現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 昔じゃ考えられないイマドキのクルマ好き! ゲームでランエボに魅入られた若者が実車レースに参戦

ここから本文です

昔じゃ考えられないイマドキのクルマ好き! ゲームでランエボに魅入られた若者が実車レースに参戦

掲載 5
昔じゃ考えられないイマドキのクルマ好き! ゲームでランエボに魅入られた若者が実車レースに参戦

好きが高じてレーシングドライバーに転身

 幼少期のころ、レースゲームでお気に入りのクルマをチューニングし、数々のライバルを倒し、「自分も大人になったらこのクルマの実車でレースがしたい!」と思った人は多いはずだ。

社会人2年目のハタチが新車「ロードスター」を漢買い! 旧車好きだった若者をトリコにした理由とは

 そんなクルマ好き少年ならば誰しも思い描く夢を実際に具現化したのが、今回紹介する三菱ランサーエボリューションIIIのオーナーの岡田 衛選手。2022シーズンのスーパー耐久でランサーエボリューションXをドライブするe-motorsports出身のドライバーです。

 ランサーエボリューション(以下:ランエボ)が大好きという岡田選手に自身のエボIIIのこだわりやモータースポーツ活動をする喜びを語って頂きました。

ランエボが好きになったキッカケ

 幼少期からクルマが大好きだったという岡田選手。ランエボが好きになったのは父の影響が大きかったそうです。

「父が三菱パジェロに乗っていた関係で、家にはラリーアートのビデオやカタログがありました。時間があればよく見ていましたね。ラリーで活躍するランエボの映像を見て好きになりました。それからプレイステーションのコリンマクレー・ザ・ラリーというゲームでよく遊んでいたんです。もちろんコリンマクレー氏の名を冠しているのでスバル・インプレッサが主役なのですが、自分はランエボでずっとプレイしていました」

 こうして芽生えた岡田選手のランエボ愛、しかし当時映像で見たりゲームでプレイしたりしていたのはエボV、自身が現在所有しているエボIIIが好きになったのは別のキッカケだったそうです。

「ゲームだけでなく、クルマ漫画にもハマりました。そこで頭文字Dを読んでエボIIIが好きになったんです。元々ランエボが好きというのもありますが、作中で主人公に唯一勝利したクルマですから!」

 そんなきっかけもあり、エボIIIが一番好きなクルマとなった岡田選手。さまざまなレースゲームをプレイしてはゲーム内でエボIIIをチューニングし、ライバルに勝利することを楽しんでいました。

 将来を考える高校生になるとエボIIIを購入することを具体的に考え始めます。

「すでにスポーツカーの中古車市場価格が上がり始めていた時期だったので、大学へ進学せずに就職して購入資金を貯めようと思い、就職という道を選びました」

WRCのターマックテストカーを目指して

 就職してからは毎日のように中古車サイトをチェックしていたとのこと。現在の愛車であるエボIIIを手に入れたのは社会人1年目の夏だったそうです。

「イエローかホワイトの個体を探していたのですが、ノーマル状態でキレイなホワイトの個体を発見してコレだと思いました。競技ベースグレードのRSなのですが、オプションのエアコンが付いていて、ハードな走行をしていた感じもなく、『競技ベースグレードを普通に乗ったらカッコいいのでは?』と思ったのも購入を決めた理由です」

 こうして手に入れたRSグレードのエボIII。“WRCマシンのテストカー”をイメージして岡田選手はカスタマイズしていきました。

「あまり大幅にカスタマイズするのは好みではないので、ターマック仕様のテスト車をイメージしてカスタマイズしています。一番のポイントはホイールで装着しているのは、現在絶版となっているエンケイのターマックエボです。当時のWRCマシンと同じデザインのホイールで気に入っていて、現在装着しているものはリペアもしました」

 当初はこのエボIIIでジムカーナやサーキット走行もしたそうですが、あまりハマらなかったとのこと。

「スポーツ走行がつまらないと感じた訳ではないのですが、ランエボでスポーツ走行している人は第三世代(VII~IX)が中心で速くて比べにくかったですし、大切な愛車に何かあったら……というのが怖かったですね。また、このころはグランツーリスモ5や6で遊んでいて、オンライン対戦が盛り上がってきた時期だったので、そちらの方で競走欲が満たされていました」

大好きなランエボでレースに参戦!

