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BMW/ベンツ/VWなど厳選!いま指名買いしたいドイツ中古車特集

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BMW/ベンツ/VWなど厳選!いま指名買いしたいドイツ中古車特集

輸入車 [2022.12.05 UP]


BMW/ベンツ/VWなど厳選!いま指名買いしたいドイツ中古車特集

いまだからこそ高級クーペに乗りたい【輸入車コンシェルジュ】

VISUAL MODEL : MERCEDES-BENZ E 220 d AVANTGARDE Sports 2017
ドイツ中古車特集/じっくり厳選!いま指名買いしたいUSED GERMAN CARS

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年1月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年11月調べ。

輸入車を買うなら、やっぱりドイツ車は外せない。でもどのクルマを選べばいいの? そんな疑問に答えるべく、ドイツブランドの中古車選びに注目。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのプレミアム御三家に加え、高品質ながらも現実的な価格で買えるフォルクスワーゲンの人気モデルをライバル同士で徹底比較してみた。同じクラスのモデルでも、ブランドが違えばカーライフは違ってくる。失敗しないクルマ選びのために、今回は「指名買いしたい中古車」を詳しく紹介していこう。


[輸入車にセダン離れナシ!?]フォーマルサルーンの本命ココにあり
文●大音安弘 写真●澤田和久、ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

ドイツ車ファンが最も注目しているのは、やはりプレミアムサルーンだろう。このセグメントはつねにドイツ車がリードする本命モデルが多い。BMW vs メルセデス、どちらがお好き?


どこに乗りつけても恥ずかしくない
 国産車では、セダン離れが加速する昨今だが、輸入車に関しては、いまだに根強い支持がある。それを裏付けるように、セダンとステーションワゴンのみを展開するメルセデス・ベンツやBMWの一部車種は、SUVが台頭する輸入車の年間モデル別新車登録台数のトップ20に食い込む健闘を見せている。
 たしかにSUVの進化は目覚ましく、走行性能や快適性もハイレベルにあるが、同クラスの対決ならば、やはり、セダンに分があることが多い。何よりも都市部では、全高による駐車場の制限がないことも大きな強みとなる。またセダンのよさを知るがゆえ、ステーションワゴンを選ぶ人たちも一定数存在するため、セダンとステーションワゴンがコンビで展開されることも多いのだ。
 中古車ねらいとなれば、価格面でもセダンは有利だ。いまやプレミア価格となりがちなSUVに対して、セダンならば、常識的な値動きをみせる。贅沢なミディアムクラスでも、5年落ちとなれば、かなり現実的な価格に落ち着いてくる。たしかに、輸入上級セダンのエントリーとなる3シリーズやCクラスなどのコンパクトクラスも、いまや堂々たる風格のサイズ感を持ち、機能も充実している。しかし、豪華さだけでなく、後席のゆとりとなると大きな差があるのもたしかだ。そして中古車となれば、クラス感の価格差も新車時よりもグッと縮まり、上位クラスのお得感は増す。
 オススメは、現行型5シリーズセダンだ。その理由は、最新型とのデザインの違いが少なく、現行車感がしっかりと味わえること。流通の中心は、エントリーのガソリン車523iとクリーンディーゼル車523dとなる。エントリーといえど、エンジンスペックは十分なものを備える。ビジュアルとBMWのキャラクターから、Mスポーツ仕様を選びたくなるが、このクラスなら、上品なラグジュアリーも悪くない選択だ。
 対抗馬となるEクラスは、最新式と顔つきこそ異なるが、先代Sクラスを彷彿させる上品な顔立ちこそ前期型の魅力。言い換えれば、より高級感にあふれているのだ。ただ現行型は、アバンギャルド仕様が基本となるので、わりとスポーティなデザインでもある。エントリーの2L車となるガソリン車E 200とクリーンディーゼル車E 220 dが流通中心となるが、E 200ならば、4WDが選べるのも強みのひとつ。ディーゼルのE 220 dは、高い静粛性を誇る。長距離移動派には、積極的に検討してほしい仕様だ。5シリーズと比べると、価格帯は高くなるが、その分、上級車との価格差も少ない。そのため、当時の最上位であるE 400 4マチック エクスクルーシブもそう高くない。いまや希少なボンマス付きで、4WDと3.5LのV6ツインターボを備えるという贅沢さ。まさにプチSクラスだ。
 ステーションワゴンはグレードなど異なる点もあるが、似た傾向だ。多趣味な人はよい相棒となるだろう。

