全8モデル、価格は2631万円から
スーパーカーブランドの代名詞のひとつ、F1や跳ね馬のロゴでおなじみのフェラーリ。現在、日本国内で購入することができるフェラーリは、先日国内導入が発表された同社初のPHEVモデル「SF90ストラダーレ」を含めて8モデルある。
とてつもなく高額なクルマと思われがちだが、実は他メーカーの高級セダンやスポーツカーと同価格帯のモデルもある。もちろん、それなりの金額ではあるが、各モデルの特徴と価格を紹介してみよう。
フェラーリとはどんなメーカー?
フェラーリは、1947年にエンツォ・フェラーリによって創業されたイタリアの自動車メーカー。現在は、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の傘下にある。FCAは、2014年に誕生した伊フィアットと米クライスラーの合弁会社だ。
主にイタリアンブランド、ランボルギーニを除くフィアット、アバルト、アルファロメオ、ランチア、マセラティ、そしてフェラーリが、FCA傘下にあるフィアットグループオートモビルズによってマネージメントされている(実質的な親会社)。
フェラーリと聞けば、どうしても雲の上の存在であり、成功者やリッチマンの象徴というイメージだが、果たして本当にそうなのか。誰もが気軽に買えるクルマではないと言うことは想像できるが、その新車価格とはいったいいくらぐらいなのか。国内導入されている現行8モデルのプロフィールと価格を紹介しよう。
「SF90ストラダーレ」のシステム出力1000ps
まずは、10月9日に日本への正式導入が発表されたばかりの「SF90ストラダーレ」。フェラーリ初の市販PHEVとなるこのマシンは、2019年5月に同社のF1マシンや市販モデルのテストを行う「フィオラーノ」テストコースで実車が初公開された。
車名の「SF90ストラダーレ」は、スクーデリア・フェラーリ(フェラーリのレーシング部門で、フェラーリ社の前身ともいえるレーシングチーム)の誕生90周年を記念して名付けられたという。
注目すべきはなんといってもシステム合計出力1000psを発生する電動化パワートレイン。リアミドに搭載される最高出力780psの4リッターV8ツインターボに3基のモーターを組み合わされ、モーターの合計最高出力は220psと発表されている。
そのモーターは、左右の前輪駆動用にそれぞれ独立して設置されるほか、エンジンと8速DCTの間にも1基が配置され、そちらは後輪駆動用となる。つまりエンジンが後輪を、左右独立配置された2基のモーターが前輪をそれぞれ駆動する4WDシステムを採用しているということだ。
ステアリングホイールに配置されたドライブモードセレクター「eManettino(イーマネッティーノ)」によって、ドライバーは、4つの走行モードが選択可能。
「eドライブ」モードでは、最高速度が135km/hに制限されるものの最大25kmのゼロエミッションEV走行が行え、「ハイブリッド」モードでは標準的な走行モード、「パフォーマンス」モードでは常にエンジンが稼働し続け、バッテリーの充電を優先する。
「クオリファイ」モードでは何よりもパフォーマンスを優先し、システム合計出力1000psをフルに発揮。最高速度340km/h、0-100km/h加速2.5秒、0-200km/h加速6.7秒、100km/hからの完全停止距離は29.5m、フィオラーノ(フェラーリのテストコース)ラップタイム79秒の実力を余すことなく披露してくれる。国内価格は5340万円(税込)、2020年後半に発売予定だ。
お値段もリーズナブルな「ポルトフィーノ」
次は、エントリーモデルとされるFRモデル。2017年9月のフランクフルトショー(ドイツ)でワールドプレミアされたFRモデルが「ポルトフィーノ」だ。
手軽にオープンカーとクーペスタイルの楽しめるリトラクタブルハードトップ採用の4シーターオープンカーとして2008年に登場した「カリフォルニア」、その進化版モデル「カリフォルニアT」の、事実上の後継にあたるモデルだ。
車名のポルトフィーノとは、イタリアはリグーリア州リビエラの高級リゾート地として知られる港町、ポルトフィーノから命名され、前身のカリフォルニアに続く地名をモチーフにした車名である。
トップがクローズ状態では流麗なクーペシルエットとなり、一転、オープンにすればロングノーズショートデッキのスポーティなシルエットが浮かび上がる。カリフォルニアから受け継いだリトラクタブルハードトップ機構は新設計されており、開閉時間をわずか14秒に抑えただけでなく、40km/hの速度であれば走行中でも操作が可能だ。
エンジンは、カリフォルニアTにも搭載されていた3.9リッターV8ターボの進化版で、最高出力は+40psの600ps、最大トルクは同車比で+10Nmの760Nmを誇る。0-100km/h加速が3.5秒、0-200km/h加速が10.8秒。最高速度は320km/hと公表されている。
狭いながらもリアシートを備えること、クローズ状態で292リッターが確保されているラゲッジスペースなどによって、”フェラーリにしては”という注釈付きだがスポーツカーとして考えても十分な実用性を有している。
