599GTBに2164万円 なぜ?
text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
【画像】シューマッハーのフェラーリ599GTBフィオラーノF1【実車】 全26枚
photo:ARTCURIAL
フランスのクラシックカー・イベントの公式オークションとして開催された「レトロモビル・セール」。広大な広さを誇るパリ・エキスポ・ポルト・ド・ヴェルサイユで開かれ、151台の4輪車のほか、9台のモーターサイクル、4隻のクルーザーが用意された。
オークションの結果は、フェラーリ275GTB 6Cが最高落札額(3億284万円)を記録、2番値は1966年ポルシェ 906(2億941万円)となったのは既報のとおり。
別格といえる275GTBやF40、ルネ・アルヌーが乗ったF1マシンの126C3を除いてみれば、オークション全体ではフェラーリの下落傾向が止まらない。
これまで高額だった365GTC/4が1811万円、330GTCは4688万円が精一杯だった。新しいモデルでも208GTSターボが765万円、328GTBでも722万円で終えている。
こうした中で目を引くのが、2164万円で落札された2006年「フェラーリ599GTBフィオラーノF1」だ。
皇帝の愛馬
これまでの傾向としてフェラーリ599GTBフィオラーノF1は、マニュアル仕様であれば高額で落札されるが、F1仕様では1000万円台が相場といえる。では、なぜこのクルマは高く評価されたのか?
実はこの599GTBフィオラーノF1は、赤い皇帝「ミハエル・シューマッハー」のプライベートカーとして、フェラーリ社から支給されていた個体なのである。
走行距離はメーター読みで2万2000kmばかり。記録簿によればファーストオーナーはマラネッロのフェラーリ・ファクトリーであることが分かる。現オーナーは2016年にこのクルマを手に入れたという。
フェラーリ社の証明書がつくこともあり、入札が続き2164万円まで上昇したが、シューマッハーの現役時代であれば数倍の値が付いたに違いない。
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