首都高道路サービス 中古車輸出会社がある
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】明暗わけたトヨタ・ランドクルーザーvs三菱パジェロ【2台をくらべる】 全80枚
photo:Hiroto Kato(加藤博人)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
2005年に首都高速が「首都高速道路公団」から「首都高速株式会社」に民営化されてから同社は様々な事業を展開している。
時間貸し&月ぎめ駐車場や直営賃貸住宅、直営レンタル倉庫や飲食店の経営などもあり、中古車輸出事業もその中の1つだ。
こちらは、首都高速道路サービスという会社が展開する事業の1つで、首都高で使い終わった車両を海外向けに中古車として販売している。
例えばパトロールに使われるトヨタ・ランドクルーザーや道路維持作業などに使われるトラック、ユニック車、山手トンネル(中央環状線)の中だけで活躍するパトロールバイク(通称黄バイ)などである。
サイトには黄色い作業車以外の乗用車を含めて12台が掲載されているが、すべて「SOLD OUT」となっている。
どんなクルマが中古車として販売されているのだろうか?
一例をご紹介してみよう。
トヨタ・ランドクルーザー・プラド
登録年月:2010年12月
走行距離:49万7602km
日産エクストレイル・ハイブリッド・アイパッケージ4WD
登録年月:2016年5月
走行距離:11万8835km
トヨタ・マークXジオ
登録年月:2008年8月
走行距離:13万5522km
いすゞ・エルフ 平ボデー
登録年月:2006年9月
走行距離:11万3870km
トヨタ・ランドクルーザー100
登録年月:2013年12月
走行距離:54万3551km
いすゞ・フォワード
登録年月:2012年12月
走行距離:20万5508km
首都高ランクル 走行50万km超えも多数
多様な車種が販売されているのだが、注目すべきはランドクルーザーの走行距離である。いずれも50万km前後と他のクルマに比べて飛びぬけて多い。
理由はランドクルーザーのほとんどは「パトロールカー」として、総延長300kmを超える首都高速の担当ルートを日々走ってパトロールをしているためで、年式と走行距離から換算すると年間7~9万km程度走っていることになる。
登録から数年という短期間でこんなに距離を走っているランドクルーザーは国内では首都高など道路会社のパトロールカー以外にはあまり例がないだろう。
ちなみに、掲載されている中古車のランドクルーザーはどれも50万km前後になっているが、この距離は新しく交換する目安になるのだろうか?
首都高速道路に聞いてみたところ、「特に距離を定めているわけではありません」とのことだった。
そして気になるのはこれらのランドクルーザーが一体どれくらいの価格で売買されているのか? ということである。
この件について、首都高中古車会社に聞いてみたところ、「一般の中古車業者と競合してしまうので、公式サイトに出ている以上の情報はお伝えできません」との回答だった。
そこで、知人の中古車業者数社に聞いてみたところ、あっさりと判明した。
「黄色いクルマでしょ? 業者オークションに出てますよ?」と。
驚愕の高価格 他社のSUVとはケタ違い
業者オークションに出品→落札されていたランドクルーザーの価格をいくつかご紹介してみたい。
過去2か月で15台以上のトヨタ・ランドクルーザーや三菱パジェロ、デリカD:5などの「黄色いクルマ」が落札されている。
年度末の入れ替えで払い下げられたというタイミングもあるのかもしれないが、短い期間に意外と多くの「黄色いクルマ」がオークションに出品されている印象だ。
落札されたこれらの車両の写真を見るとどれもみな「首都高速道路PATROL」などの文字は消えており、黄色いボディに白いストライプ、赤白のバンパーという特徴が残っている。
なお、同様の車両でも白いストライプや赤白のバンパーなどがすべて黄色に塗装され直して出品される場合もあるようだ。
これらすべてが首都高で使われていたかどうかは定かではなく、ネクスコ3社のほぼ同じ仕様のランドクルーザーが含まれている可能性もある。
しかし、いずれにしても走行距離や年式は似通っており、首都高かネクスコかの違いで落札価格に大きな違いはないだろう。
以下は全国の業者オークション(2021年5~7月)での落札結果である。
写真を見るとほぼ同じ仕様でランドクルーザーとパジェロのいずれも道路会社のパトロールカーと思われる。
ランドクルーザープラド 4WD TX (評価点いずれも3.5)
・H28年式 50万5000km 58万円→184.5万円
・H29年式 56万4000km 68万円→156.5万円
・H29年式 50万1000km 58万円→181.5万円
三菱パジェロ4WD GR (評価点3.5)
・H27年式 40万2000km 1万円→30万円
・H27年式 53万9000km 1万円→29万円
・H27年式 56万3000km 1万円→32.2万円
ランドクルーザー人気は明白
同じ程度の走行距離であってもスタート価格からして全く違っており、落札価格もケタ違いだ。
50万kmを超えていてもランドクルーザーの評価がいかに高いか如実に知ることができる。
なぜランドクルーザーはこんなに高値なのだろうか?
なぜランドクルーザーはこんなに高値?
なぜランドクルーザーはこんなに高値なのだろうか?
トヨタ・ランドクルーザーの海外事情や新旧のランドクルーザーに詳しいランドクルーザー専門店ユーティリタス代表の池谷祐一氏に聞いてみた。
「海外では50万kmを超えたランドクルーザーでも普通に走っています。需要もありますし、高値で取引されています」
「耐久性があり信頼度も高い。また、消耗品やアフターパーツなどの供給体制が群を抜いています」
「ていねいにメンテナンスをしていけば50万kmを超えていても普通に活躍してくれるでしょう」
「ランドクルーザーに限らず首都高やネクスコの働くクルマたちはどれも非常に高額な予算をもって、ていねいにメンテナンスされています。高速道路を守るパトロールカーに何かあったら大変ですからね」
「十分な費用をかけて、最高のメンテナンスを定期的に行っていると思われます。それもあって首都高や高速道路で使われてきたランドクルーザーには、特に高い評価が集まります」
「整備状態が最高です。ボディにキズなどもし付けばすぐにきれいに修理されるでしょう。そのようなクルマはたとえ50万kmでも、使用に問題はないばかりか、アフリカや中東、アジアなど海外では引っ張りだこなんですよ」
「きちんと正しく整備されてきたランドクルーザーであれば30万kmも50万kmも大きく変わることはないのです」
なるほど。最高のメンテナンスを受けてきたランドクルーザーゆえ、50万km超でも全く問題ないわけだ。
池谷氏いわく、「強いてあげるとしたら、ラゲッジルームが少し傷んでいる程度でしょう。資機材などを積んで走っていますから」とのことだった。
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みんなのコメント
それどころか50万キロ慣らし運転実施済みと考えても良いかも
しかも、ストップアンドゴーや急カーブとは無縁の負荷の少ない高速道路使用なら尚更。