アウディの新時代を告げる電動SUV
アウディは3月18日、新型EVの「Q6 eトロン(Q6 E-tron)」を欧州で公開した。従来のQ5に相当するミドルクラスの電動SUVで、4月に発売予定だ。
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英国価格はQ6 eトロン・クワトロが6万8975ポンド(約1330万円)から、上級モデルのSQ6 eトロンが9万2950ポンド(約1790万円)からとなっている。
アウディの電動SUVラインナップでは、小型のQ4 eトロンと大型のQ8 eトロンの間に位置する。外観は保守的なデザインだが、搭載される技術は「飛躍」的なものだとされている。
Q6 eトロンには、アウディとポルシェが共同開発した先進のプレミアム・パフォーマン・スエレクトリック(PPE)プラットフォームが採用された。ポルシェの新型マカンと共通化し、また今年後半に導入予定のA6 eトロンなど複数のモデルにも採用される最新構造だ。
PPEプラットフォームーとあわせて、フォルクスワーゲン・グループの新しい電子アーキテクチャー「E3」を使用する。5台の高性能コンピューターにより、サスペンションや運転支援システム、インフォテインメント・システムなどを制御する電子技術だ。
最高出力517ps 熱管理システムも刷新
パワートレインとして新世代の電気モーターを導入し、システム出力はQ6 eトロン・クワトロで387ps(285kW)、SQ6 eトロンで517ps(380kW)を発生する。Q8 eトロンの第1世代モーターと比較して、出力密度が62%、性能が33%向上したほか、車両全体のエネルギー消費量を30%抑えるなど高効率を実現している。
また、新しい直接冷却システムを採用し、レーシングカーのようなドライサンプ設計によって潤滑に必要な液体(フルード)の量を減らしている。これも効率をさらに高めるための工夫である。
駆動用バッテリーとして、100kWh(使用可能容量94.9kWh)のリチウムイオンバッテリーを搭載する。12個のモジュールと180個のプリズムセルで構成される新設計のもので、レアメタルのコバルトの使用量を低減している。エネルギー密度は従来比で30%増加し、15%の軽量化を達成した。
また、冷却プレートを組み込んだほか、複合繊維のアンダーボディを装着することで、軽量化と熱管理の向上を図っている。ヒートポンプも標準装備される。
航続距離は最長625km 超急速充電に対応も
1回の充電での航続距離は最長625km(欧州WLTPサイクル)で、電費は6.1km/kWhとなる。SQ6 eトロンでは出力が増すため、航続距離は600kmに短縮される。
全車、強度を調整可能な回生ブレーキシステムを搭載し、パドルを使って手動で設定するか、ワンペダルモードに切り替えることができる。
Q6 eトロンは800Vの高電圧システムを採用し、超急速充電を可能とした。最大270kWの充電に対応し、適切な条件下では10分で255km分のエネルギーを補給できる。
アウディによると、最大135kWの低速400V充電器では、バッテリーが2つのバンクに分かれて並列充電され、充電速度と効率を最大化するという。
家庭用充電器は最大11kWhに対応し、AC充電ポートがボディ左右に1基ずつ(いずれもリア側に)装備されている。
現在はデュアルモーターの四輪駆動モデル(クワトロ)のみが設定されているが、今後シングルモーターの後輪駆動モデルや83kWhバッテリー仕様も追加予定だ。
力強い外観デザイン、表情豊かな照明技術
Q6 eトロンのボディサイズは全長4771mm、全幅1939mm、全高1648mm、ホイールベース2899mmとなっている。
スタイリングとしては、新解釈の「シングルフレーム」グリルを採用し、ヘッドライトは上下2分割として上部にデイタイム・ランニング・ライト、下部にメインビームを配置。
フロントバンパーにはがっしりとしたエアインテークも備わる。サイドは「クワトロ・ブリスター」と呼ばれるフェンダーデザインにより力強さを表現した。
リアエンドにはフルワイドのライトストリップと、「アクティブ・デジタル・ライト・シグネチャー」を特徴とするOLEDリアライトが装備される。これは6つのパネルと360のセグメントからなる新技術で、10ミリ秒ごとにパターンをわずかに変化させたり、周囲の車両に情報信号を与えたりと、さまざまな機能が実装されている。例えば、ハザードランプを押すと警告の三角マークが点灯する。
最新世代のインテリアとソフトウェア
乗車定員は5人。トランク容量は526Lで、これに加えてフロントに64Lの “フランク” を備える。インテリアは「ソフトラップ」と呼ばれる新しいデザインコンセプトを採用し、ドアからダッシュボードまで連続的な曲線でつなげている。また、リサイクル可能な内装材が多数使用されている。
ダッシュボードは、シングルフレーム・グリルを模した「デジタルステージ」を中心に、11.9インチのデジタル・インストゥルメント・ディスプレイと14.5インチの曲面インフォテインメント・タッチスクリーンが組み合わされている。助手席用に10.9インチのディスプレイもあり、走行中は運転席から見えないようになっている。
弧を描くようにフロントガラスの下部を横切るダイナミック・インタラクション・ライトでは、さまざまな情報を光で乗員に伝えることができる。
最新技術「E3」システム 高度な生産体制
インフォテインメント・システムは高度なカスタマイズが可能で、YouTubeやゲーム、オンライン・ショッピングといったサードパーティ製アプリをダウンロードして使用することができる。発売時点で、欧州では70以上のアプリが利用可能だ。
アウディ最新の音声アシスタント・システムを搭載し、800以上のボイスコマンドを実行できるという。
こうしたインフォテインメント・システムは、新開発の電子アーキテクチャー「E3」のバージョン1.2によって支えられている。E3は5台の高性能コンピュータを使用し、駆動系、サスペンション、車体の挙動、運転支援、インフォテインメント、快適機能、内部ネットワークおよび外部通信を制御するものだ。
Q6 eトロンの生産は、アウディの本拠地ドイツ・インゴルシュタットで行われる。高度な自動化を特徴とし、1日あたり約1000台の生産が可能だという。駆動用バッテリーはインゴルシュタットに新設された工場で、電気モーターはハンガリー・ジェールで生産される。
記者の視点:EV 2.0へようこそ
アウディQ6 eトロンは、同社3台目の電動SUVだ。だからといって、これまでと同じ内容というわけでは決してない。プラットフォームを共通化するポルシェ・マカンと並び、フォルクスワーゲン・グループによる新世代のEVの幕開けを意味するからだ。
Q8 eトロンは内燃エンジン車用プラットフォームの改良版を、Q4 eトロンは拡張性の高いMEBを使用している。しかし、PPEはアウディとポルシェがEV向けに特別に開発したもので、電子システムとソフトウェアに焦点を当てた設計となっている。多くの点で、Q6 eトロンはまっさらな状態から開発された初めてのアウディEVということになる。
PPEの鍵は柔軟性である。ソフトウェアとコンピューターに焦点を当てることで、無線アップデート(あまり歓迎されない動きだが、有料機能が増える可能性もある)と開発の迅速化が可能になる。それはまた、方向転換の時でもある。アウディのような企業は現在、電気技術に関する多くの知識を持っており、それを使って何ができるかを示す時なのだ。
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