2018年のWRC世界ラリー選手権をシトロエン陣営の一員として戦いながらも、チームの財政面からシートを失ったマッズ・オストベルグが、2019年に新設されるWRC2プロ選手権にシトロエンC3 R5で参戦する。
ノルウェー出身のオストベルグはMスポーツやシトロエンといったワークスチームのほか、プライベーターとしてもWRCに参戦。2018年はシトロエンから13戦中8戦にスポット参戦して70ポイントを獲得し、ランキング10位でシーズンを終えた。
WRC:2019年新設の『WRC2プロ選手権』概要発表。1チーム最大2台、王座は8戦の有効ポイント制
しかし、シトロエンは2019年、タイトルスポンサーであるアブダビのサポート停止などにより財政面が厳しくなったため、シリーズ全戦をセバスチャン・オジエとエサペッカ・ラッピのレギュラーふたりだけで戦うと決定。オストベルグはシートを失う格好となっていた。
そんなオストベルグは1月15日、自身のオフィシャルサイトを通じて2019年の参戦プランを発表。WRC最上位クラス直下のWRC2に新設される『WRC2プロ選手権』にDGスポーツから参戦することをアナウンスした。
このWRC2プロは、メーカー系のドライバーやマシンによって争われる選手権。これまでWRC2はワークスチームと完全なプライベーターが混在する形で争われてきたが、これを分離する狙いがある。
オストベルグは、シトロエンが2018年にリリースしたばかりの最新型R5マシン、シトロエンC3 R5でWRC2プロに参戦。2月14~17日の第2戦スウェーデンがWRC2での初戦となる。
オストベルグはオフィシャルサイトに「2019年シーズンをWRC最上位クラスで戦えないことがわかったとき、失望したことは確かだ」と心境をつづっている。
「僕にとってラリーはただの仕事ではなく、情熱を傾けるものであり、脈々と受け継がれてきたものとも言える。だから、夢を諦めるという選択肢はありえなかった」
「シトロエンのワークスドライバーとして戦った3年間はいい経験を積むことができた時代だった。これが今回の(シトロエンC3 R5でのWRC2プロ参戦という)オプションを選択する理由のひとつになった」
「たしかにチャレンジングであることは間違いない。C3 R5をドライブした経験はないし、初戦まで多くの時間があるわけではないからね。これから大忙しになることは間違いない」
「シーズン序盤に集中するべきことはマシンの開発だろうね。そのなかでC3 R5にWRC2初優勝をもたらすことができればうれしいよ。シトロエン・レーシングの知見と僕の経験を組み合わせれば不可能ではないはずだ」
「(コドライバーである)トルステイン・エリクセンとのコンビを継続できることもうれしく思う。彼はどのレベルのラリーも戦える最高のコドライバーだからね」
オストベルグは2月のラリー・スウェーデンを見据えたテストも兼ねて、1月27日にノルウェー国内で行われるラリーイベントに参加。ここでC3 R5での経験を重ねる計画だ。
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