ポルシェのワークスドライバーであるアンドレ・ロッテラーは、ドイツブランドがWEC世界耐久選手権で好調なスタートを見せていることを考慮したとき、今季2024年のル・マン24時間レースが彼にとって、通算4度目となる総合優勝を成し遂げる最高のチャンスだと考えている。
日本のスーパーGTやフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)などで活躍したロッテラーは現在42歳。彼はオリビエ・ジェンデビアン、アンリ・ペスカローロ、ヤニック・ダルマスらと肩を並べるサルト・サーキットでの4度目の勝利を、アウディ時代に達成した直近の勝利から10年経った今も追い求めている。
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
ロッテラーとポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963をシェアするケビン・エストーレとローレンス・ファントールは、今年3月に中東のカタールで開催されたWEC開幕戦カタール1812kmで優勝を飾った。また彼らは、続く第2戦イモラと第3戦スパでの2位フィニッシュを経て、開幕3レースを終えた時点でランキング首位に立っている。
「ああ、いい感じだ」とロッテラー。昨シーズン限りでABB FIAフォーミュラE世界選手権から退きWECのハイパーカー・プログラムに集中している彼は、2024年がル・マンで4勝目を獲得する最高の機会だと思うか、というSportscar365の質問に対して次のように答えた。
「シーズンのスタートはとても希望に満ちているし、勢いもある」
「チームメイトやエンジニアたちとの連携は非常に効率的で、ポジティブだ。2023年よりも状況はずっと良くなっている」
「もちろんル・マンではパフォーマンスが必要だし、他のメンバーがどうなるかは分からない。しかし、チーム内では物事をほぼ最大限に最適化できるレベルに達している」
「昨シーズンとは比較にならないよ。カタール、イモラ、スパではセットアップに釘付けになったし、ここル・マンでも、同じことができる要素はすべて揃っていると思う」
2016年にアウディのLMP1プロジェクトが終了した後、ロッテラーはポルシェに移籍し919ハイブリッドでル・マンを走ったが、この2017年限りでポルシェもLMP1での活動を終了した。
その後、レベリオン・レーシングから参戦したル・マンでは2度にわたって競争力のないレースを経験。ロッテラーはフォーミュラEに集中するために2020年、21年、さらに22年のレースを欠場した。
ふたたびサルト・サーキットに戻ってきたロッテラーと彼のチームメイトは、2023年にデビューしたポルシェ963の信頼性の問題に悩まされ、総合22位と苦戦を強いられた。
■ドライビングスタイルに感じるジェネレーションギャップ
ロッテラーは、チームメイトのエストーレとファントールが自分よりもLMDhマシンに順応するのが容易だったことを認めつつも、ル・マンでの苦難の年月を経ても、自身のモチベーションは衰えていないと断言する。
「モチベーションの面では、情熱はそこにある」とロッテラー。
「いまのクルマは(LMP1とは)違っていて、どちらかというとGTカーに近い。だから、ケビン(・エストーレ)とローレンス(・ファントール)は僕よりも少し居心地がいいかもしれない」
「GTから来たドライバーたちは、よりリスクを冒し、よりプッシュする傾向にある。昔とは違うね」
「僕たちももちろんプッシュしているけれど、以前はもう少しリスクを計算していたような気がする」
「今はもっとリスクを取るようになっているが、そこにはジェネレーションギャップがあるのかもしれない。時々、スタイルの違いに少し驚くことがあるんだ」
「僕はLMP1のほうが居心地がよかった。でも、今でもすごく楽しいし、プッシュしたいんだ。ドライブするクルマは違うけれど、順応してベストを尽くさなければならない」
ル・マンで4勝目を挙げるチャンスはあと何回あるかと聞かれたロッテラーは「分からない」と返答した
「どうなるか、ひとつひとつ見ていこう」
「うまくいけば、あと数回はチャンスがあるはずだ! 僕としは、まだ充分に仕事ができると思っているよ」
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みんなのコメント
去年のル・マンは全滅するんじゃないかと思うくらい酷いものだった。