ちなみにそのラゲッジスペースは、中型のキャビントローリーをクローズ時には3個、オープン時には2個収納できるとフェラーリは説明している。価格は、現行フェラーリのラインナップで最もリーズナブルな2631万円(税込)である。
新世代のV8ミドシップスポーツ「F8トリブート」
2019年6月に日本導入が発表されたばかりの最新型のV8ミドシップスポーツカーが「F8 Tributo(トリブート)」だ。
「488GTB」の後継モデルとして、2019年のジュネーブショー(スイス)でワールドプレミア。フェラーリが「308シリーズ」以来40年以上にわたり綿々と進化させ続けてきた、V8エンジンをリアミッドに搭載するピュアスポーツモデルでもある。
エンジンは最高出力720ps、最大トルク770Nmの3.9リッターV8ターボエンジン。先代488GTB比でプラス50ps、カタログモデルとしてはフェラーリのV8エンジン史上過去最高スペックとなる。
リッターあたりの出力は185psにも達し、フェラーリエンジンのなかで最高の値。発表された0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.8秒という性能は、488GTBより0.1秒、0.5秒それぞれ速い。最高速度は340km/hとアナウンスされている。
多くの名車を手掛けたフェラーリ・スタイリング・センターがデザインを担当したボディのサイズは全長×全幅×全高=4611×1979×1206mm、ホイールベース2650mmとなる。
このエクステリアデザインに関し「エアロダイナミクス性能をつき詰めた、モータースポーツから生まれた最新のエアロダイナミックソリューションを採用。F1マシン由来の空力デバイスも数多く採用している」とフェラーリは説明している。
車名のF8トリブート(英語ではトリビュートの意)は、過去のV8モデルに対する敬意を示すもので、過去モデルのデザインモチーフがボディ各所に用いているのも特徴といえる。
例えばエンジンルームを覆うレキサン製リアウィンドウは、1987年にデビューした「F40」の要素を現代的にアレンジしたもので、片側2灯式のテールライトは「308」などがモチーフといわれている。価格は3328万円(税込)。
F8トリブートのオープン版「F8スパイダー」
2019年9月のフランクフルトショー(ドイツ)、発表されたV8ミドシップオープンカー「F8スパイダー」は名称からも分かるようにV8ミドシップスポーツカー「F8トリブート」をベースに開発。「458スパイダー」から採用がはじまったリトラクタブルハードトップ(RHT)を採用したオープントップモデルだ。
クローズ時にはクーペに見えるハードトップのオープン/クローズそれぞれに要する時間はわずか14秒で、45km/h以下のスピードであれば走行中でも開閉操作できるのがセリングポイントである。
全長×全幅×全高=4611×1979×1206mmというボディの中央(キャビン後方部)に搭載される3.9リッターV8ターボエンジンはF8トリブートと共通で、最高出力720ps、最大トルク770Nmを発揮。クーペのF8トリブートは1330kgという車重だが、オープン化に伴いクーペ比で+70kgの1400kgと発表されている。
0-100km/h加速2.9秒、最高速340km/hという数値はクーペと変わらないが、0-200km/hの加速タイムのみ7.8秒となるクーペに対しやや劣る8.2秒と公表。国内価格は3657万円(税込)だ。
伝統のV12を搭載する旗艦「812スーパーファスト」
2017年のジュネーブショー(スイス)でワールドプレミアされたフェラーリのV12フラッグシップモデルが「812スーパーファスト」。1947年登場の1.5リッターV12搭載の「125S」に始まったV12エンジン搭載モデルの歴史に、加わった新たな1ページである。車名は、最高出力800ps発生するV12エンジンに由来するもの。
フロントミドシップに積まれる自然吸気の65度バンクを持つV12 DOHCエンジンは、排気量を先代モデル「F12ベルリネッタ」の6.2リッターから6.5リッターに拡大。
350バールに噴射圧が高められた直噴システムや可変インテークシステムなどの採用によって、前述のとおり最高出力は800ps、最大トルクは718Nmと、歴代フェラーリ自然吸気ユニットとして過去最高のパフォーマンスを誇る。「F12tdf」で初採用された後輪操舵「バーチャルショートホイールベース2.0システム(PCV)」も採用されている。
そして、全長の長いV12を収めるロングノーズショートデッキのボディデザインは、長年フェラーリのデザインを担当してきたピニンファリーナではなくフェラーリ社内のチェントロスティーレが担当。2720mmのホイールベースはF12ベルリネッタと変わらないが、全長×全幅×全高=4657×1971×1276mmとボディサイズは若干拡大している。