PROFILE 自動車ジャーナリスト 大音安弘

好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ転身。現在は自動車ジャーナリストとして各メディアに執筆を行う。徹底的に取材するがモットー。


[メルセデス・ベンツ Eクラス]定番ゆえの安定感と安心感
 16年7月に発表された現行型Eクラスは、ガソリンとディーゼル共に2L4気筒ターボが主力に。先代Sクラス譲りのフロントマスクと大型ツインディスプレイを備えたコックピットが特徴。19年3月の改良で、E 200は1.5L4気筒ターボに換装された。20年9月のマイナーチェンジでは、現行のサメ顔マスクに進化。流通は前期型のE 200系が多め。

中古車参考価格帯:270万円~920万円(16年~22年 AMGを除く)


前後席ともにゆとりがあり、装備も充実するEクラス。定番のCクラスよりも、贅沢な作りが魅力。2Lガソリンターボでも不足はないが、重厚感ならば、2Lディーゼルターボが上だ。

[BMW 5シリーズ]走りにこだわりがあるならこちら
 17年1月に発表された現行型5シリーズは、落ち着いた大人の雰囲気のミドルサルーン。ガソリンとディーゼル共に、2L4気筒ターボが主力だが、ガソリン車には、伝統の3L直6も用意。20年9月のマイナーチェンジでは、デザイン変更は少なめで、運転支援とコネクテッド機能を強化。隠れたオススメは、前期型のみとなった直6の540iだ。

中古車参考価格帯:240万円~860万円(17年~22年 Mモデルを除く)


駆け抜ける歓びを実現する機能的なコックピット。仕様としてはMスポーツが主流となるが、元々スポーティなBMWだけに、上品な内装と快適な乗り心地の「ラグジュアリー」を選ぶのもありだ。

[ステーションワゴンは?]本場欧州では根強い人気
 国産車では希少となったステーションワゴンも、輸入車では健在。セダンの快適性とワゴンの積載性を両立したことで、フォーマルなシーンから週末のレジャーまで幅広く活躍。セダンよりも若々しく、ファミリーカーにも最適だ。

[Eクラス ステーションワゴン]

ラゲッジ容量は、640L~1820Lを確保。クロスオーバー4WDの「オールテレイン」も設定。

[5シリーズ ツーリング]

ラゲッジ容量は、570L~1700Lを確保。セダンよりも上位となり、グレード構成が異なる。


[どれを選んでも間違いナシ!?]安定安心の質感とパフォーマンス
適度なボディサイズで取りまわしがよく、室内も広い。ミドルクラスSUVは、ドイツ車の売れ筋ジャンルとなっている。指名買いするならどのブランド?

