軽自動車からスーパーカーまであらゆるクルマを所有し、クルマ趣味を追求し続ける自動車ジャーナリストの西川淳氏のチャレンジ企画。タイトル通り、無茶、無謀と思われる究極のクルマ遊びを考案し、それを実践。クルマ好きの、クルマ好きのための冒険連載。その第3弾はランボルギーニのトラクターに乗る! 忘れていた夢を叶えるべく、ウルスを駆って赤城山へ向かった。
どうせなら“あの有名なシーン”を再現したい
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ランボルギーニ好きにとって叶えたい夢の筆頭といえばもちろん、シザードアを持つフラッグシップモデルのオーナーになることだ。最新モデルならアヴェンタドールだし、上に開くドアの始まりのカウンタックであればサイコーだ。もちろんムルシエラゴやディアブロも憧れの的だろう。シザードアでなくてもミウラのオーナーともなればランボルギーニマニアからも、そして口うるさい愛好家からも一目置かれる存在になれる。ミウラやカウンタックを筆頭としたクラシックモデルに乗ることは、マニアにとって今や究極のランボ趣味に数えられる。それがウルフカウンタックやミウライオタともなれば夢のまた夢、究極の究極、猛牛ファン悶絶必至の趣味だろう。
筆者は幸運にしてフラッグシップモデルのオーナーになった経験も幾度かあるし、仕事とはいえウルフカウンタック(1号と3号)、ミウライオタ(SVJとSVR)に試乗したこともある。数々のランボルギーニイベントにも参加できたし、ほとんどのクラシックモデルにも試乗済み。創始者のフェルッチョと会って話ができなかったことが悔やまれるくらいで、もう残されたランボ趣味はほとんどない……、なんて思っていたら大事なことを経験し忘れたままになっていることに今回気がついた。
それはランボルギーニのトラクターに乗ること、だ。これは是非ともやっておきたい。そして、どうせやるならあの有名なシーンを再現したい。脇にスケさんカクさんよろしくミウラとカウンタックを侍らせ、センターのでかいトラクターから赤いベスト姿の黄門さま、否、フェルッチョ様がカメラ目線に指を指す。指された人がランボマニアなら「はははー」と額を地面にこすりつけんばかりになるほかない、あのシーンだ。
運良くクルマ仲間のファミリィが最近、ランボのトラクターを新車で買ったという話をフェイスブックかなんかで見たばかり。しかもその家族にはミウラが既にあった。あとはカウンタックをこちらで手配して、群馬某所にある“楽園”に向かえばランボのトラクターを実際にドライブするという“残された究極の趣味”を経験できる、のみならず、ランボマニア垂涎のあのシーンも再現できるというわけだった。
当然、トラクターを駆るのだから路面の荒れた場所もあるはず。どうせなら最新のSUVウルスも連れ出そうというわけで、東京から青いウルスを駆って赤城山を目指すことに。
GTの元手となったのがトラクタービジネス
赤城山に到着してからの話をリポートする前に、ランボルギーニのトラクター話について少し語っておこう。
裕福な農家の家に生まれたフェルッチョ・ランボルギーニは、小さいころから機械いじりが好きだった。軍隊では自動車整備の任務につき、その経験を生かして戦後、故郷に帰還後に整備工場を興している。フィアットをベースとしたオリジナルスポーツカーでミッレミリアに参戦したのもその頃だった。フェルッチョは民間に払い下げられる軍用車のエンジンや装備を活用してトラクターを生産することを思いつく。これが大ヒットしフェルッチョはトラクター会社を設立、機械メーカーとして大成功を収めた、というのがランボルギーニの自動車が現れる前の歴史である。
大成功を収めたリッチマンはクルマを趣味とするものだ。元来クルマ好きだったフェルッチョの趣味は当然エスカレートし、たいていの高級スポーツカーは経験した。なかでもフェラーリは大のお気に入りだったが……。いかんせん、当時のフェラーリにはマイナートラブルが多かった。なかでもクラッチトラブルがフェルッチョの愛車に頻発した。いちユーザーとしてクラッチの改良をエンツォに進言するも相手にしてもらえず。怒り心頭のフェルッチョはとうとう……、というのは戯曲めいて語られる面白ストーリーでしかない。フェルッチョはスポーツカーやトラクターを自作するくらい創造力ある冷静な(けれども女好きの)エンジニアだった。そして発見したのだ。250のクラッチには汎用品が沢山使われていて、なかには自分のトラクターにも流用されているパーツがあることに!
フェルッチョはひらめいた。高級スポーツカービジネスは儲かる(はず)。かくしてフェルッチョはトラクタービジネスで得た資金を元手に、“速く快適に走る先進技術を詰め込んだGT”を自ら生産することに決めた……。
紆余曲折あってランボルギーニ・トラットーリ社は1973年にはフェルッチョの手を離れイタリアの老舗であるSAME社傘下となった。現在はそのSAME社がドイツ・ファール社を傘下に収めて新たにSDFグループと名乗っており、ファールとランボルギーニのトラクターを生産している。今回試乗が叶ったトラクターは最新モデルの「スパークVRT」と呼ばれるシリーズであった。
PROFILE
西川淳
軽自動車からスーパーカーまであらゆるクルマを愛し、クルマ趣味を追求し続ける自動車ジャーナリスト。現在は京都に本拠を移し活動中。
文・西川 淳 写真・柳田由人 編集・iconic
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