 こうして現実では愛車を理想のスタイルに仕上げ、ゲームの世界では実在するライバルとのバトルを楽しんでいた岡田選手に、転機が訪れたのは2021年でした。

「すでにスーパー耐久で活躍していたオンラインレース仲間でもある冨林勇佑選手を見て、自分も実車でのモータースポーツ活動に興味が湧きました。オンライン対戦では接戦を繰り広げていたのですが、カートなどでは負けたりしたのでその悔しさもありましたね。そう思っていたとき、冨林選手がレースデビューしたイナトミガレージさんで、2021シーズンのロードスターパーティレースのシートが空いていると1月に声をかけて頂きました。急いでライセンスを取って装備品を揃えてエントリーの準備をしました」

 こうして岡田選手は4輪レースにデビュー。第3戦ではポールポジションを獲得し、スーパー耐久の最終戦にST-5クラスのロードスターで参戦するなど、素晴らしいレースキャリアのスタートを切ったシーズンとなりました。

 2022シーズンもレース活動を模索していたところ、「ランエボが大好き」ということを知ったイナトミガレージのメンバーがスーパー耐久のST-2クラスでランエボを走らせるシンリョウレーシングチームを紹介して下さったそうです。

「いろいろな人に感謝ですが、大好きなランエボでレースにシーズンフル参戦できるなんて本当にうれしかったです。現在はサーキットまで自身のエボIIIで移動し、エボXでレースをしているのですが、好きなクルマを所有して好きなクルマでレースをするなんて、子どものころに遊んでいたゲームの世界の出来事を限りなく近い形で実現できて幸せですね。学生のころの自分に今の生活を教えてあげたいです」

ランエボファンとしてWRXやGRヤリスに負けられない!

 そんなクルマ好き少年の夢を叶えたと言える岡田選手に今後の目標を聞きました。

「エボIIIはこれからも乗りながらキレイに維持していきたいです。エボIIIに関する夢としてはターンテーブルのあるガレージを所有できたら最高ですね。ターンテーブルで回ったらまんまグランツーリスモのガレージじゃないですか! レース活動に関してはもっと上を目指していきたいというのもありますが、まずはクラス優勝をしたいです。ドライバーとして勝ちたいという気持ちはもちろん、何よりランエボファンとしてWRXやGRヤリスに負けたままではいられません!」

 本人のドライビングスキルもさることながら、「ランエボが好き」という気持ちが繋いだスーパー耐久フル参戦へのステップアップ。エボIIIはこれからも岡田選手のライフワークを支えていくことでしょう。

