ハースのニコ・ヒュルケンベルグはイギリスGP決勝で前戦オーストリアGPから2戦連続での6位入賞。チームとしてレッドブルやマクラーレン、メルセデス、フェラーリに次ぐ速さを見せている。
ハースF1の小松礼雄代表はそれを認めつつ、今季からチームを率いる立場となり組織改革を進める時点で、現在のスピードを発揮できるだけの素養がチームにはあったと説明した。
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イギリスGPでハースはフロア全体やサイドポンツーン、エンジンカバーなどをはじめとする大規模アップデートを投入。ヒュルケンベルグはフリー走行2回目で4番手と初日から速さを見せた。
そしてヒュルケンベルグは予選で6番グリッドを確保すると、決勝ではフェラーリのカルロス・サインツJr.らとバトルを展開。ドライ→ウエット→ドライと路面コンディションが目まぐるしく変わるレース展開でもミスなく運び、6位入賞を果たした。
ヒュルケンベルグはイギリスGPの前に行なわれたオーストリアGPでも6位。チームメイトのケビン・マグヌッセンもそこで8位入賞を果たしたことで、わずか2戦にして20ポイントを獲得した。
シーズン前半戦を終えて、ハースはコンストラクターズランキングでも6番手のRBに4ポイント差まで接近。上位4チームから一歩遅れるランキング5番手のアストンマーティンをも上回るペースを見せている。
「現時点で我々は5番目に速いチームだと思います。それはすごいことですよ」
イギリスGPを終えて小松代表はそう振り返った。
「ニコは昨日の予選で6番手でしたが、あれは完璧なラップとはほど遠いモノでした。0.3~0.4秒ほどロスしていたので、3~4番手に近かったかもしれませんが、6番手からスタートすることになったので、それはそれで良いんです」
「そして(決勝は)変わりやすいコンディションで、我々がポジションを落とす可能性もありました。フェラーリと戦えるとは思っていませんでしたし、純粋なドライ・コンディションならそうはならなかったでしょうね」
「そのため可能な限りトップ4チームの近くでフィニッシュすることを目指しました。ここで我々は5番手チームだったので、素晴らしい結果がなくとも9~10位ですからね」
「私がとても喜んでいるのは、適切なタイミングで正しいタイヤを装着することができたからです。言うのは簡単ですが、実現するのは難しいことで、クレイジーに聞こえますが本当なんです」
「そして今日、すべてのチームワークが上手くいきました。そしてアップデートも上手くいきました。基本的にマシンも速かったですし、ニコも良かったです。タイヤマネジメントのコミュニケーションも良かったです」
「そして適切なタイミングでインターミディエイトに履き替え、適切なタイミングでスリックに戻し、最後のスティントではミディアムを履くストロール(ランス・ストロール/アストンマーティン)に対してソフトでタイヤマネジメントをしました」
「すべてがチームワークとして上手く機能しました。だからとても嬉しいんです。全ての要素で、チームのみんなに大きな自信を与えてくれました」
また小松代表は、イギリスGPでのアップデートが成功裏に終わったことが、今後のマシン開発における自信になると語った。CFDや風洞でのシミュレーション通りにコース上でアップデートが機能するという確認が取れたのだ。
「報道では、我々の空力担当が『マシンにアップデートはできない』などと言っていました……しかし今、我々は証明してみせました。我々がマシンにパフォーマンスを加えたことは誰も否定できません。これが彼らに大きな自信を与えるはずです」
今年初めの代表就任当初からチームには「才能があり質の高い人材が沢山いる」と語ってきた小松代表。中団グループを引っ張る戦闘力を発揮するポテンシャルはあったと示唆し、チーム首脳陣の変更で実力が解放されたと語った。
「私は最初から『我々には才能のある人たちがいる』と口にしてきました。実際にそうで、単にそれらをどうまとめ上げるかの問題でした、それはトップマネジメントの問題です。だから我々がそれを解決して、チームを機能させたら、このような結果が出るんです」
小松代表はそう語った。
「グループインタビューセッションでも言ったと思いますが、我々はまだ同様の規模です。それほどスタッフは代わっていません。もちろん、シモーネ・レスタは去りました。それは構いませんし、それ以外はあまり代わっていません」
「もちろん、チーム体制は変わりました。何人か配置換えを行ないました。しかし、それよりも環境づくりのほうが重要でした」
「我々は今採用を行なっているので、もっと大きなチームになるはずです。しかし昨年と同じリソースで、多かれ少なかれ同じメンバーです」
「これが我々にできることです。すごいことだと思いませんか? だから私はとても嬉しいんです。もし私が全面的な改革を行なって、同じことを達成したとしても、これほど良い気分にはなれないと思います。我々にはいい人材がいると信じていたからです」
「そしてそんな人たちが、チーム内外で本当に悪いレッテルを貼られていたことに、悔しさと申し訳なさを感じていました。だから本当に嬉しいです」
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