スーパーカービジネスは「車」と「夢」を売るもの
先日、筆者は取材のためイタリアン・スーパーカーの聖地たるモデナ地区を訪れたのだが、その活況ぶりは想像以上のものであった。どの製造部門もフル稼働の大忙し状態で、街中にはカモフラージュカーがうようよしていたのだ。半導体供給の問題で生産スケジュールが大荒れの自動車業界であるが、これら少量生産メーカーにおいては、さほど大きな問題ではないようだ。
フェラーリのアッセンブリーラインでは、200万ユーロ(約2.7億円)の限定モデル「デイトナSP3」の生産が既に始まっていた。599台限定といえども、販売価格も恐ろしく高価であるからフェラーリの収益には大きく寄与するであろう。フェラーリの2021年の売り上げは前年比23%増の48億ドルを達成し、年間販売台数も過去最高の1万1155台と発表されている。
ランボルギーニを訪問すると、本社工場の敷地がさらに拡大していることに気づく。1963年創業当時から使われているメインアッセンブリーライン内も大改装中だ。それは、新型V12エンジン搭載のPHEVである次期アヴェンタドールの生産に向けてのモノなのだ。ランボルギーニの2021年売上高は、過去最高の19億5000万ユーロと発表されており、販売台数8405台は同じく過去最高である。
ステランティスグループの一員となったマセラティも大忙しだ。ちょうど現地滞在中に新SUVモデルであるグレカーレが発表された。最量販モデルとして社運を賭けたモデルでもある。また、続く次期グラントゥーリスモやMC20のBEVモデルなど、電動化へ向けて多額の投資が行われているのだ。訪問した本社モデナ工場では、発表を控えたMC20コンバーチブルの生産準備中。市街地では、グラントゥーリスモBEVのカモフラージュモデルが疾走していた。前述の2ブランドとは少し異なった中規模の生産台数メーカーとしての道を選んだマセラティだが、2021年の売り上げは20億2100万ユーロと発表され、前年比41%増の2万4269台もの年間販売台数を記録した。 ランボルギーニ ウルスの中古車を見てみる▼検索条件ランボルギーニ ウルス × 全国つまり、現在のスーパーカービジネスはきわめて順調と言ってよい。1973年に突如世界を襲ったオイルショックで壊滅的なダメージを受けたこれらのメーカーは、アジア通貨危機やリーマンショックも何とかやり過ごし、業績は大きな上昇基調にある。単にアイコニックな存在であるだけでなく、十分に儲かるビジネスとして花開いている訳だ。
その地位を確立するために、これまで十分に知恵を絞ったり、あるときはじっと耐え忍んできたこともあった。これらスーパーカーブランドは、なによりも顧客に夢を与えなければならない。だからこそ限られた数の顧客の属性や、彼らが何を求めているかを理解していなければならない。そこがこのビジネスの最重要ポイントである。
例えば、ランボルギーニ ミウラのエピソードを挙げてみよう。ミウラはその発表とともに、世界のセレブリティたちがこぞってオーダーを入れ、ランボルギーニの名を世界に知らしめることとなったモデルだ。まだ、発表当時はプロトタイプのようなものであったが、デリバリーを求める強い声にあらがうことはできず、いわば未完成のままに出荷せざるを得ないことにもなった。開発エンジニアであったジャンパオロ・ダラーラやパオロ・スタンツァーニはその対応のために翻弄されたという。結果、改良モデルであるS、そしてSVがラインナップされるころにはミウラは大きく進化していた。初期モデルとは別モノといっても過言でないクオリティになっていたのだ。しかし、満を持して発表したSVは全く売れなかったという。
当時、チーフエンジニアであり、ランボルギーニ全体のマネージメントも担当していたパオロ・スタンツァーニはこう語ってくれた。「ランボルギーニは、当時ディーラーをコントロールする力がなかった。本当は初期モデルを買い戻して、その顧客にSVを買ってもらわなければならなかった。しかし、それができなかったのです。初期モデルはあまりイメージの芳しくない、いわゆる裏稼業の人々の手に渡ってしまったケースが散見された。そんな彼らがミウラを得意げに乗りまわした訳です。だから、当初ミウラを応援してくれたような富裕顧客は一気に離れていってしまったのです」。
ブランドの価値とは、それを作りあげるメーカーと顧客の両者が揃って初めて成立するものなのだ。前述のフェラーリ デイトナSP3も、それまでフェラーリブランドに貢献してくれた顧客だけに案内される。そして、一般にデイトナSP3が発表される時には完売とアナウンスされる訳だ。売れる時に最大限売ってしまおう、そして売ってしまえばあとは関係がない……。そういうポリシーとは正反対のところにスーパーカービジネスはあるということなのだ。 ランボルギーニの物件を年式の古い順に見てみる▼検索条件ランボルギーニ × 全国文/越湖信一、写真/マセラティ、フェラーリ、ランボルギーニ
前回の記事はこちらカーセンサーEDGE.netはこちら
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
「日本一大きい交差点」立体化完成いよいよ“秒読み段階”へ!? 「合計40車線」で“大渋滞エリア”の仙台バイパスに悲願の高架道路
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
トヨタ「“2階建て”車中泊仕様」がスゴイ! 大人5人が寝られる「豪華ホテル」風内装! 広さ2倍になる“マル秘機能”も搭載する「謎のハイラックス」とは?
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
「娘友達を乗せたらベルト未着用で捕まりました。ママ達は笑うだけで謝りません。不快です」投稿に回答殺到!?「感じ悪い」「でも貴女は命を預かってる」大激論に…悪いのは誰なのか
日産『エルグランド』、15年目の大変身へ! 燃費倍増も、BEV化はおあずけ?
キザシ覆面パトカー1台105万円って安すぎんか………?? 入札価格のフシギを追う[復刻・2013年の話題]
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
ある所にはあるんですよ