この記事をまとめると
■カローラスポーツをベースに高性能化が図られた「GRカローラ」が世界初公開された
「ヤリスが800万円って高すぎだろ」の声は間違い! GRヤリスGRMNはそれでも「安すぎる」超お買い得車だった
■前後にオーバーフェンダーを装着してワイドトレッド化したスタイリングが特徴
■1.6リッター直3ターボを304馬力に高出力化、「GR-FOUR」も最適化して搭載する
前後にオーバーフェンダーを装着した超ド迫力フォルム
トヨタ「カローラ」といえば、長きに渡って日本国民のアシとしてその移動を支えてきた日本の国民車である。その一方でカローラは、WRCでトヨタに初勝利をもたらした「TE25 カローラ」や、1000湖ラリーを制した「カローラ・レビン」など、現在のGAZOO Racingの「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」というコンセプトの礎を築き、トヨタのモータースポーツ活動の一翼を担う存在でもあった。日本国民は、自分の家にあるクルマが世界で活躍する姿を見て歓喜したのである。
そんなモータースポーツで輝いていたカローラの姿に思いを馳せていたのは、豊田章男社長も同じだったようで、「お客様を虜にするカローラを取り戻したい!」という強い思いからGRカローラの開発が始まった。そして2022年4月1日、ついにGRカローラが初公開された。
開発にあたっては、レースで勝つために鍛えたクルマを市販化するという「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実践。豊田章男社長自らがドライバーとして水素エンジンのカローラで参戦するスーパー耐久シリーズにおいて車両を総合的に鍛え直したという。さらに、さまざまな走行条件下でも安心して走りを楽しめるよう、サーキットや雪道、ダートでも走り込みを実施。レーシングドライバーである石浦宏明選手や勝田紀彦選手、社内評価ドライバーなどが壊れるまで走り込んで徹底的に鍛え直したとのことだ。
ボディはカローラスポーツを基本骨格とすることで、ロングホイールベースがもたらす高速安定性を受け継ぎながら、フロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化することで高い旋回性能も実現。また、5ドア・5人乗りの利便性もそのままとなっているので、日常生活での使い勝手の良さをスポイルすることなく、走る楽しさを思う存分楽しめるクルマになっているのもポイントだ。
エクステリアでは、ワイド化された前後フェンダーによる迫力あるフォルムが最大の特徴であり、フロントバンパーにはインテーク、フロントフェンダーとフードバルジにはアウトレットが設けられたGRカローラ独自のものとなる。
また、新開発された3本出しマフラーも、GRカローラのリヤビューに力強さを演出することに一役買っている。ちなみにルーフは、GRヤリスと同様にCFRP製素材のルーフパネルとなっており、剛性を高めながら軽量化を果たしている。
インテリアでは、GR車両専用に開発されたフルTFTメーターを新規採用。レーシングカーのそれをお手本としながら、プロドライバーの意見を取り入れ、スポーツ走行時の視認性が高められている。ショートストロークのシフトレバーと、ドリフト走行などの限界域での車両コントロール用途を視野にした手引き式パーキングブレーキが採用されているのも興味深い。
直3インタークーラーターボを304馬力にチューンアップ
GRカローラに搭載されるのは、GRヤリスにも搭載される1.6リッター直3インタークーラーターボエンジンを強化したもので、最高出力224kW(304馬力)を実現。
さらに、こちらもGRヤリスに搭載されていたスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」をGRカローラ用に最適化して搭載。
駆動配分を制御する4WDモードと、アクセルやステアリングの応答性などを制御するドライブモードが別々に設けられたことで、路面状況に応じた駆動配分とモードの選択が可能になり、またドライバーの好みに応じた仕様にも対応しやすくなった。限界領域でも安心・安全にコントロールできるクルマに仕上げられている。
また、GRカローラには最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準装備となっており、日常使用でも安全で安心な走行を楽しめるスポーツカーとなっているものうれしい。
GRブランドに違わないスタイルとパフォーマンスを手に入れたGRカローラ。もしかしたら、カローラのモータースポーツの伝説が、このGRカローラから再び始まるかもしれない。
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