この記事をまとめると
■クルマ好きにはブライダルカーに乗ってみたいと思っている人も少なくないだろう
乗ればスクリーンに飛び込んだ気分! ムービースター感が味わえる「名画」の「名車」5選
■しかしなぜか日本ではブライダルカーをあまり見かけない
■そこで今回はブライダルカーを走らせるハードルについて解説する
クルマで出発するタイミングがない
全国の独身男女の皆さんのなかには、初詣で「今年こそ、結婚できますように」と呟いた人も多いかもしれませんね。私も独身時代、明治神宮を参拝してお願いしていましたが、最初の頃は本殿のみにお願いしており、その背後に縁結びのご利益が大きいと言われる「夫婦楠(めおとくす)」があるのにすっかり素通りしていました。この夫婦楠にも手を合わせるようになって数年後、よいご縁を頂きましたので、やはり縁結びのご利益があるところにお願いした方がいいのかもしれないですね。
さて、すでに結婚を約束したお相手がいて、結婚式のことをあれこれ考え始めるカップルにとっては、クルマ好きであれば一生一度しか乗れない派手な「ブライダルカー」に乗ってみたいと思う人も多いですよね。また、自分の愛車を飾り付けして、ブライダルカーにしたいと計画する人もいるのではないでしょうか。欧米の映画のワンシーンのように、ナンバープレートには「Just Married」の文字を掲げ、ボディをお花やリボンで飾り付けて、空き缶をぶら下げてガラガラと音を鳴らしながら走っていくのもステキです。
この「空き缶をガラガラと鳴らす」という行為には昔ながらの言い伝えがあって、大きな音を出すことで幸せな2人が通ることを周囲に知らせたり、悪いものを寄せ付けないようにするため、という意味もあるようです。未来へ向かっていく2人を安全に送り出したいという、気持ちのこもった風習でもあったのですね。でもこれ、なぜか日本ではあまり見かけません。それには大きく3つの理由があるといいます。
1つ目の理由は、日本では神前で式を挙げたあとに、披露宴を執り行うことが多いですね。その後、仲間が多いカップルだと二次会、三次会と深夜まで盛り上がり、最後は披露宴を行ったホテルなどに宿泊して、翌朝にハネムーンへ出発するという段取りになります。となると、招待客に見送られながらカップルだけがクルマで出発するというタイミングがないわけです。もし、同じように宿泊した親族に見送られて出発したとしても、派手に飾り付けしてガラガラと空き缶を引きずったクルマのまま空港に行って、さてそのクルマはどうするの? ということになるわけです。欧米のように大陸続きだと、クルマのままハネムーンに出かけられるのですが、島国の日本ならではの悩みでしょうか。
道路交通法に抵触する可能性も
2つ目の理由は、日本では和服で挙式をするカップルも多いので、白無垢など晴れの日にふさわしい着物を着たまま、クルマに乗るのがなかなか難しいということがあります。結った頭はかなり身長より高くなっていますし、髪飾りも大きなものがあるので天井が低いクルマでは乗りにくかったり、男性の方も草履を履いたまま運転するのはNGだったりと、いろんな制約があるためにブライダルカーで出発するのは難しいのではないでしょうか。
3つ目の理由は、敷地の広い結婚式場内での移動などで空き缶をぶら下げて走るのはまったく問題がないですが、公道を走るとなるとそれは別の話。道路交通法に抵触するかもしれない、グレーゾーンになると思われるポイントがいくつかあります。まず飾り付けですが、花やリボンなどがしっかり取れないようについていないと、もし走りながら道路にポロポロと撒き散らしてしまうようでは周囲のドライバーに迷惑をかけてしまいます。
またぶら下げる空き缶ですが、クルマの積載物が車両からはみ出してもよい長さというのが道路交通法で決められています。それより長くなってしまうと、取り締まりの対象となる可能性もあるわけです。さらに、空き缶が鳴らす音の問題も気になります。道路交通法第70条「安全運転の義務」では、「運転に際しては、道路状況・交通状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度・方法で運転しなければならない。」とされていますので、騒音に対する具体的な規約がなくても、その音のせいで周囲のクルマが危険に晒されたり、事故の原因になったりすれば違反となる可能性があるということ。これらの理由を踏まえると、あまり積極的に空き缶を鳴らして走りたいとは思わないですよね。
ただ、その代わりに日本では結婚式場やブライダルプランナーなどが素敵なブライダルカーのプランを用意していたり、自分の愛車を使って結婚式の演出をしてくれるサービスなどもたくさんあるようです。
たとえば和装の結婚式の場合には、花嫁タクシーと呼ばれるブライダルカーでの送迎が人気。後席のドアは屋根まで開くようになっているので、きれいに結った頭での乗り降りもスムース。専門の運転手さんがついてくれて、花嫁にとって「出戻り」を連想させるので縁起のよくない「後戻り」=「バックギヤに入れる」ことを絶対にしないなど、晴れの日にふさわしい気遣いが徹底しているとのこと。
またちょっとゴージャスな演出がしたいカップルには、ハリウッドスターのようなリムジンでの送迎や、オープンカーで颯爽と走るプラン、クラシックカーで映画のような送迎をしてくれるプランなどもあります。もちろん、自分の愛車を飾り付けて披露宴会場に飾ったり、ボディカラーを式場全体のテーマカラーとして演出してくれるなど、クルマ好きならではの結婚式はアイディア次第でいろいろと楽しめそうです。
一生一度(ではない人もいますが)、人生の伴侶となる相手だけでなく、とびきりのクルマや愛車で門出を祝うというのは、素晴らしい思い出になることでしょう。
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みんなのコメント
ホテルの閉鎖されたといってもかなり長い通路で、式のフィナーレでガラガラとやった。
派手なのが好きな人だったからなあ。