させることができる。ふたり用の睡眠スペースと、パノラミックな景色を楽しむことのできる広いウインドーを備えた快適空間だ。
Jeep グラディエーター ルビコン サイドバーンコンセプト
「サイドバーン コンセプト」のテーマは、オフロードアドベンチャーを満喫するための、理想的なツールであること。3.6LペンタスターV6ユニットを搭載、ビルシュタインパフォーマンスショックアブソーバーによって50mmリフトアップされるなど、本格的な悪路走破性能を追求している。
ユニークなルーフまわりのアレンジは、フロントガラスなどの損傷を防ぐのが目的。フードラッチからガラスヘッダー背面に頑丈なケーブルを配して守る。さらに特徴的なスポーツバーは、両サイドにベッドステップを備える。上部の4本のTトラックレールによって、自転車やカヤックなど、各種ルーフマウントシステムを簡単に設置できる。
[ アルバム : イースターJeepサファリ 2023 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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