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秋は死亡事故が増加傾向? 濃霧による視界不良に要注意!

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秋は死亡事故が増加傾向? 濃霧による視界不良に要注意!

■なぜ秋に死亡事故が増える? その主な要因とは

 交通事故は日本中で毎月3万件以上が発生しており、季節による変動は多くありません。
 
 一方で死亡事故に関しては、四季のなかでも秋に多く見られる特徴があります。なぜ、秋に死亡事故が増加する傾向にあるのでしょうか。

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 公益財団法人「交通事故総合分析センター」が発表した資料によれば、2018年の月別の交通事故による死者数の推移は、「夏」の場合は7月が280人、8月が296人、9月が279人と、300人以下に推移しています。

 しかし、秋シーズンとなる10月に入るとその数字は338人に急増。11月も326人、12月に至っては410人となっており、日が短くなるにつれて死者数が増大する傾向にあるようです。

 一方で、死亡事故を問わず単純な月別の交通事故発生件数は、1月から12月まで多少のバラつきがあるものの、どの月でも3万2000件から3万9000件となっています。交通事故そのものは、秋だから特別に増えているわけではありません。

 つまり、秋に入ると死に至る大事故が起こりやすいということが考えられます。では、秋に死亡事故が急増するのは、どのような理由があるのでしょうか。

 秋に死亡事故が急増する要因としては、気象条件が大きく関係しています。

 まず、秋は日暮れの時間が早くなります。とくに、太陽が水平線に沈んだ後にすぐに真っ暗にならない日没時刻前後の1時間は「薄暮」と呼ばれており、死亡事故が多く発生しています。

 2015年から2019年の5年間における死亡事故の発生状況を分析した結果、日没時刻と重なる17時から19時に死亡事故が多く発生していることがわかり、薄暮時間帯にはクルマと歩行者の衝突事故がもっとも多く発生しているが明らかです。

 薄暮では、視界が徐々に悪くなり、自動車や自転車、歩行者などを「お互いに」発見できなくなるという注意点があります。

 これは、日没後も明るさが残っていることで、ドライバーが「まだ明るい」と勘違いしてヘッドライトの点灯が遅れ、歩行者を見逃す可能性が高くなります。

 加えて、夏に比べて太陽の位置が低いことで太陽光が乱反射しやすくなり、ドライバーがまぶしさを感じて道路状況の確認が遅れる危険もあります。

 ほかには歩行者側の服装も、寒くなることで服装が自然と夏場の派手な色から落ち着いた色合いに変わってくることで、視認性が悪くなる要因になってしまいます。

 これに対し、警察庁では「自動車運転者は前照灯の早め点灯をおこなうとともに、歩行者や自転車利用者は明るい服装を心がけたり、反射材・ライトを活用し、自分の存在を周囲に知らせるようにしましょう」と注意喚起をおこなっています。

■秋は濃霧に要注意! そもそも濃霧って何?

 秋は濃い霧が発生しやすくなり、その状態で運転することを「濃霧走行」ともいいます。

 気象庁では、霧(浮遊水滴)によって視程(水平方向に見通せる距離)が1km未満の状態を霧発生の定義としており、視程が陸上で100m、海上で500m未満の場合になった状態を濃霧と呼んでいます。

 霧の発生しやすい季節は、内陸部では秋が多いといわれ、発生しやすい場所は、標高の高い山間部や山間の盆地などに見られ、地名に霧という字が含まれている場所は、その地形や気象状況から霧の発生率が高いです。

 走行中に濃霧に遭遇した場合は、一般道、高速道路を問わず、走行中に濃霧に遭遇したら速度を緩め、前走車との車間距離を十分に保つことが大切です。

 また、日中でも霧が発生し始めた際には、ヘッドライトを点灯させることも視界確保の有効な手段となりますが、ロービーム(下向き点灯)を使用しましょう。
 
 これは、光源をハイビーム(上向き)にすると、ヘッドライトの光りが霧に乱反射し、かえって視界が悪くなるからで、同時にフォグランプが装備されている場合は、点灯させることで対向車から見えやすくなります。

 また、最近のクルマにはオートライトが搭載されるクルマが増え、直近の新型モデルでは義務化されています。

 しかし、日中の濃霧の場合はオートライトであっても、センサーが反応せず点灯しない可能性もあるため自分自身が「周囲が見づらい」と感じたら、オートライトだけに頼らずに手動で点灯することも大切です。

※ ※ ※

 また、濃霧以外にもクルマ側の装備に関して確認をしておくことが大切です。

 ワイパー不良やタイヤのパンク、バーストは、夏の日差しで急激に劣化していることがあり、ワイパーであれば水を弾きにくくなっている状態になっていることが考えられます。

 タイヤの場合は、夏場の紫外線や高温によりかなりのダメージを受け、ひび割れや空気圧が低下している可能性があります。

 さらに、秋シーズンに多いトラブルがバッテリー上がりで、その原因は、夏場のエアコンフル稼働により、バッテリーが消耗しやすくなっているためです。

 これらのクルマ側のメンテナンスも季節の変わり目にしておくことが、安全に繋がるポイントといえます。

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みんなのコメント

4件
  • 日暮れが早い季節
    AUTOライトに頼らずに早めにライトONしようね。
  • ライトオンで視認性があがる…対向車からのね。これ解らない間抜けが高原地帯の霧で走るのは自殺行為。歩行者も霧が深いときは道路際を歩くのを止めた方がいい。ライトを点けずに歩くと本当に轢かれる。

    窓開けると多少は外の音拾えるから、耳のいい人なら近づく車やバイクに気づける。でも一番いいのは霧が深いときは運転しない。特に霧のサンデードライバーは走る凶器。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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