今秋に正式発表される「新型クラウンスポーツ」は、欧州プレミアムSUVと互角に張り合えるのか、プロトタイプに試乗した筆者が考察していく。そして、試乗会で実感したクラウンスポーツの魅力や、今後の発展についても解説。
文/吉川賢一、写真/TOYOTA、撮影/池之平昌信
新型クラウンスポーツ課題は内装にあり? 輸入プレミアムSUVに勝つには価格と走りで勝負か
■かっこよすぎる!! 新型クラウンスポーツプロトタイプ登場!
新型クラウンスポーツは、2023年秋に発売開始される。同モデルに搭載予定のPHEVモデルは同年冬頃を予定(全長4710mm×全幅1880mm×全高1560mm)
2023年4月某日に開催された、新型クラウンスポーツのプロトタイプカーのプチ試乗会。
幸運にも筆者も参加させていただくことができたが、まだまだ開発途中ということもあり、すべての性能について味わうことはできなかったものの、新型クラウンスポーツの実力の片鱗は実感することができた。
正式発表は今秋とのことで、全貌がつかめるまではまだ少し時間のかかる新型クラウンスポーツ。
今回はプチ試乗会で感じた新型クラウンスポーツの魅力を深堀りしつつ、はたして新型クラウンスポーツは、欧州プレミアムSUVたちと互角に張り合えるのか!?? という点についても考察しよう。
■リアデザインの秀逸ぶりにはうっとり! レッドの差し色が映える内装も魅力!!
エクステリアデザインの最大の魅力は、テールランプを中心としたリアデザインだ。クラウンクロスオーバーより全幅40mmが広くし、重厚感のあるデザインとなっている
新型クラウンスポーツのエクステリアデザインは、ハンマーヘッドデザインに仕込まれた上下2本のLEDヘッドライトによって、クロスオーバーよりも眼光鋭い印象。
サイドビューも、後輪を80mm前進させたことで、特にリアフェンダーあたりの形状が、クロスオーバーよりも力強い印象になった。
ただ、新型クラウンスポーツエクステリアデザインの最大の魅力は、やはりテールランプを中心としたリアデザインだろう。
クラウンクロスオーバーよりも全幅を40mmワイドにし、クロスオーバー(225/45R21)よりも幅広大径(235/45R21)になった大径ワイドタイヤの採用によって大きく盛り上がった筋肉質なリアフェンダーや、横長のテールランプ、左右のエアアウトレット風の縦スリッド。
そしてブラックアウトしたリアアンダーディフューザーなど、実物は写真よりも遥かにカッコいい。
インテリアに関しては、基本的にはクラウンクロスオーバーと同じだが、試乗車のインテリアには、艶消しレッドのトリムパーツが施されており、これによって色気と艶やかさがクロスオーバーよりもぐっと増していた。
クラウンクロスオーバーのインテリアについては、筆者も「艶やかさが足りないのでは」など、いろいろいわせていただいていたのだが、色味でこれほど変わるものなのかと驚いた。
これならば、500万円前後になるであろう価格帯に見合った内装といえるのではないだろうか。
筆者同様に、クラウンクロスオーバーのインテリアの質感が気になっていた人も、このインテリアなら満足できる、という人はいると思う。
■走りも良し!! チョイ乗りでもポテンシャルの高さを感じることができた!
筆者によると、チョイ乗りでポテンシャルの高さの片鱗を感じたという。コーナーでの安定感の高さや、軽快なハンドリングがすばらしかったとのことだ
さて、チョイ乗りで感じた新型クラウンスポーツの魅力についてだが、まず感じたのは回頭性の良さとコーナーでの安定感の高さだ。クロスオーバーの走りとは根本的に異なり、動き出しの遅れが小さくなっている印象。
微舵でも大操舵でも、切ったぶんだけフロントがくるっと回り込み、リアもそれにすぐさま追従するので、クルマがグイグイと曲がっていく感覚がある。
実に軽快でクイックなハンドリングだ。クロスオーバー同様に、可変ダンパーのAVSもついていたが、ロールやピッチ姿勢を安定させた上で、21インチタイヤからの突き上げを感じさせない乗り味となっている点は、すばらしいレベル。
試乗はショートサーキット数周だけなので、乗り心地やノイズといった質感までは把握しきれなったが、ポテンシャルの高さの片鱗は、しっかりと感じられた。
■国内ではライバル不在 ただ欧州車には及ばないところとはどこか?