写真●内藤敬仁、澤田和久、ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


多彩なパワートレインでユーザーニーズに応える
 今、最も充実したラインアップを誇るSUVは、コンパクトからラージまでより取り見取り。選ぶ楽しさがある反面、その選択に悩むのも事実だ。スタイルと予算だけで絞り込むのもありだが、まずは自身の愛車のニーズを振り返ってほしい。ウインタースポーツ派ならば、四駆のメリットを最大限享受できるだろうし、街乗りや高速などでの快適性を重視するならば、駆動方式よりもボディサイズや居住空間を優先すべきだ。
 人気のクロカン系SUVは、見た目もカッコよく、リセールにも強い。ただ中古車でも割安感はないので、新車を含めて検討したほうが、賢いかもしれない。
 また、一見街乗りSUVと見られる車種も、オフロード機能を意識したモデルも多い。昨今は、FF車でも悪路走行性を高める機能を備えていたりするからだ。ときどきアウトドアレジャーを楽しむ程度なら、そんなFFのSUVでも十分だろう。
 さて話をドイツSUVに戻そう。高い基本性能や質感の高さなども魅力であるが、サイズや価格でも、充実のラインアップを誇る。それも他国ブランドにはない強みのひとつ。だから、お気に入りの1台も見つけやすい。
 そんな数ある選択肢のなかで、中古車としての総合点が高い1台がメルセデス・ベンツ GLCだ。贅沢さと快適さに加え、4WDやディーゼルまで備えている。先進機能を含めた安全面でも評価できる。すでに登場から6年目を迎えたことで初期モデルは、かなり現実的な価格帯に収まってきた。今見ても、上品かつ古さを感じさせないデザインも魅力的。またコンパクトクラスのGLBが誕生したことで、よりGLCの上級感を増してくれた。基本Cクラス級の車種なので、装備や質感も不満はない。
 アクティブ派のユーザーには、若々しいデザインのBMW X3をプッシュする。最新仕様は新デザインで上級感が高まったものの、ちょっと落ち着いてしまった感も否めない。BMWらしいスポーティな世界観を楽しむならば、前期型のMスポーツも悪くない選択だ。
 変わり種SUVとしては、ポルシェ マカンが挙げられる。同ブランドのエントリーSUVだが、ミッドサイズSUVなので使い勝手に不足はない。たしかに中古車としては、少し割高にも映るが、ポルシェデビューとしてのハードルは低く、ファミリーカーとしても使える。エントリーの4気筒車でも、十分刺激的だ。
 ファミリー向け中古SUVとして推したいのが、サイズと価格が手ごろなフォルクスワーゲン ティグアンだ。ディーゼル四駆でも、300万円前後から見つかる。同仕様はマイチェンモデルには設定されないので、中古車を選ぶ意味は大きい。
 中古車としての流通数も多いため、ドイツSUVは探しやすい。なので、1点物の中古車とはいえ、焦らず最良の1台を見つけてほしい。


[メルセデス・ベンツ GLC]DセグメントのプレミアムSUV
 Cクラス級の後輪駆動ベースのミッドサイズSUVとして、16年2月に発表。当初はガソリン4WD車「GLC 250 4MATIC」のみで、16年9月にはPHEV 「GLC 350 e 4MATICスポーツ」を追加。17年2月には、FRの「GLC200」に加え、待望のクリーンディーゼル車の「GLC 220 d 4MATIC」が登場。19年10月のマイナーチェンジでは、MBUXの搭載など先進機能も強化。

中古車参考価格帯:300万円~880万円(16年~22年 AMGを除く)


完成度の高さが魅力のGLCは、2Lターボ車がメイン。装備内容はCクラス級で、車内とラゲッジがより広くなるのが、大きな武器。マイチェン前後の見た目の差も少ないのもうれしいところ。

[BMW X3]PHEVも設定し電動化時代を先取り
 後輪駆動ベースの3シリーズ級ミッドサイズSUVの3世代目として、17年10月に発表。2Lターボのガソリン車とクリーンディーゼル車を設定。20年4月には、初のPHEV「xDrive30e」を設定。21年10月のマイナーチェンジでは、フェイスリフトを行い、新世代の勇ましい顔つきに。最新の運転支援機能など先進機能を強化した。

中古車参考価格帯:300万円~880万円(16年~22年 AMGを除く)


マイチェン後、装備は強化されたが、内装の印象は基本的に共通。外装も前期モデルのほうがアクティブで若々しい印象。あえての前期型ねらいもありだ。

[フォルクスワーゲン ティグアン]ボディサイズを拡大した2代目
 17年1月に発表された第2世代は、サイズアップによりミッドサイズSUVに昇格。全車前輪駆動の1.4L直4ターボ車に。18年8月には、クリーンディーゼル4WDを追加。21年5月のマイチェンではガソリンのFF車に集約され、1.5Lターボに換装。22年9月には、2L直4ターボ4WDを追加。

中古車参考価格帯:220万円~580万円(17年~22年 Rを除く)


