旧車ランクル 近年まで庶民向けだった
執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)
【画像】40系、60系のオークション出品車【じっくり見る】 全16枚
撮影:RM Sotheby’s、GOODING&COMPANY
旧いランドクルーザーが世界中で値上がりしている。ランクルの名を広めた40系は1984年に生産が終了し、最終モデルでも37年が経過している。
日本の中古車情報サイトで40系のランクルを見ると、ボトムはそれなりの程度でも今や200万円台で、門外漢には驚きの値段になっていた。
レストアが行われたバリモノものになると「ASK」のプライスタグが掲げられ、事情通に聞くとその価格は500万円を優に超えているという。
40系ランクルを最初に認めたのはアメリカで、市街地を出れば広大な砂漠や草原が広がる国だけに、信頼性の高いツールとして愛用されてきた。
やがて40系ランクルはSUV発祥の地であるアメリカで、人間味のあるスタイリング、カスタムしやすい素朴な作りが受けて、趣味のクルマに変わっていった。
欧米での趣味車の相場を知るには、コレクターズカー・オークションを見るのが手っ取り早い。しかし大手のオークションハウスでは、中古車店に並ぶようなモデルは出品されず、レアな車両が主になっている。
40系ランクルは21世紀に入っても大手のオークションで姿を見せることはほとんどなく、庶民的なクルマを扱うオークションにしか出品されていなかったのである。
潮目が変わった2013年
大手のオークショニアとなるRMサザビーズ、ボナムス、グッディングの過去の出品データを確認したところ、40系ランクルは2011年のRMサザビーズで、2台が姿を見せただけだった。
しかし2013年になると一躍ポピュラーな存在となり、3社から合計9台が出品されるほどになり、コレクターズカー・オークションの定番車となった経緯がある。
その結果を見てゆくと、ランクルの40系はアメリカで2014年のオークションバブル期には10万ドル超えで落札され、2016年頃からその価格帯で相場が形成される。
俳優が所有していた個体や、オリジナルを追求して入念にレストアされた良好なコンディションを保つランクルたちである。
たが、コロナ前の2019年には3~6万ドル程度に落ち着く。コロナ禍の2020年も同様の額で推移し、それは2021年になっても変わらない。
なお、ランドローバーが強いイギリスの競売では、ランクルの相場が高値のアメリカに比べて、半値以下で落札されるのが興味深い。
なぜ高額で落札されるのか?
北米のクルマ趣味の祭典「モントレーカーウィーク」。今年は、その中の競売でランドクルーザーFJ45と、FJ62が相場を大きく超える額で落札され注目を集めた。
RMサザビーズのモントレー・オークションに出品された1981年ランドクルーザーFJ45ピックアップは、ランクルのスペシャリストとして知られる「FJカンパニー(マイアミ)」が、オリジナルにこだわってフル・レストアした車両だった。
その仕上がりは“新車以上”といえるもので、40系ランクルの中にあって少数派で愛好家に人気の高いロングホイールベースのピックアップ(FJ45型)だったことも注目を集める要因に。
FJ45に限らず40系ランクルの落札額としては高額に見えるが、その裏には納得できる事実があったのである。
現在FJカンパニーで“新車以上”のクオリティに復元して販売される40系は、装備によって変わるが最低で20万ドル(約2200万円)のプライスタグが付く。
また事前に主催者のRMサザビーズから発表された予想落札額は9~11万ドル(約990~1210万円)と値ごろだったこともあり、開始前から注目を集めた。
プロショップでレストアされた個体が安価とあって入札がヒートし、最終的にFJ45の新記録となる16万8000ドル(約1848万円)で落札されている。
FJ62が初お目見え 結果は?
もう1台のランドクルーザーは、メジャー・オークションには初登場となるFJ62で、今回はグッディング&カンパニーのペブルビーチ・オークションに1986年モデルが姿を見せた。
このFJ62もFJカンパニーで2年に及ぶ徹底的なフレームオフ・レストレーションを施した個体で、トヨタから出荷された“新車時以上”のコンディションが特徴。
基本的にオリジナルを尊重し、エクステリアとインテリアの改造は一切なく、エアコン・システムも当時の物をレストアして使用しているほど。
現代のクルマ社会で走らせることからLEDヘッドランプと、iPhoneやブルートゥースに連携するプレミアム・オーディオを装着しているが、必要とあればどちらもオリジナルへ戻せるという。
メジャー・オークション初登場となったFJ62は、予想落札額は7~9万ドル(約770~990万円)と発表されていたが、入札が始まると競り合いが続き、最終的に13万4400ドル(約1479万円)で決着。
アメリカのランクル界で絶対的な存在であるFJカンパニーが仕上げたことが高額落札された大きな要因といえる。
これに加え、40系に比べると文化的で、街乗りから荒野まで快適に楽しめる60系の存在が見直されたともいえる。
ランクルにとって第二の故郷となるアメリカで、その人気は衰えることを知らない。これまでは40系だけが注目されていたが、次第に年式が新しいモデルにも目が向けられてきたようだ。
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