この記事をまとめると
■BMW5シリーズがフルモデルチェンジを実施して第8世代へと進化した
走りのプロが「ドイツ車」を選ぶのは見栄じゃない! 日本車や他国のクルマと「何が違う」のかレーシングドライバーが分析した
■電気自動車、ガソリン車、ディーゼル車をラインアップする
■最新技術や最新のシャシー、ハンドリング技術などを投入している
BMW5シリーズが新型に!
ドイツのプレミアムブランド「BMW」は、日本でも非常に人気が高いブランドとして認知されている。そんな同社のラインアップでも、5シリーズはEセグメントの世界的スタンダードモデルとして、世界中で人気が高い。初代モデルは1972年に登場しており、50年以上の長きにわたって愛されている。その5シリーズが、7年ぶりにフルモデルチェンジを敢行し、8世代目へと進化した。
今回の5シリーズは、BMW伝統のデザインを踏襲しつつコンセプトを一新。格式のある存在感とエレガントさを同時に高めたキャラクターへと変貌を遂げている。また、走行性能面では、約半世紀の歴史のなかで初めて、電気のみで走行する電気自動車BMW i5を量販モデル、Mパフォーマンス・モデルの2モデルで同時にラインアップする計画としている。
新型BMW 5シリーズのエクステリアは、新しいデザイン言語により、スポーティさに加え、エレガンスとセダンらしい格式のある存在感を強調しているという。
まずはフロントデザイン。ここは現代的な解釈によるツインヘッドライトとBMW伝統のキドニーグリルを垂直方向に拡大し、やや前方に突き出たシャーク・ノーズ&ロング・ボンネットを特徴としている。ほぼ垂直に配置されたLEDは、デイライトライニングおよびウィンカーギミックを備える。キドニーグリルには、夜間走行時にBMWブランドの象徴である造形を印象的にライトアップする、BMWアイコニックグローを備えているのもトピックだ。
サイドデザインにおいては、高いショルダーライン、金属を削り出したような塊感のある力強くデザインされたドアパネルおよびフェンダーの造形、正確にトレースされた2本のキャラクターラインが光る。
そのほかのポイントも全体的に見直しが行われており、BMW史上もっとも美しい5シリーズに仕上がっているという。
インテリアにおいては、BMWらしい走りの楽しさと快適性を感じられるデザインを導入。 それにより、広々としたスペースや随所に取り入れられたモダンな機能、高次元のオーディオ、高品質で精密に加工された素材、高度なデジタルサービスを取り入れ、インテリアをよりプレミアムな雰囲気へ仕立てている。
特徴としては、先代モデルに比べてボタン類が大幅に削減され、無駄を省いて洗練された仕立てとしている。センターに備わるBMWカーブドディスプレイは、最新の12.3インチのインフォメーションディスプレイと14.9インチのコントロールディスプレイで構成。ステアリングホイールも再設計され、下部セクションが平らになり、ステアリングまわりに空間を与え、コントロールパネルとセンターコンソールのセレクターレバーには、操作時のフィードバックを追加と、スタイリッシュかつ大幅にリメイクされている。
また、新型BMW 5シリーズは、シート、ダッシュボード、ドアパネルの表面に加え、ステアリングホイールを、地球環境に配慮して植物を主原料とした持続可能な素材で、上質なレザーと同等の柔らかさと風合い、耐久性を実現したビーガン・インテリア仕様を一部モデルに標準装備。
まさに最先端な要素をエクステリアとインテリアにふんだんに取り入れた意欲作となっている。
パワーユニットもシャシーもテコ入れ!
