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BMW M4 コンペティション・コンバーチブルへ試乗 最新Mモデルへの期待通り

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BMW M4 コンペティション・コンバーチブルへ試乗 最新Mモデルへの期待通り

ソフトトップ化で車重は1920kgに

最新のBMW M4 コンバーチブルは、ATと四輪駆動のみの設定となる。最強のコンペティションでも、MTや後輪駆動版は選べない。

<span>【画像】G83型 BMW M4 コンバーチブル 競合するオープンモデルと比較 全125枚</span>

今回試乗したG83型の正式名称は、BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブルと少々長い。通常の4シリーズと同様に、フォールディング・ハードトップではなく、ソフトトップになった点が特色といえる。

金属よりファブリックの方が軽いため、ルーフまわりは先代から40%も軽量化できているという。しかし、ボディサイズの拡大と四輪駆動システムの搭載で車重は増え、1920kgと2tに迫っている。最新のM4 xドライブ・クーペより145kgも重い。

ソフトトップにはスタイリングでのメリットもある。折り畳まれる硬いルーフを荷室に格納する必要がなくなるため、リアデッキの高さを抑えることができ、滑らかなフォルムを与えることが可能になる。ルーフ自体の形状も、魅力的なものにできる。

実際、M4のスタイリングはエレガントだ。サルーンと似ていた先代より、ずっと流麗だと思う。例の、縦に大きいキドニーグリルも付いている。登場からしばらく時間が経過したから、見慣れたような気もする。

荷室空間も、ソフトトップ化に伴い有利になった。オープンにした状態で300Lの容量が残るが、先代より80Lも大きい。ソフトトップを閉じれば、385Lへ広くなる。

M4と同じ510psの直6ツインターボ

同等のクーペから145kgも増えた車重の殆どは、固定ルーフを切り落としたことによる、ボディ剛性の低下を防ぐために費やされている。多くのコンバーチブルと同様に。

M4 コンバーチブルの場合、フロント側にアルミニウム製の補強パネルを追加。フロア下に強化ブレースが付加され、リアアスクルのサブフレームは、取り付け剛性が高められている。

パワーユニットは、クーペのM4と同様に3.0L直列6気筒ツインターボ。最高出力510ps、最大トルク66.1kg-mを発揮するチューニングに変わりはない。車重は増えているが、0-100km/h加速は3.7秒でこなすという。

馬力や加速力の数字を見る限り、相当にハードコアなパフォーマンスカーだと想像できる。だが、ソフトトップのコンバーチブルは、どちらかといえば穏やかにクルージングを楽しむタイプ。そのミックスぶりに、興味が湧く。

一般道を走らせてみると、通常のM4とほぼ同じような印象を受ける。インテリアのダッシュボードも同じだし、素晴らしく扱いやすいインフォテインメント・システム、iドライブも見慣れたものだ。

サポート性がすこぶる良い、カーボンファイバー製シェルのバケットシートはオプション。首元を温めてくれるエアスカーフ機能の付いた、クッションの良いシートが標準で搭載される。硬い乗り心地も、大きめのロードノイズも、M4と違わない。

凹凸の大きい区間で感じる剛性感の差

日常的に乗りたいと思わせるクルマであることも同様。ハードトップのクーペでも、ソフトトップのコンバーチブルでも、M4はイイ。静止状態から100km/hに到達するまで、クーペより0.2秒遅いと気付くことも、殆どないはず。

xドライブ・システムも見事な完成度にある。コンフォート・モードのままでも、トラクションは絶大に高い。肌寒い晴れた日に熱く走りたいなら、Mダイナミック・モードが好適。後輪駆動のM4のように感じさせてくれる。

タイトコーナーの出口でアクセルペダルを蹴飛ばすと、テールがうずくが、挙動は見事なまでに漸進的。不安を感じることなく、丁度いいパワースライドを楽しめる。

後輪駆動モードを選ぶと、スタビリティ・コントロールを完全に切ることもできるが、サーキット走行のお楽しみに取っておいた方が良いだろう。オンのままでも、一般道では充分に遊べる。

M4 コンバーチブルがクーペと違うと感じる場面は、凹凸の大きい区間を通過したとき。ステアリングコラムが振動し、ボディ剛性が落ちていることを教えてくれる。ステアリングの正確性やフィードバックも、路面に影響を受ける様子。

不規則な入力がタイヤへ加わると、進行方向が少し乱れることもあった。クーペでは見られない挙動だ。

以前試乗したクーペのM4では、姿勢制御と衝撃吸収性とのバランスから、もっと剛性の高いサスペンションを組んでも良いのではないかと感じた。コンバーチブルの場合は、このままで良さそうだ。

期待に違わないドライビング体験

といっても、新しいM4 コンバーチブルは、最新のMモデルへ期待する通りのドライビング体験を与えてくれる。恐怖を覚えるほど速く、シャシーバランスは最高に高い。運転しやすく、3シリーズと同じくらい日常的に乗りやすい。

これほどの能力を備えていながら、郊外のツイスティな区間では、高速域で操縦性の精度がクーペボディに及ばないと感じることも確かではある。シャシー技術が進化しても、コンバーチブルだからという注釈が付くことは、他のモデルでも当てはまるのだが。

パワー任せにドリフトしたいなら、後輪駆動でクーペのM4を選ぶべきかもしれない。純粋主義的なBMWファンなら、新しいM2も見逃せない。

最新のM4 コンバーチブルの英国価格は、8万3355ポンド(約1267万円)から。先代の発表時の価格が2万ポンドも低かったことを考えると、かなり上昇したように思える。

だが比較すると、現行のメルセデスAMG C63 カブリオレよりは安い。ポルシェ911の場合、後輪駆動で馬力が遥かに少ない通常のカレラ・カブリオレでも9万7130ポンド(約1476万円)から。アウディRS5はカブリオレが選べない。

ドライバーズカーとして、コンバーチブル化で多少の犠牲が生じてはいる。しかし驚異的に能力に長け、爽快なオープンドライブを楽しめるモデルであると考えれば、法外な価格とはいえないだろう。

BMW M4 コンペティション M xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)のスペック

英国価格:8万3355ポンド(約1267万円)
全長:4794mm
全幅:1887mm
全高:1395mm
最高速度:249km/h(リミッター)/289km/h(Mドライバーズ・パッケージ)
0-100km/h加速:3.7秒
燃費:9.8km/L
CO2排出量:231-233g/km
車両重量:1920kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6250rpm
最大トルク:66.1kg-m/2750-5500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

14件
  • M3/M4の系譜も重くなりましたね。
  • オープンボディだからクローズドボディのM4より重くなるのは仕方ないけど、車の趣向で見れば決して万人向けの車では無いのだからMTが有っても良いように思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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