こんな記事も読まれています

ポルシェなのに中身はアウディ? 開発テストをおこなう謎の『マカン』その正体は
ポルシェなのに中身はアウディ? 開発テストをおこなう謎の『マカン』その正体は
レスポンス
往時の強さ取り戻したマルケス、13番手スタートから2位フィニッシュ。優勝争う前から「もうクタクタだったよ……」
往時の強さ取り戻したマルケス、13番手スタートから2位フィニッシュ。優勝争う前から「もうクタクタだったよ……」
motorsport.com 日本版
スズキから「万能型スポーツアドベンチャーツアラー」登場! 省燃費で扱いやすい新型「Vストローム250」は進化したエンジンに注目です
スズキから「万能型スポーツアドベンチャーツアラー」登場! 省燃費で扱いやすい新型「Vストローム250」は進化したエンジンに注目です
VAGUE
【最新技術】新型アコードに触れて実感。新世代ホンダe:HEVハイブリッドはトヨタを超えたかもしれない
【最新技術】新型アコードに触れて実感。新世代ホンダe:HEVハイブリッドはトヨタを超えたかもしれない
カー・アンド・ドライバー
ロバンペラと勝田が無念のデイリタイア。首位争いはオジエVSタナクの元王者対決に【WRCポルトガル三日目】
ロバンペラと勝田が無念のデイリタイア。首位争いはオジエVSタナクの元王者対決に【WRCポルトガル三日目】
AUTOSPORT web
ホンダ新型「最小&最安コンパクトカー」が今や”国民車”に!? 爆売れの“5速MT&全長4m以下”ボディ! 迫力顔の「ブリオ」が尼で大人気
ホンダ新型「最小&最安コンパクトカー」が今や”国民車”に!? 爆売れの“5速MT&全長4m以下”ボディ! 迫力顔の「ブリオ」が尼で大人気
くるまのニュース
女性競輪選手たちの挑戦「ガールズケイリン」に大注目!
女性競輪選手たちの挑戦「ガールズケイリン」に大注目!
バイクのニュース
日本でのライドシェア解禁で目立つ「否定的な声」! 犯罪はあってはならないがライドシェアなくして足が確保できない地域もある
日本でのライドシェア解禁で目立つ「否定的な声」! 犯罪はあってはならないがライドシェアなくして足が確保できない地域もある
WEB CARTOP
最新のランクルは最良? ランドクルーザー250に試乗 オフロードも最新技術で快適に
最新のランクルは最良? ランドクルーザー250に試乗 オフロードも最新技術で快適に
日刊自動車新聞
パワフルなエンジン、卓越した走行性能と上質なインテリアを備えた美しいクーペ これ以上何を望む?「メルセデスAMG CLE 53」
パワフルなエンジン、卓越した走行性能と上質なインテリアを備えた美しいクーペ これ以上何を望む?「メルセデスAMG CLE 53」
AutoBild Japan
深刻なバスドライバー不足! 「お客様は神様」精神を捨てて、欧米の合理的価値観に切り替えるのが本当に正しいのか?
深刻なバスドライバー不足! 「お客様は神様」精神を捨てて、欧米の合理的価値観に切り替えるのが本当に正しいのか?
Merkmal
日産の「S13型シルビア」なぜ人気? デートカー&走り屋御用達… “ヤングタイマー”なクルマの魅力とは
日産の「S13型シルビア」なぜ人気? デートカー&走り屋御用達… “ヤングタイマー”なクルマの魅力とは
くるまのニュース
マセラティ グランカブリオの受注を開始。ネットゥーノ搭載のトロフェオ
マセラティ グランカブリオの受注を開始。ネットゥーノ搭載のトロフェオ
Auto Prove
久々の優勝もマクラーレンはまだまだ慎重。ステラ代表「レッドブルと互角に戦うためには、もう1回アップデートが必要」
久々の優勝もマクラーレンはまだまだ慎重。ステラ代表「レッドブルと互角に戦うためには、もう1回アップデートが必要」
motorsport.com 日本版
[音のプロが推す“超納得”スタートプラン]まずはスピーカーを換え、可能なら最新ナビorアンプDSPを追加!
[音のプロが推す“超納得”スタートプラン]まずはスピーカーを換え、可能なら最新ナビorアンプDSPを追加!
レスポンス
初見殺しの難所「海老名JCT」どう攻略!? 東名・圏央道・小田原厚木道路の「謎分岐」に翻弄される人々 鬼門の「厚木IC」とは
初見殺しの難所「海老名JCT」どう攻略!? 東名・圏央道・小田原厚木道路の「謎分岐」に翻弄される人々 鬼門の「厚木IC」とは
くるまのニュース
目指せ100色! 電動モビリティブランドWOが「wonkey」のニューカラーとハイパワーモデルを発売
目指せ100色! 電動モビリティブランドWOが「wonkey」のニューカラーとハイパワーモデルを発売
バイクのニュース
マクラーレン アルトゥーラ/アルトゥーラ スパイダー【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
マクラーレン アルトゥーラ/アルトゥーラ スパイダー【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

5件
  • 入り口は別になんだっていいんだよ。
    レースどころか車にも全然興味がなかった人が、たまたま友人に連れられてサーキット走行会に参加して…、という話もなんかよく聞く気がする。
  • 頭にタオル巻いて家来にビンタするんか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.5540.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0998.0万円

中古車を検索
ランサーエボリューションの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.5540.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0998.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村