トイファクトリーが5台限定販売
キャンピングカー専門店のトイファクトリーに興味を持ってアプローチしたのは、米国のディズニー社だった。
【画像】100周年記念! トイファクトリー「ディズニー100」【隅々まで見る】 全39枚
同社からの依頼で、2022年にトイファクトリーは「トイストーリー」の世界観をモチーフにしたキャンビングカー「トイズボックス95」をトヨタ・ハイエースをベースに30台限定で製作。大人気を集めて完売した。
そして2023年、ディズニー社は同社の創立100周年を記念したキャンピングカーの製作を提案してきた。それが、今回のジャパン・モビリティショー(JMS)でお披露目された、「ディズニー100」だ。
JMSの会場でも、ディズニー100は家族連れやディズニー好きのカップルなどの注目を集めていた。まずは関係者に話を伺ってみよう。
ベース車両は、フィアット・プロフェッショナルのデュカト・ダビンチ6.0。ステランティス日本法人が正規輸入しているモデルだ。内外装に、ディズニー100周年の歴史や変遷を芸術的なスペシャルアートで表現したと謳っているが、外観にはディズニーのキャラクターの絵は一切描かれていない。
それはディズニー社との取り決めで、万が一の事故でキャラクターの絵が破損することを避けるため。そして、外観にキャラクターが描かれていると、路上でクルマを見た子どもが飛び出してきて……といった事態を避けるためであるという。
キャンピングカーの中は夢の国
したがって、ボディカラーはメタリックブラックかランサローテグレーという渋めの2色。ディズニー社から提供された100周年をイメージしたパターンやストライプと、控えめな「100」のロゴがボンネットなどに入れられている。
だが、インテリアはディズニー社創業当時のアメリカを彷彿とさせる、ミドセンチュリーのテイストにあふれている。
スライドドアを開けると、チョーク画風のミッキーマウスが迎えてくれる。シートやカーペット、ルーフなどキャビン全体は、懐かしい映画館の雰囲気だ。
室内右側のアッパー家具には、ミッキーマウスが初めて登場した「蒸気船ウィリー」やミニー、プルートといったフレンズの初期キャラクターが登場順に並ぶ。
左側には、モノクロからカラーへとアニメーションの変遷を表現したフィルムアート風の家具。
バックドアの内側は、ミッキーマウスのミツマルアイコン型のくり抜き窓。内外装のいたるところに、このクルマならではのアートワークが組み込まれている。
買うのはどんなヒト?
キッチンやテーブルの木材は天然のチェリー材、シートやベッドマットなどには専用デザインのモケット生地を採用するなど、わずか限定5台のためとは思えないほどコストをかけて製作されている。
もちろん、キャンピングカーとして必要なベッド(就寝定員は大人2名)やシャワー&トイレ、電子レンジや冷蔵庫などは完備している。
このディズニー100、前述のように限定台数は5台。車両価格(税込)は、2023万円から。
デュカトをベースに普通のキャンピングカーを製作すると、だいたい1500万円台~というから、約500万円のエクストラコストが加わっている。だが、限定5台のために、ディズニーのキャラクターだけでなく上質な木材や生地などの素材を用いているのだから、法外な価格ではないだろう。
すでに問い合わせは多いそうだが、購入を検討している人は、やはりディズニー好きの家族。それも、ご主人よりも奥様のほうが熱狂的、という人も少なくないそうだ。
また、デュカトという車格からして、初めてキャンビングカーを手に入れる人よりは、国産キャンビングカーからステップアップを目指している人が大半のよう。
ディズニー100の申し込みは、12月24日(日)まで。申し込み者が限定台数の5台を超えた場合は、抽選となる。デリバリーは来年の5月からを予定している。
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