前期の主役である1.4Lガソリンターボでも、性能面の不足はなし。ロングドライブ派は、今は選べないディーゼル四駆という選択もありだ。

[アウディ Q5]高品質な内外装が魅力のアウディ
 上級ミッドサイズSUVの2代目として17年9月に発表。全車4WDのみを展開する。標準車は、2L直4ガソリンターボのみ。19年2月には、2L直4クリーンディーゼルターボを追加。21年2月のマイナーチェンジでは、フェイスリフトに加え、標準車がマイルドハイブリッド化された。

中古車参考価格帯:340万円~780万円(17年~22年 Sモデルを除く)


GLCやX3とも競合する車種だけに、内容も豪華。FFベースの4WDながら、重量バランスのよい縦置きエンジンレイアウトなのも強み。

アウトバーンで鍛えられたドイツ車はコンパクトモデルでも手抜きナシ!
最も売れているのが、Cセグメントと呼ばれるファミリークラス。なかでもベストセラーのゴルフは、このカテゴリの一強である。しかし、BMW、メルセデスにも魅力のモデルが揃ってきた。

写真●内藤敬仁、澤田和久、ユニット・コンパス ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


量販カテゴリーゆえ年々競争も激化
 長年、輸入車のエントリーモデルとして活躍してきたのが、フォルクスワーゲン ゴルフに代表される5ドアハッチバックだ。かつては、質実剛健なイメージが強かったが、ユーザー層の拡大をねらったプレミアムブランドの積極的な参入から、競争が激化。華やかさを含めた内外装の質感向上や装備の上級化など、大幅な進化を遂げており、所有欲も大幅に高められている。
 ドイツ車ハッチの筆頭株は、やはりゴルフだ。先代となるゴルフVIIは、フォルクスワーゲングループの新たな車両開発技術である「MQB」を初採用したモデル。特徴は、車格を越えて幅広い車種での構造の共有化にある。つまり、上位モデルの技術が、ゴルフにも惜しみなくつぎ込まれているということなのだ。しかも、改良による熟成も図られており、ゴルフ7.5と呼ばれる後期型では、デジタルメーターやインフォテイメント機能、先進の安全運転支援機能などデジタル機能が強化。もちろん、走りや乗り心地も熟成が進む。
 ゴルフを中古車でねらうなら、1.4Lエンジンの「ハイライン」がよい。1.2Lエンジンでも不足はないが、パンチに欠ける。また特別仕様車も多く投入されており、これらは装備が充実。ただし、内容がマチマチなので、欲しい装備があるかチェックを怠らないように……。
 現行型Aクラスは18年秋デビューと比較的新しく中古車価格も高めだが、先代の高年式車を検討中なら、少し費用を追加してでも、現行型を選んだほうが、結果的にお得だ。まず内外装の質感も段違いであり、なによりも安全運転支援機能を含めた先進機能の内容も大きく異なる。現行Aクラスには、上位モデル同等の機能も、積極的に搭載されているからだ。たしかに先代Aクラスはお手頃ベンツであったが、現行Aクラスは子ベンツの再来といっても過言ではないほど。まさに格が違う。ちなみに、上級感を味わいたいならば、Aクラスセダンという選択もアリだ。
 A 180は、小排気量の1.3L直4ターボだが、その走りは意外と侮れない。さすがに全開加速となると少し賑やかだが、街中や高速走行などほとんどのシーンで、静粛性が高い。また回転フィールも軽やかで、走りも楽しめる。そして、ハッチバックでは不利となりがちな後席の快適性の高さも強み。小さくともベンツの世界観が楽しめる1台だ。
 BMW 1シリーズは、好みがはっきり分かれる1台だ。居住性や運転支援を含めた先進機能などは、現行型が圧倒的に優勢。しかし、先代には、伝統のFRレイアウトという強みに加え、ややクラシックなロングノーズスタイルも魅力的に映る。そのためか、先代の高年式車は、現行型の中古車よりも値が張るものも散見される。しかし、裏を返せば、現行型はお買い得ともいえる。
 懸念されるFF化だが、たしかにFRの走りとは異なるが、BMWらしい駆け抜ける歓びが感じられるようになった。MINIや2シリーズの開発での知見が、BMWらしいFF車という味の構築に貢献したのだろう。食わず嫌いにならぬように、試乗してから結論を出してほしい。ただエンジンにパンチを求めるならば、標準車だとディーゼルの一択だ。


