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ミニバンなら座る場所は選び放題だけど……3列あるシートのなかで「車酔い」しにくい席はどこ?

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ミニバンなら座る場所は選び放題だけど……3列あるシートのなかで「車酔い」しにくい席はどこ?

 この記事をまとめると

■3列シートのミニバンはどの席がもっとも酔いにくいのかを検証

ファミリー向けなのに生活感ゼロ! ウソみたいな両立を実現したオシャレミニバン5選

■もっとも酔いやすいのは3列目シートだ

■2列目シートは装備的には快適だが乗り心地がいいとは限らない

 車酔いのおもな原因は「揺れ」

 コロナ禍で緊急事態宣言が発令された時に、もっとも「売れなくなった」商品が鎮うん剤、つまり酔い止め薬だったというデータがあります。ステイホームで出かけることを控えていた影響だと思われますが、裏を返せば普段はそれだけ乗り物酔いに苦しんでいる人が多いということを実感させられました。

 車酔いは3歳頃から始まり、小学生から中学生頃がもっとも多く、その後だんだんと少なくなっていくと言われていますが、70歳以上でも男性で約10%、女性で約15%程度、車酔いをする人がいるそうです。そんな、車酔いに悩む人たちが苦手なクルマというのが、じつはミニバンやSUVなのだとか。たしかに、ミニバンやSUVは重心が高いためフラつきや振動が起こりやすい傾向があり、酔いそうなイメージが強いのかもしれないですね。

 そこで今回は、3列シートのミニバンに乗るならば、どの席に座ればいちばん酔いにくいのかを検証したいと思います。それを解き明かすにはまず、なぜ車酔いが起こるのかを知らなければなりません。車酔いとは、医学的には「動揺病」「加速度病」と呼ばれていて、乗り物の不規則な加速・減速による揺れが繰り返し起こることで、内耳にある三半規管や前庭を刺激し、自律神経や平衡感覚を乱してしまうことが主な原因とされています。やはり「揺れ」は車酔いの大きな原因となりそうですね。

 では「揺れ」が起こる原因を考えてみましょう。タイヤが荒れた路面やマンホール、継ぎ目や段差などを越えた時は、どうしても揺れが起こりますが、それよりも影響が大きいのは「運転の仕方」ではないでしょうか。急発進、急ハンドル、急ブレーキで起こる揺れは、普段は車酔いをしない人でも気持ち悪くなる場合があります。

 また、カーブでの沈み込みなどボディ剛性やサスペンション、重心の高さなどが影響している揺れもあると思います。シートのホールド性が悪かったり、滑りやすい素材(乗員が着ている洋服を含む)による揺れもありそうです。

 こうした原因を頭に入れながら、ミニバンの骨格や構造を見てみると、多くの車種でいちばん車酔いに対する条件が悪いと思われるのは、3列目シートです。シートがちょうど後輪の真上あたりに配置されている車種が多く、段差などで起こる突き上げをモロに受けてしまいます。燃料タンクなどを搭載するために、座面がほかの席よりも一段高くなっている車種もあり、ただでさえ高い重心がさらに高くなっていることも懸念材料。シートアレンジを重視して、座面などシートの作りそのものも簡易的になっていることが多く、ホールド性は期待できません。車酔いしやすい人は、3列目シートは避けたほうが無難でしょう。

 ミニバンでは助手席がもっとも車酔いしにくい

 では、いちばん快適な空間に思える2列目シートはどうでしょうか。オットマンなどがついた豪華なシートが備わる車種もあり、リラックスしてくつろげそうですが、じつは2列目シートの乗り心地が期待どおりに良いミニバンというのはあまり見当たりません。というのも、2列目シートの左右には大きなスライドドアが備わっています。これはミニバンの便利さを象徴するような重要な装備ではあるのですが、ボディ剛性という面で考えるとものすごく不利。こんなに大きな穴がぽっかり空いているのですが当たり前なのですが、どうしても路面から伝わる振動やGなどが抑えきれないことも多くなってしまいます。各メーカーとも、この不利な条件を克服しようとボディ剛性向上に努めており、昔に比べたら飛躍的にガッシリとしてきましたが、2列目シートも車酔いにはあまり条件のよい席とはいえないでしょう。

 ただし、眠ってしまうことで車酔いを防げるという人にとっては、シートにさまざまな機能がついていてリラックスした姿勢が取りやすいという点で、2列目シートが向いていると考えることもできます。最近は2列目シートにもシートヒーターが備わったり、エアコンの温度が個別に設定できる車種もありますので、快適な温度を保って眠りやすくすることもできると思います。

 こうして消去法でいくと、ミニバンでは助手席がもっとも車酔いしにくい席だといえます。車酔いの原因には視覚や嗅覚からの不快感やストレスも当てはまり、たとえば後席に座っていると視界の大半が目の前にある席になりがち。クルマが交差点を曲がった時に、その動きを感じて内耳は体が移動しているという信号を送るのに対して、視覚は移動していないという信号を送ってしまい、脳が矛盾した情報を受け取ることで混乱し、吐き気など車酔いの症状を発してしまうといいます。

 これを防ぐためにも、なるべく外の景色が見えて明るく開放的な空間に座るほうがいいのです。ポイントは、近くの景色ではなく遠くの景色を見るようにすることと、うつむいてスマホやゲームなどをしないこと。新鮮な空気を吸うようにしたり、トラックやバスなどの後ろを走る時にはエアコンを内気循環に切り替えるなど、匂いによるストレスにも注意するといいですね。車内で喫煙したり、匂いの強い食べ物を出さないように、同乗者にも協力をあおいでください。

 さて、こうしたミニバンの車酔い問題にはメーカーも気づいており、ホンダではミニバン購入意向のあるユーザーへインタビューしたところ、80%近くの人が車酔いしにくいクルマがあれば欲しいと回答したそう。そこで現行ステップワゴンの開発時に車酔いのしにくさを研究し、視界やシートの座り心地、音、頭が揺れないための工夫などを取り入れているといいます。

 そして日産の新型セレナでも、日産独自に車酔いの原因を研究し、不快な揺れ、視界、車内の匂いに関して改善。とくに匂いに関して、新車臭がイヤだという人が多いことを受けて、全ての室内部品を見直して新車臭がしない部品を開発したというから、驚きです。

 そんなわけで、ひどい車酔いに悩む人はこうしたミニバンを選んだり、座るシートを変えたりすることで、少しでも快適なドライブができることを願っています。

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