RSiというスポーティ・モデルも存在した
text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)
筆者が気になる、4代目ゴルフR32の双子として開発されたニュービートルRSiは、期待以上のヒット作となった。2001年の登場で、台数は250台の限定。日本へ導入されたのは45台だという。
おかげで現在の英国価格は、4万ポンド(540万円)をくだらない。ゴルフ4をベースに、3.2LのV6エンジンとハルデックスカップリングを採用した四輪駆動を搭載。最高出力は224psを発揮した。
RSiのダッシュボードには、ニュービートルの特徴でもあった小さな一輪挿しが付かない。中古車市場で豊富に流通する普通のニュービートルだが、もちろん、気にすべきは花瓶の有無ではない。
ニュービートルは、多くの人を笑顔にしてくれる。エンジンは信頼性が高く、充分に魅力的だ。
オリジナルとなった、空冷のリアエンジン・モデルと区別するため、フォルクスワーゲンは1998年に登場したモデルをニュービートルと呼んだ。初代を継いで登場した2代目は、2011年まで生産されている。
ボディはすべて2ドア。リアシートは折りたたみ式で、少し大きな荷物も積み込める。前席は、頭上空間も充分に広い。
ニュービートルの登場当初は、すべてが左ハンドル車だった。右ハンドル車が登場したのは1999年。エンジンはすべて2.0Lのガソリンで、115psを発揮した。
追って102psの1.6Lが追加となり、しばらくしてスポーティな170psの2.3Lと、150psの1.8Tも登場している。欧州仕様では、101psの1.9Lディーゼルも用意されていた。
4代目ゴルフの優れた品質を受け継ぐ
斬新に感じられたニュービートルに市民が見慣れた頃、2003年にスタイリッシュなカブリオレが登場。エンジンは1.6Lと2.0Lのガソリンが選べた。欧州では75psの1.4Lガソリンも追加となっている。
2005年にフェイスリフト。ホイールアーチのラインがシャープになり、ヘッドライトもデザインが新しくなっている。
中古車売買のウェブサイトを見ると、フォルクスワーゲン・ニュービートルの画像が愛らしい。実際より少し写りも良いようだ。
多くのクルマのインテリアは、年式の割には状態が良く見える。下半分が明るく、上半分が暗い2トーンカラーのダッシュボードやドアパネルのおかげで、車内も明るい。
販売店の話では、4代目ゴルフの優れた品質を、ニュービートルも受け継いでいるという。確かに、スイッチ類の作りはしっかりしているし、内装パネルがガタガタいったりもしない。
シートの座り心地も良い。明るいファブリックは、ジーンズのネイビーが移ってしまうけれど。
英国の中古車を探してみたが、走行距離が最も長かったのは、32万kmも走った1.9Lのディーゼル。英国では走行距離が長いことが珍しくないが、ほとんどのクルマが16万km以上走っているようだ。
リアシートの折りたたみ機能は標準装備。上位グレードにはアルミホイールやオートエアコン、ヒーター付きのレザーシートが付いてきた。
インテリアの一輪挿しに、花を添えるのを恥ずかしく感じる人は、ニュービートルに向かないかもしれない。多少目立っても構わないのなら、人とは違った4代目ゴルフの兄弟モデルとして、検討する価値はある。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
タイミングベルトとウォーターポンプは、9万6000kmで交換されていることを確かめる。スラッジの溜まったディーゼルエンジンは、ソレノイドやターボに不具合を招いてしまう。
1.4Lと1.6Lのエンジンで、ミスファイアが起きたり回転が落ち着かない場合は、ECUかセンサー類の故障が多い。また、エアマスフロー・センサーや点火コイル、スパークプラグの劣化なども考えられる。
トランスミッション
基本的にはタフ。MT車の場合、デュアルマス・フライホイールからの異音に気をつける。交換費用は安くない。
サスペンションとブレーキ
フロントサスペンションのロワアームと、ブッシュ、アンチロールバーからの異音がないか確かめる。
ABSライトが点灯している場合、新しいホイールセンサーやABSのコントロールユニットが必要になることも。
ボディ
ボディがサビている場合、事故の修復カ所の場合が多い。ヘッドライトの曇りや、バルブソケットの状態も確かめる。特にソケットはプラスティック製で割れやすい。
コンバーチブルの場合、プラスティック製のリリースハンドルが壊れていないか確かめる。前後バンパー下部の擦り傷も見ておきたい。
インテリア
ABS警告灯のほか、エアバッグ警告灯が灯っていないかも見ておきたい。フロントバンパー内のクラッシュセンサー不良で点灯することがあり、交換はバンパーだけでなく、フェンダーも外す必要がある。
パワーウインドウの動作を確認する。修理する場合、レギュレーターだけでなく、モーターとガラスの交換に至ることも多い。
専門家の意見を聞いてみる
チャード・ダンカン RDガレージ・サービシズ代表
「ニュービートルはボディもインテリアもタフです。そのかわり、手入れが良くないクルマも少なくありません。エンジンオイルとフィルターの交換は、スラッジと呼ばれる汚れの蓄積を防ぎ、ベルトテンショナーの潤滑性も保ってくれます」
「エンジンルームは狭く、バッテリーの交換作業も必要以上に大変。いくつかのスペアパーツは、既に見つけにくくなっています。特にコンバーチブルで。エアバッグの警告灯が付くと、車検には通りません」
「わたしのお気に入りは、3.2LのRSiです。V型5気筒エンジンも楽しく、比較的簡単に見つかります」
知っておくべきこと
補修パーツが見つからない場合、フォルクスワーゲンのクラシックパーツを扱うサイトがある。英国にはフォルクスワーゲン認定の部品サプライヤーも存在する。
いくら払うべき?
500ポンド(6万円)~999ポンド(13万9000円)
2005年までのニュービートル。カブリオレも含まれる。走行距離は長め。
1000ポンド(14万円)~2499ポンド(33万9000円)
走行距離が16万km以下になり、履歴もしっかりした興味を引くクルマが出てくる。英国では1オーナー車の2003年式1.8Tが、1290ポンド(17万円)で見つかった。価格が高いほど年式も新しくなる。
2500ポンド(34万円)~3499ポンド(47万円)
フェイスリフト後の、状態の良いクルマが多くなる。2010年式くらいまで。走行距離は9万6000kmから14万4000kmくらい。
3500ポンド(48万円)~4899ポンド(66万円)
状態のかなり良い、走行距離9万km以下のクルマが増えてくる。
4900ポンド(67万円)~5500ポンド(74万円)
走行距離が短い、最良条件のニュービートル。
英国で掘り出し物を発見
フォルクスワーゲン・ニュービートル 1.8Tカブリオレ 登録:2008年 走行:13万300km 価格:2990ポンド(40万円)
状態の良い目を引くクルマ、と売り手は書いている。見た目が良いだけでなく、整備記録もしっかり残り、最近は2000ポンド(27万円)もかけて整備されているという。
ソフトトップは完璧に動くとのこと。壊れやすいプラスティック製のリリースハンドルもちゃんとしているのだろう。
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