[フォルクスワーゲン ゴルフ(先代)]新世代モジュールを導入した7代目
 先代となるゴルフVIIは、13年5月に発表。新世代モジュール技術「MQB」を取り入れた設計やゴルフ初のADAS搭載が話題に。標準車は1.2L及び1.4Lの直4ガソリンターボエンジンとDCTタイプの7速DSGを組み合わせる。17年5月には、マイナーチェンジを投入し、デジタル機能を強化。19年8月には、2.0L直4クリーンディーゼルターボ「TDI」を追加した。

中古車参考価格帯:70万円~320万円(13年~21年 Rを除く)


最新フォルクスワーゲンの基礎となるMQBの採用で大幅に進化したゴルフは、日本人がドイツ車に期待する質感の高さと走りのよさをしっかりと備える。総合力が高いので、輸入車入門にも最適な1台だ。

[メルセデス・ベンツ Aクラス]走りも良好なコンパクトベンツ

 子ベンツの再来というべき、小さな高級車に生まれ変わった現行型は、18年10月に発表。ベースとなる1.3L4気筒ターボと7速DCTの「A 180」を投入。19年3月には、2.0L直4クリーンディーゼルターボと8速ATの「A 200 d」を追加。21年5月には、Aクラス初のPHEV「A 250 e」が登場した。

中古車参考価格帯:270万円~520万円(18年~22年 AMGを除く)


話しかけるように操作できる音声認識機能を備えた「MBUX」やフードレスの大型液晶メーターパネルなどデジタル機能が強化されている。

[BMW 1シリーズ]FF化でも走りは優秀な1シリーズ
 3代目となる1シリーズハッチバックは、19年8月に発表。伝統の後輪駆動から前輪駆動に切り替えられたことでスタイルも一変。標準車として、1.5L3気筒ターボと7速DCTの「118i」を設定。20年4月には、2.0L直4クリーンディーゼルターボと8速ATの「118d」が追加された。

中古車参考価格帯:240万円~450万円(19年~22年 Mモデルを除く)


ディスプレイ類を低く配置することで、前方視界を向上。コックピットデザインや操作系統は、3シリーズなどの上位モデルと共通性の高いもの。

[メルセデスにおけるクラシックカーへの取り組み]古いものの価値を守り育てるということ
もはや一時的なブームを超えて定着しつつあるクラシックカー人気。そんなクラシックカーについて、自動車メーカーのなかで早くから取り組みを続けているメルセデスの活動を紹介する。

文●ユニット・コンパス 写真●メルセデス・ベンツ


一筋縄ではいかないクラシックカービジネス
 今でこそ多くのクルマ好きに知られるようになったクラシックカーの人気と市場価値。
 だが、口で言うほど古いクルマの維持や管理は容易ではない。資料の保存、部品の供給、メンテナンスにまつわるノウハウを高いレベルで維持しなければ、クラシックカーのレストアや旧車オーナーのサポートは不可能だし、それを事業として継続させていくのはなおのこと難しい。
 そんな難事業を30年近く前から続けているのがメルセデスだ。「メルセデス・ベンツ・ミュージアム」と名付けた博物館に展示されるクラシックカーは内燃機関の歴史そのものでもあり、維持管理は彼らの大切な業務のひとつだ。またメルセデスでは、車齢30年を超えたモデルを「ヤングタイマー」として敬意をもって扱っており、それらオーナーの維持をサポートするために部品やノウハウを供給し続けている。さらに、憧れのクラシック・メルセデスを手に入れたいと希望する顧客たちのために、正しくレストア、メンテナンスされた車両を販売する事業も人気だ。
 ドイツ本国のミュージアムでは、歴代モデルのアニバーサリーイヤーにユーザーカーを集めたミーティングなどのイベントも積極的に行っている。古いクルマを所有することを文化とするための活動が長年にわたり続けられているのだ。
 古いものの価値を守るからこそ、新しいものが受け入れられる。これぞブランド本来のあり方だろう。


