5月2日、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで2021年MotoGP第4戦スペインGP MotoGPクラスの決勝が行われ、ポールスタートのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はトップから18秒907遅れの13位でフィニッシュした。レース中盤から急にペースが落ちた原因はコンパートメント症候群(腕上がり/アームパンプ)だったという。
今季好調のクアルタラロは初日、2日目のフリー走行1~4回目までトップ5以内のタイムを記録した。予選はQ2にダイレクトで進出し、2度のアタックの最終周に1分36秒755をマークしてポールポジションを獲得した。
MotoGP:クアルタラロが腕上がりの手術を実施。カタルーニャGPは出場予定
今季は第1戦カタールGPで5位、第2戦ドーハGPと第3戦ポルトガルGPで優勝を飾り調子が良いため、今大会では3連勝の期待がかかっていた。
迎えたドライコンディションのスペインGP決勝では、スタートでポジションを落とし、オープニングラップで4番手になるが、1周ごとにひとつ順位を回復させ4周目にトップに躍り出る。
そこから15周目まで12ラップリードしたが、16周目にジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)にかわされ2番手に。その後、極端にペースが落ち、18周目に4番手、19周目に7番手、20周目に10番手と順位を落とし、翌2周は11番手、ラスト3周は13番手を走行し、かろうじてポイント圏内でレースを終えた。
フィニッシュラインを切った後、1コーナーで悔しがるとともに腕をかばう姿を見せたが、やはり失速の原因はマシントラブルやタイヤではなく突然の腕上がりだったという。レース中、右腕は感覚もなく、耐え難いほどの痛みが出たためにプッシュすることができなかったようで、3日には腕を検査するとクアルタラロは語る。
「今日はアームパンプの問題が明らかだった。10周前後はジャック・ミラーを1秒差で抑えることができていたが、その後、突然、右腕の感覚がなくなってしまった」
「ここで勝てる可能性は十分にあるポジションにいた。もう少し速く走れたかもしれないんだ。僕たちが得意としていたユーズドタイヤでの走行は、腕に力が残っていなかったためについに必要なくなってしまったよ。今日は時間をかけて状況を考え、アームパンプを対処するための最善の判断をできるだけ早く下したいと思う」
「次は僕のホームグランプリだが、そこでは体調を整えたいし、それが僕にとって重要なことだ。そこではバイクがうまく機能して、いいパフォーマンスを発揮できると思っているんだ。この問題をできるだけ早く最善の方法で解決することがベストだと思っているよ」
しかし、クアルタラロは2019年6月4日に腕上がりの手術を受けている。再度症状が出たのであれば2度目の手術を受けることになるのかもしれない。また、ステファン・ブラドル(ホンダHRC)もレースの最後に少しアームパンプを感じたといい、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)もまた最後に右前腕に問題が出て、検査が必要だとコメントした。
多くのGPライダーを悩ませる腕上がり。今回は複数のライダーが症状を訴えているため、ヘレスのコース特性が影響したのだろう。
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