新型クラウンスポーツについては、まだ価格が発表となっていない。
筆者が予想している価格は、ハイブリッド車がクラウンクロスオーバーと同程度となる435万~570万円程度、プラグインハイブリッド車が、ハリアーPHEV(620万円)とレクサスNX PHEV(725万円)の間となる670万円程度だ。
この価格帯からライバルを探せば、身内であるハリアーやレクサスNX、他社ではマツダの「CX-60」といったところになる。
絨毯の上を走るかのような乗り味を備えるクラウンクロスオーバーRSと同じデバイスを搭載する新型クラウンスポーツは、これらのライバルに対し、一歩以上抜きんでた走行性能になるはず。
昨今のトヨタ車は、大径ホイールを装着していても、乗り心地がうまくつくられている。快速クロスオーバーSUVとして、新型クラウンスポーツは格別な存在となるだろう。
輸入プレミアムSUVにやや優位! インテリア良し悪しで勝負が決まる??
新型クラウンスポーツの輸入ライバル車のひとつに選ばれた「BMW X3」(790万~1017万円)
ただ、欧州プレミアムSUVに対してはどうかというと、優位にあるとはいえない。
新型クラウンスポーツPHEVのライバルとしては、ポルシェマカン(791万~1235万円)、メルセデスGLC(820万円)、BMW X3(790万~1017万円)といったところだ。
しかし、エクステリアデザインついては、(極太のマフラーエンドがないぶん、ライバルたちよりもリアの迫力感は薄れるものの)新世代電動スポーツSUVとして充分に魅力的なデザインだといえる。
やはりインテリアに関しては、あともう少し高揚させられる魅力がほしいところだ。特に、デジタルメーターの内部表示にはもっとこだわって欲しい。
走行性能に関しては、新型クラウンスポーツの売りのひとつであるPHEVユニットのパフォーマンスがどれほど高められているのか、最高速度に見合うだけの安定したブレーキ性能や、地面へ張り付くようなコーナリング特性などについては、チョイ乗り程度で実力を見抜くことはできなかった。
なんともいえないところではあるが、絶対的な「速さ」はやはり欧州車のほうに分があるように思う。
トヨタとしても、当然ながらこれら欧州のライバル車たちを見ながら新型クラウンスポーツを開発してきたであろう。
欧州市場を含めてグローバルでガチンコ戦うことになるクラウンシリーズが、同条件で走ったときに、どれだけの優位性を備えているのかは非常に興味深いところだ。
■欧州プレミアムSUVよりも買いやすい価格がグローバル展開の成功のカギか?
2024年までに、新生クラウン4台がすべて出そろう。どのような活躍をしていくのか、楽しみである(左からクラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、クラウンセダン、クラウンエステート)
加えて、欧州プレミアムSUVたちには、それぞれの「ブランドバリュー」という強烈な後押しがある。
トヨタは、世界的な自動車メーカーであることには違いないが、プレミアムメーカーではなく、あくまで大衆車メーカーだ。その点はクラウンシリーズにとって非常に悩ましいポイントであり、そもそも比較をするものでもない。
ただ、新型クラウンスポーツは、価格が欧州プレミアムSUVたちよりも求めやすい価格となるとみられる。
欧州プレミアムSUVたちまで手が届かない(もしくはそこまで欲しくない)層、そして、「新生クラウン」の名に魅力を感じ、あえてクラウンを選ぶ層によって、販売台数はきっと伸びるはず。
「壊れにくい日本車、かつ、ハイブリッドのトヨタ」といった知名度のおかげもあり、欧州車よりもリセールがよくなるはずだ。新型クラウンスポーツは、グローバルで大活躍してくれるだろう。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
今頃息してるのかなぁ?