V12エンジンに7速F1 DCTがトランスアクスル方式で組み合わせられた812スーパーファストのパフォーマンスは、最高速度340km/h以上、0-100km/h加速2.9秒と発表。F12ベルリネッタ比では、最高速は同じ、0-100km加速タイムは0.2秒短縮されている。日本での価格は4128万円。
812スーパーファストのオープン版「812GTS」
2019年9月9日に発表されたフェラーリの最新作が、V12エンジン搭載のオープントップフラッグシップモデル「812GTS」。ネーミングからも分かるように、「812スーパーファスト」ベースのオープン2シーターとなる。
フロントにV12エンジンを積むモデルとしては、「550バルケッタ ピニンファリーナ(2000年)」や「スーパーアメリカ(2005年)」、「SAアペルタ(2010年)」、「F60アメリカ(2014年)」などの限定車以外では、さかのぼること50年前の1969年に登場した”デイトナスパイダー”と呼ばれる「365GTS4」以来のこと。
ルーフにはリトラクタブルハードトップ(RHT)を採用し、開閉にそれぞれが14秒で完了するという。45km/h以下の車速であれば走行中でもルーフの開閉が可能。ボディサイズはベースとなった812スーパーファストとほぼ同じで、全長×全幅×全高=4693×1971×1278mmと、36mm長く、2mm低い数値、ボディ重量はクーペ比で75kg増しの1600kgと発表されている。
エンジンも812スーパーファストと同じく最高出力800ps、最大トルク718Nmだが、340km/hの最高速こそ変わらないが、0-100km/hの加速タイムはクーペの2.9秒よりも遅い「3秒未満」となる。国内価格は4508万円(税込)だ。
また、日本への導入時期は未発表だが、フェラーリなどスーパーカーブランドの常として、正規ディーラーでは顧客からのオーダーに個別に対応していると思われる。
4人乗りの4駆フェラーリ「GT4ルッソ」
現行のフェラーリラインナップで今や最古参となってしまったのが、2016年のジュネーブショー(スイス)で発表された「GTC4ルッソ」だ。
フロントエンジンの4WDシステムと4シーターレイアウトを持つ、フェラーリ初のオールラウンダーとして誕生した「FF」の後継モデルに当たるモデルで、車名にある「ルッソ」とはイタリア語で”豪華”を意味する言葉。つまり、4人が快適に移動できる(後席は狭いが)フェラーリ唯一のラグジュアリーモデル、という見方もできる。
ボディデザインは、フェラーリ社内のデザイン部門であるチェントロスティーレによって”FF”から変更が加えられ、同時期のフェラーリ最新モデルに共通するウィンドウグラフィックや丸目4灯のテールライトなどの意匠が与えられたほか、前後スポイラーなどのエアロデバイスなどの装着で、空力性能が向上されている。
インテリアも、ブリッジ式のセンターコンソールデザインや助手席の正面に設置された「パッセンジャーディスプレイ」の採用などでアップデート。ラゲッジスペースは450リッターと、十分実用的なキャパシティを備えている。
”FF”で搭載されていた6.3リッターのV12エンジンは、排気量はそのままに、圧縮比を12.3から13.5に高めるなどして30psパワーアップされた690psに。これによって0-100km/h加速タイムは3.4秒に、最高速は335km/hにアップ。トータルパフォーマンスが引き上げられている。
フェラーリ初の4WDシステム「4RM」は、新たに後輪操舵機構が備わり「4RM-S」に進化。GTカーとしての走行性能とともに日常性も大きく向上を果たしている。価格は3608万円(税込)。
GTC4ルッソのV8ターボ仕様「GTC4ルッソT」
「GTC4ルッソT」は、「GTC4ルッソ」初のバリエーションとして2016年10月のパリサロン(フランス)にて世界初公開。
ベースとなったGTC4ルッソが6.3リッターのV12エンジンを搭載しているのに対し、GTC4ルッソTは最高出力610ps、最大トルク760Nmを発生する3.9リッターV8ツインターボエンジンを搭載。フェラーリFF由来となる同社初の4WDシステムであった駆動方式も、後輪駆動に変更された。
ちなみにGTC4ルッソの車名末尾に追加された”T”は、ターボエンジンの搭載を意味するもの。V8ターボエンジンの搭載や駆動方式を後輪のみとした変更などにより、GTC4ルッソTでは車両重量を1740kgに軽減することに成功。パフォーマンスは0-100km/h加速が3.5秒、最高速が320km/h以上と発表されている。
同時に46:54というリア寄りの前後重量配分や後輪操舵システム、電子制御ディファレンシャル、磁性流体可変ダンパーなどの採用によって、軽快かつコントローラブルな走行性能を持ち合わせているという。
GTC4ルッソTと同じく4シーターのキャビンや450リッターの容量を誇るラゲッジルーム、可倒式のリアシートなどにより、(フェラーリにしては)類い希な実用性も合わせ持っている。(こちらもまたフェラーリにしては)リーズナブルな3099万円(税込)という価格設定も魅力だ。
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