ドイツと北米に「メルセデス・ベンツ・クラシック・センター」を設置。顧客たちの要望に応えている。

クラシックカーの販売やイベントサポートなども大切な業務のひとつ。また、ドイツではクラシックカー認定証を取得した車種はナンバープレートに「H(ヒストリカル)」登録を許されるが、2022年初代Cクラスが加わった。

[フォルクスワーゲンによる完全自動運転のコンセプトカー]運転しなくなったクルマを愛せますか?
フォルクスワーゲンがパリで実施したイベントで、新型自動運転車のコンセプトカーを発表した。完全に自動で動く「Gen.Travel」がはたしてどのような価値を我々に提案してくれるのだろうか。

文●ユニット・コンパス 写真●フォルクスワーゲン


運転しないことを前提に考えられたデザイン
 クルマには所有する喜びがある。帰宅してドアをロックし、振り返ったときの満足感。これがあるからそれなりの対価を支払うわけだ。では、それが自動運転になったら?
 そのひとつのテストケースとなりそうなのが、フォルクスワーゲンがこの秋に発表した完全自動運転の電気自動車「Gen.Travel」だ。
 コンセプトカーの目的は、自動運転レベル5(人間の介入なしに車両が動作する)が普及した際に、どのような価値を提供できるのかを検証すること。車両には操作するためのハンドルやペダル類は存在せず、シートはフルフラットにアレンジすることも可能になっている。
 デザイン部門の責任者であるクラウス・ビショフ氏は、コンセプトカーについて、「車内が広くなったことで横になって寝られるようになっただけでなく、(BEVであるため)手入れもほとんど必要ありません」と語った。将来的には短距離におけるプライベートジェットの代替手段になる可能性があるという。
 クルマというよりも車輪のついたモビリティ(移動手段)といった印象の「Gen.Travel」。だが、旧来のクルマ好き目線でうれしい部分もある。それは、デザインに高い美意識を感じるところ。
 美しいものを所有するというのは、クルマ趣味における重要な要素。機能性だけでなく、美しさにもこだわっていることに、ひとまず安心といったところだろう。


9月下旬に実施された「シャンティイ・アート&エレガンス リシャール・ミル」。クルマの展示とラリーが行われ、数多く名車が登場。富裕層がターゲットとあって、華麗で優雅な一日となった。

1921年にベルリンで発表された「ランプラー・ドロップ・カー」からインスピレーションを受けたというコンセプトカー「Gen.Travel」。室内には操作のための機構が存在せず、室内空間を快適に過ごすためのパッケージが行われている。

買ったら一生モノ!? 愛せる“推し車”を探せ

ビッグバンパーと呼ばれる2代目911(930)は、スポーツカー界のレジェンド。今の911と比べて驚くほどコンパクトで、その走りは絶品中の絶品。人生で一度は乗りたいクルマといえるだろう。
みんなが乗っている鉄板チョイスもいいけれど、自分が惚れ込んだクルマに乗り続けるのは、最も幸せなカーライフ。今回は、グーワールド編集部が選んだちょっと通なモデルをご紹介!

文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、BMW、オペル 
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


妥協なく選んだ1台は一生モノになる
 クルマ選びの際、どのような基準で選ぶだろうか。多くの人は、よく売れていてメジャーなモデルを選んでいるはず。特に輸入車においては、多くの人が乗っているというのは安心材料になる。どのようなトラブルがあるか、対処法はどうするか……。このような情報の多くはインターネットやSNSを通じて共有されているのは、心強いだろう。
 その一方、昔から憧れていた1台を徹底的に探すという人もいる。少し古めのモデルの場合、お目当ての物件にたどり着くまでに大きな労力を費やすことになる。たとえばこのページのメインカットであるポルシェ911(930)を例に挙げると、グーネットでの検索結果は全国でわずか13台(2022年11月現在)。希少なクルマゆえ、市場にはめったに流通しないのである。とはいえ、コンディションやグレード、予算などで妥協はしたくない。このような場合、専門店などに問い合わせると有益な情報が得られる場合がある。
 自分の趣味ばかりに走りすぎるのもNG。家族がいる場合、全員が納得したクルマでなければ、維持し続けるのは難しい。いろんなシーンを想定した選び方も重要なのだ。そして、お目当てのクルマと出会えれば、大胆に決断することも大切。古いクルマはいつまでも待ってくれない。ほかに欲しいと思う人が必ずいる。
 そのような理由で、人とは異なる“推し車”を選ぶことは、順風満帆に行かないのが一般的だ。しかし、その先には代え難い蜜月のカーライフが待っていることだろう。


