新型「隼」は見た目以上に取り回しや足つき性に優れた扱いやすいバイクでした。でも、最高出力188馬力を誇るアルティメットスポーツは、さすがに街乗りでは持て余すんじゃないの? 小排気量バイク好きの編集部イワセが「隼」の街乗り性能を検証します。
【使い勝手編】からの続きです
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街乗りも楽しめるのが本当のツーリングバイク
スズキが誇るアルティメットスポーツ「隼」は一般道を走っても楽しいのか?
名実共に「最強最速のオートバイ」が故に、一般道ではその有り余るパワーを持て余しながら走らなければならないのでしょうか。
例え高速道路が快適でも、街乗りや一般道でのツーリングで“我慢”を強いられてしまっては、せっかくの楽しさが半減してしまいます。
ということで、次なる「隼の思い込み」を解消するために、まずは街乗りから検証してみたいと思います。
隼の思い込み(3)/パワーありすぎで一般道は全然楽しくない?
「常用回転域のトルクがあって一般道がすごく走りやすい!」
筆者の私(岩瀬)のように、隼って「パワーがありすぎて一般道はギクシャクするんじゃないの?」って思っている方、結構いるかもしれません。
1339ccの4気筒エンジンを搭載し、最高出力が188馬力もある隼だけに、やっぱり“主戦場”は高速道路でのクルージングを楽しむ乗り物だと思っていました。
つまり、一般道は有り余るパワーを抑えながら、ある意味『ウズウズしながら走る』ものだと思い込んでいたんです。
ところが、少し走るだけで、これが大きな間違いであることに気がつきます。
まず、アイドリングから3000回転くらいまでの低回転域がものすごく扱いやすく、ハイパワーマシンにありがちな低回転域のトルク不足が少しもない。一般道を走っていて気持ちがいいんです。
電位制御になったスロットル操作は、どの回転域でも素直に反応してくれるので、ある意味エンジンをたくさん回して走らなくても、出したい速度やパワーが自然に湧き出てきます。
しかも、これがどの「パワーモード」の低回転域からでもスムーズに扱えるようになっているんです。
新型「隼」は電子制御で出力特性などが変更できる『SDMS-α(スズキドライブモードセレクターアルファ)』が新しく採用されました。
パワーモードやトラクションコントロールなどが統合的に切り替わり、プリセットされた「A(アクティブ)」「B(ベーシック)」「C(コンフォート)」の3つのモードに加え、ユーザーが任意に設定できる「USER」の4種類の「モードチェンジ」から選択できます。
こちらは各モードごとの出力イメージですが、グラフ曲線を見るだけでも全く別のキャラクターのバイクと言えるくらい出力特性が変化します。
例えば、通常はベーシックな「B」モードに設定しておいて、渋滞時や雨天時などは出力が穏やかな「C」モードに、高速道路やアクティブに走りたいときは「A」モード、などを瞬時に切り替えることができます。
だから「パワーを持て余しながら走る」必要がない。
もちろん、スロットルをガバッ!と開ければとんでもないパワーがでるのですが、街中ではトバさなくても充分楽しめる出力特性になっているんです。
意外だったのは、一番アクティブな「A」モードで一般道を走っても、パワーがありすぎてギクシャクすることがなかったこと。いわゆる「ドン突き」がぜんぜんありません。
新型「隼」は一般道の60km/hでも「ゆとりあるパワーを楽しみながら走る」ことができるバイクだったんです。
(下に続きます)
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ストップ&ゴーが多い街中や渋滞などでも、我慢を強いられることがないので、下道のツーリングでも疲れにくく、普通のバイクとなんら変わらない感覚で、気負う必要がまったくありませんでした。
次回はいよいよ新型「隼」で高速道路を走って、ハイスピード域での性能を検証します!
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低回転での通称ドンツキには
だいぶ怖い思いをしました