パワートレインは「電気」「ガソリン」「ディーゼル」と3種類設定されており、電気自動車の「i5」からは、「BMW i5 M60 xDrive」と「BMW i5 eDrive40」が日本で販売される。
前者は最高出力261馬力(192kW)を発揮するひとつの電気モーターが前輪に、最高出力340馬力(250kW)を発揮するひとつの電気モーターが後輪にある、4輪駆動モデルのMパフォーマンス・モデルとなっており、システム・トータルでの最高出力は601馬力(442kW)、最大トルクは820Nmと、Mの名に恥じないハイパフォーマンス性能がウリだ。パフォーマンスを数字で例えると、0-100km/hをわずか3.8秒で駆け抜ける。
ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池の総エネルギー量は81.2kWhであり、一充電での走行可能距離は455~516kmと、走行距離が長いのも魅力だ。
後者は最高出力340馬力(250kW)を発揮するBMW伝統の後輪駆動モデル。最大トルクは430Nmであり、スポーツ・ブーストまたはローンチ・コントロール機能が作動している場合、0-100km/hを6.0秒で駆けぬけるという。ボディ床下に収納されているリチウム・イオン電池の総エネルギー量は81.2kWhであり、一充電での走行可能距離は477~582kmとこちらもロングレンジ。Mほどのハイパフォーマンスを求めていないのであればこちらでも十分だろう。
ガソリンモデルとディーゼルモデルも見てみよう。
まずはもっともオーソドックスと言える「BMW 523i」。こちらは、BMWグループが誇る「EfficientDynamicsエンジン」の新世代モジュール式高効率2リッター直列4気筒BMWツインパワーターボガソリンエンジンを搭載しているのが特徴だ。
このエンジンは、従来のユニットと比較してより高精度なターボシステム&バルブ制御に加え、ツインインジェクションを搭載したミラーサイクルエンジンへと進化。より低燃費かつダイナミックな走りを実現すると同時に、48Vマイルド・ハイブリッド・システムが組み合わされ、システム・トータル最高出力190馬力(140kW)、システム・トータル最大トルク310Nmを発揮するスペックとしている。
そしてもう1台は「BMW 523d xDrive」。このモデルは先述の「BMW 523i」と同じコンセプトのエンジンを搭載しているが、こちらはディーゼルとなっている。従来のエンジンと比較して、ピストンの軽量化等の改善に加え、低速側を可変ウイングとしたシーケンシャルツインターボの電子制御精度を向上させたうえで、48Vマイルド・ハイブリッド・システムが組み合わされているのが特徴。システム・トータル最高出力197馬力(145kW)、システム・トータル最大トルク400Nmを発揮する。
これらのモデルは、BMWらしいハンドリングを追求するためにシャシーまわりも一新されている。例えば、ロングホイールベース、フロントアクスルとリヤアクスルのトレッド幅の拡大、同社のお家芸とも言えるほぼ完璧にバランスの取れた50:50の前後重量配分、軽快なフットワークに欠かせない軽量構造や接続剛性の向上と、最新技術を惜しみなく投入しているのだ。
そのほか、可変ステアリングレシオを備えたスポーツステアリングが全車標準装備されていたり、4輪操舵を可能とするインテグレーテッドアクティブステアリングと電子制御のショックアブソーバーを備えたアダプティブサスペンションが「BMW i5」に標準装備、「BMW 523i」および「BMW 523d xDrive」にオプション設定されているのも見逃せない。
Mパフォーマンス・モデル「BMW i5 M60 xDrive」には、さらにアクティブロールコントロール機能を備えた電子制御スタビライザーを含むアダプティブMサスペンションプロフェッショナルを標準装備。BMWにおける最新装備がこれでもかというほど投入されている。
そしてさらに、BMWではすっかりお馴染みとなった「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」をはじめ、安全機能・運転支援システム「ドライビングアシストプロフェッショナル」、完全自動駐車が可能となる「パーキングアシストプロフェショナル」を標準装備としている。
このほかにも車載カメラを使用した全方向(前後&左右)記録可能なBMW ドライブ・レコーダーを標準装備していたり、車両の異常をスマートフォンに知らせるアラームシステム、最新のBMW iDriveおよびBMWオペレーティング・システム8.5などなど数えきれないほどの最新装備が満載だ。
BMWの新しい顔とも言える新型5シリーズは、798万~1548万円の価格帯で全6モデルが展開される。新時代のBMWをいち早く体感したいなら、新型5シリーズに決まりだろう。
なお、納車は、BMW 523iおよびBMW i5については本年第四四半期以降を、BMW 523d xDriveについては2024年第一四半期以降を予定しているとのこと。
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