推し車選びの3カ条
・クルマ選びに妥協してはいけない
・家族の理解を得よう
・時には大胆な決断も必要

 この手のクルマ選びは、豊富に流通している人気モデルとは異なり、何を譲れなくて何を妥協できるか決めておくことが大切。お目当ての物件が出てきたときは、迷わず購入に踏み切りたい。


[メルセデス・ベンツ 190E]まだ入手可能なコンパクトセダン
 現在のCクラスの前身に当たる190Eは、発売当初多く見かけたモデル。中古車はグッと減っているものの、探せばまだ入手可能な状況にある。コンディションにもよるが、概ね100万円台半ばの予算から探せるだろう。

中古車参考価格帯:100万円~260万円(85年~93年 全グレード)


ボクシーな3ボックススタイルは、いかにもセダンというデザインでファンからも好評。「2.5 16V」などのスポーツモデルを除き、全幅が1690mmの5ナンバーサイズで運転しやすいのも美点である。

[BMW 5シリーズ(E39)]根強い人気を誇るE39型5シリーズ
 現行型(G30)から3世代前のE39型5シリーズ。スリムなデザインと軽快な走りは、BMWのエッセンスが凝縮している。名車であるが、物件数は非常に少なくなっており、状態のよい個体が減少中。相場は大きく下がり、100万円台の物件が目立つ。

中古車参考価格帯:50万円~170万円(96年~03年 M5を除く)


[アウディ TT(初代)]物件が多く探しやすいクーペ
 生産終了から16年が経過した初代TTだが、意外にもそれなりの数が流通している。その多くは100万円以下というバーゲンプライスとなっており、敷居は低い。ただし150台限定(1.8Lターボ+6速MT)の「クワトロスポーツ」は200万円以上で販売される。

中古車参考価格帯:30万円~250万円(99年~06年 全グレード)


[ポルシェ 911(タイプ964)]硬派な走りを体感できるリアルスポーツ
 89年モデルとしてデビューしたタイプ964。先代930と似ているものの、ボディの8割近くが新設計となっている。ほかの空冷ポルシェと同様に価格は高騰しており、多くの物件は1000万円を超える。その大半が「カレラ2」で、「ターボ」はほとんど流通していない。購入の際は走行距離よりも、しっかりと整備されてきたかどうかをチェックしたい。

中古車参考価格帯:1000万円~2000万円(88年~93年 全グレード)


写真左は「カレラ4カブリオレ」、右は「RS 3.8」。中古車はクーペが中心なので物件は少ない。また、ハードコアなRS系は数が少なく、極めて高額。

930
中古車参考価格帯:700万円~1500万円(74年~88年 全グレード)


993
中古車参考価格帯:750万円~4000万円(93年~98年 全グレード)

 空冷ポルシェの代表モデルとして、930と993にも注目したい。964よりも安い物件があるものの、状態のよいものや、ターボ系、RS系は超高額な価格となっている。90年代後半まで生産された993は、物件数も豊富で手が出しやすい。


[メルセデス・ベンツ Gクラス(先代)]幅広い年式から選べる本格オフローダー
 オフローダー好きでなくとも知っている有名なモデルがGクラス。かつてはゲレンデヴァーゲンとも呼ばれ、今でもファンに支持される。新型が登場したが、先代モデルもそれほど値下がりしていない状況。価格はピンキリで、15年落ち(2007年前後)の個体は500万円程度の予算から探せる。一方、高年式のAMG系は2000万円近い価格となっている。

