2020年のWRC世界ラリー選手権は1月23日、第1戦モンテカルロのSS1~2が行われてシーズン開幕を迎え、最初の2ステージを終えた時点でティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合首位につけた。19.1秒差の総合2番手にトヨタのセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)、25.1秒差の総合3番手にワールドチャンピオンのオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)が続いている。
1月23~26日の日程で争われる2020年のWRC開幕戦、ラリー・モンテカルロ。大会開幕前日の22日にはマシンの動作確認チャンスとなるシェイクダウンが行われ、ここではオジエが最速タイムを刻んでいた。
そのシェイクダウンから一夜明けた23日は、まず現地17時にセレモニアルスタートが行われた。例年、ラリー・モンテカルロのセレモニアルスタートはモナコ公国のカジノ広場が会場だったが、同広場では改修工事が行われているため、2020年はモナコ湾に面するアルベール1世埠頭が会場となった。
セレモニアルスタートを終えたドライバーたちはフランス山中へ向かい、現地20時38分(日本時間24日4時38分)からSS1、22時26分から(日本時間24日6時26分)からSS2の、合計2SSがナイトステージとして行われた。
オープニングのSS1はドライコンディションのなか行われ、オジエが9分53秒4で最速、1.8秒差のステージ2位にタナク、1.9秒差のステージ3位にエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が続いた。
続くSS2は先週に降った雪が残っている箇所も多かったステージで、各セクションでコースコンディションが変わると予想されたことから、果敢に攻めたドライバーが大きなアドバンテージを得るとみられていた。
そして、そのSS2で最速タイムを刻んだのがヌービルだった。25.49kmのステージ2で16分23秒7の最速タイムを刻むと、ステージ2位につけたオジエに25.5秒差でステージ優勝。総合では19.1秒リードを築いてトップに浮上した。
「たった2SSが終わっただけだけど、新シーズンの立ち上がりとしては素晴らしいものになった」とヌービル。
「最初のステージ(SS1)は、完全なドライコンディションでラリー・モンテカルロのなかではもっとも簡単な部類のステージだった。一方、SS2は事前に得ていた情報と実際のコンディションが大きく変わっていて、かなりトリッキーだったよ」
「できるだけ路面状況を正確に読み取ろうと努力したし、大きなリスクを背負わないようにも心がけた。だから、いいタイムが刻めたんだ」
総合2番手はオジエ、総合3番手はタナクが続いた。そのタナクと0.3秒差の総合4番手にはエバンスがつけた。トリッキーなコンディションだったSS2にスタッド付きタイヤで挑んだエバンスは「(スタッドは)一部のセクションで役に立ったけれど、逆に邪魔だと思うことも多かった」と述べている。
この日行われた2SSのうち、SS1については完全なドライコンディションだったこともあり、走行が進むにつれ、道路脇の枯れ葉がコースに広がり滑りやすいコンディションに。また枯れ葉がエアインテークを塞ぎ、マシンがオーバーヒートしてしまう場面も見られた。
特にMスポーツ・フォード陣営はオーバーヒートトラブルに直面してペースが上がらず。さらにSS2ではテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)にトランスミッショントラブルがありデイリタイア、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)はターボトラブルでタイムを上げられず総合13番手と苦しい立ち上がりとなった。
Mスポーツ勢のなかで唯一タイムを伸ばしたエサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)は総合6番手。ラッピと10.7秒差の総合7番手には、これがWRC最上位クラスデビュー戦のカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続いている。
勝田貴元もSS1~2を走りきり、総合12番手。総合11番手でWRC2クラスを戦うオーレ・クリスチャン・ベイビー(ヒュンダイi20 R5)とは5.8秒差となっている。
2020年のWRC第1戦モンテカルロ、競技2日目となる24日はSS3~8までの6SSが行われる。
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