11台が作られたシューティングブレーク
特別な顧客からの要望を受けて、新車か中古車のアストン マーティンDB5をベースに、合計11台のシューティングブレークが提供されている。その内、右ハンドル車が8台を占めた。
【画像】アストン マーティンDB5 希少なシューティングブレーク 特別なDB2/4とDB4 最新DB12も 全120枚
複雑なスーパーレッジェーラ構造は、コンバージョンが難しい。フロントガラスから後ろのボディが丸ごと作り直され、2000ポンドの追加費用を要した。
サスペンションは、リアのスプリングを強化。リアシートを折り畳むと広大な荷室が出現し、当時は世界最速のワゴンと表現して間違いではなかった。
DB5 シューティングブレークへは、滅多にお目にかかれない。英国のアストン マーティン専門ガレージ、ニコラス・ミー&カンパニー社から試乗機会を提案していただいたら、お断りする理由はない。
理想的なことに、同社はDB5のクーペとコンバーチブルも在庫していた。すべて完璧にレストアされ、オリジナル状態にある。何という幸運だろう。
カンバーランド・グレーへ塗られた1965年式は、670台生産された右ハンドルのクーペの1台。当時は最新装備だったエアコンが備わり、トリプルSUキャブレターが載る4.0L直列6気筒エンジンが保たれている。
落ち着いたパシフィック・ブルーのDB5は、81台が作られた右ハンドルのコンバーチブル。30万ポンドを費やしたレストアから、約1600kmしか走っていない。本来の色は、明るいカリビアン・ブルーだったそうだ。
直列6気筒エンジンは、4.2Lへ拡大されている。コニ社製のダンパーへ交換され、ベッカー社製のラジオデッキが組まれている。
美しくも勇ましい 優雅で自信に満ちている
ラドフォード・シューティングブレークのボディカラーは、淡いカリフォルニア・セージ。走行距離は9万5400kmと浅く、ロンドンに住む前オーナーは2011年まで、約40年間も管理してきたそうだ。これまでに、10万ポンド以上の費用が投じられている。
希少なクラシックとはいえ、いずれも6気筒エンジンのスポーツカーとしては驚くほどの価値が生まれている。1970年代初頭の英国では、1000ポンド程度で中古のDB5を探すことができたことも確かで、皮肉を口にしたくなる気持ちも分かる。
とはいえ、多くの人がこの容姿へ引き込まれるに違いない。美しくも勇ましいスタイリングは、優雅であり自信に満ちている。ジェームズ・ボンドが生んだイメージを超える、カリスマ性を漂わせる。
長いドアを開くと、ヘッドレストを備えた大きなシートが出迎える。クーペはブラック・レザーで、コンバーチブルは綺麗に畳まれたソフトトップのカバーまで、マグノリア・レザーで仕立てられている。
シューティングブレークは、鮮やかなクリムゾン・レッド。カーペットも同じ色でコーディネートされ、クロームメッキのテールゲート・スプリングなど、ディティールにも見入ってしまう。
大きなサイドウインドウを収めるため、給油口はコンバーチブルと同じ場所へ移設されている。一体型のテールライトは、後のDB6 ヴォランテへ流用された。
1速で引っ張るとあっという間に80km/hへ
ダッシュボードには、DB4から受け継いだ、クロームメッキ・リングの輝くメーターが豪華に並ぶ。中央には時計も。スイッチ類には、各機能がラベリングされている。くまなく美しい。
滑らかに動くパワーウインドウの機構も、アストン マーティン自ら開発したもの。指を挟むのを防ぐため、閉まる直前は上昇スピードが落ちるよう配慮されている。
ガラスは大きく、全方向の視界は良好。安全性を求めた現代のモデルと比べると、ピラーは不安なほど細い。
3台のDB5は、惚れ惚れするようなサウンドを放つ。SUキャブレターを載せるクーペの方が、ウェーバーキャブレターのシューティングブレークより静か。低速域では、王室が乗るリムジンのようにゆったりと進む。
4.2Lへ排気量が増やされたコンバーチブルが、最も意欲的。トルクが太く、シフトダウンの必要性は低い。滑らかな唸りを響かせ、追い越し加速を悠々とこなして見せる。
いずれも、トランスミッションはZF社製の5速マニュアル。シフトレバーは気持ち良く動き、上段3速のレシオがクロスし、操る楽しさを高めている。
クラッチペダルは重すぎない。スムーズな発進には、高めの回転数を意識するのが良いようだ。右足へ力を込めると、金属的なノイズを高めながらノーズが持ち上がる。1速で引っ張ると、あっという間に80km/hへ届く。
フロアヒンジのペダルは、ヒール&トウでのシフトダウンがしやすい。ブレーキはバランスに優れ、期待ほどではないが、強力に効く。
忠実で貪欲なレスポンス 探求心が見事に結実
低速域での重さをカバーするため、ウッドリムのステアリングホイールは大径。速度域が上昇しても安心感が高く、安定して直進する。
高速コーナーでは、ほぼ均等な前後の重量配分で挙動はニュートラル。タイトなカーブでは、ステアリングホイールへ伝わる手応えが増し、ドライバーへ自身を抱かせる。アクセルペダルで、ラインを調整するのに充分なパワーも秘めている。
チャレンジングな道では、象徴的なスポーツ・グランドツアラーらしく、積極的にパワーを展開したい。リジットアクスルは、乗り心地を担保しつつ、ブレーキやトルクへ合わせて強化されている。
荷重移動を図れば、パワーオンでリアタイヤへトラクションをかけ、路面を効果的に蹴らせられる。レスポンスは忠実で貪欲。ドライバーの努力が、走りとして返ってくる。誰しもが似合うわけではない、男らしいオーラを放つマシンだ。
比較すれば、DB4の方が美しく純粋な成り立ちかもしれない。ホイールベースが伸ばされたDB6は、低いルーフのプロポーションに賛否があるとしても、より洗練された内容にあった。
それでも、スーパーレッジェーラ構造のボディを持つ、デイビッド・ブラウン氏のイニシャルを冠した6気筒モデルで、最高の心象を与えるのはDB5だと思う。英国の誇り高きスポーツカー・ブランドの、1つの代表へ据えるのに相応しい。
最高のオールラウンド・グランドツアラーを構築しようという、往年のアストン マーティンの探求心が見事に結実している。
協力:ニコラス・ミー&カンパニー社
アストン マーティンDB5(1963~1965年/英国仕様)のスペック
英国価格:4084ポンド(新車時)/100万ポンド(約1億8100万円)前後(現在)
生産数:1059台(合計)
全長:4570mm
全幅:1676mm
全高:1346mm
最高速度:228km/h
0-97km/h加速:8.1秒
燃費:6.0km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1468kg
パワートレイン:直列6気筒3995cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:286ps/5500rpm
最大トルク:38.6kg-m/4500rpm
トランスミッション:5速マニュアル(後輪駆動)
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