中古車参考価格帯:400万円~2000万円(94年~19年 全グレード)


頑強な見た目だが、多くのグレードではレザーなどが用いられ、高級感あふれるインテリアに仕立てられている。

[フォルクスワーゲン ゴルフIII]今ではレアな3代目ゴルフ
 中古車のゴルフを選ぶならVI~VIIが鉄板チョイスであるが、個性をアピールするなら古めのゴルフを選ぶのも手。90年代初期のIIIは、高級感とカジュアルさを両立した1台。相場はかなり下がっており、ほとんどが100万円以下。GTIを選ぶのも楽しそうだ。

中古車参考価格帯:60万円~170万円(92年~98年 全グレード)


[BMW M3(E46)]意外に安い!? E46のM3
 BMWのM系モデルは高値安定傾向にあるが、E46型M3は、極端に高額な中古車は少ないようだ。コンディションによって価格にばらつきはあるものの、概ね400万円前後の予算から探せる。ただし物件全体の数は少なく、状態にこだわるとさらに探しにくい。

中古車参考価格帯:300万円~600万円(01年~07年 全グレード)


[MINI(初代)]物件豊富で探しやすい初代
 初代MINIが登場してから20年が経過するが、現在の視点で見ても硬質なドライブフィールを持つ名車。人気モデルゆえ中古車市場にも豊富な在庫があり、現在でも買いやすい状況。ほとんどが100万円以下と格安。セカンドカーとして選んでもよい。

中古車参考価格帯:40万円~120万円(02年~07年 全グレード)


[メルセデス・ベンツ SL(R129)]300万円台から探せるR129
 3世代前のR129型SLも、長く乗りたい名車のひとつ。中古車市場を見ると、若干上がってきたが、ギリギリ現実的な価格となっているのが嬉しい。エンジンは複数あるが、6気筒のSL320が大半を占める。状態のよい個体は徐々に減ってきた。

中古車参考価格帯:250万円~600万円(89年~01年 全グレード)


[ポルシェ ボクスター(初代)]初めてのポルシェならこのクルマ
 現行型の718は依然高値となっているが、初代はリーズナブルで物件も豊富。それなりに良好なコンディションでも100万円台の低予算から探せるのが魅力である。乗り心地もマイルドで、普段使いもこなせる万能性もある。初めてのポルシェにオススメ!

中古車参考価格帯:100万円~320万円(96年~04年 全グレード)


[オペル スピードスター]ハードコアな走りが魅力!
 ライトウェイトスポーツのなかでもとりわけ希少なのがオペル スピードスター。わずかな期間のみ日本で正規導入され、現存する個体は少ない。しかしながら状態のよいものも残り、今ならまだ入手可能。概ね300万円台の予算から購入可能となっている。

中古車参考価格帯:270万円~500万円(00年~03年 全グレード)


古いクルマ 買う時の注意点
 古めのクルマには、それなりにリスクもある。まずは交換パーツが入手可能かどうか。これは事前にネットで調べたり、販売店のスタッフに問い合わせておこう。また、一見綺麗でも整備が雑だとトラブルが起こる可能性が高い。購入する際は信頼できる専門店を選びたい。お店独自の保証が付く場合もある。

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みんなのコメント

8件
  • まぁ輸入車に限って言えば比較的程度の良い中古車買うのが正解だね
    新車で1000万位のが2年落ちで半額程度で買える
    距離も2万キロも行かないのが結構多い
    国産車で言えばレクサスしか同クラスは無いが満足度は明らかに高い
    トヨタで成らされたユーザーでも乗れば分かると思う
  • F20 1シリーズ、愉しいぞー!
    F30 3の方が王道かも知れないけど、やっぱりFRは軽い方がたのしーぞー!

    叩き売りされた新車当時の値段からすれば、F30の方が値崩れててお買い得感はある。
    ちなみに装備はOP選択次第だったから、見た目の違いに騙されないように。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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