■湾岸線の「無料部」は横浜へつながるのか
首都高湾岸線は、羽田空港から先の横浜方面には、直接つながる一般道路がありません。
しかし、現在そこへ無料の一般道路部分が整備中です。どこまで進んだのでしょうか。
【画像】超便利!? これが「多摩川トンネル」ルートと工事状況です
首都高湾岸線は、千葉県市川市の高谷JCTから羽田空港、浮島JCT(東京湾アクアライン)、横浜ベイブリッジを経由して、横浜市金沢区までをむすぶ62.1kmの路線です。
東関東道からずっと側道「国道357号」が並行し、湾岸線に沿って無料で通行可能です。
その国道357号が途切れるのが、羽田空港です。多摩川を渡るのは首都高湾岸線だけで、無料で抜けられる道路はありません。なお、そこからしばらく無料の側道はつながっておらず、川崎市東扇島付近で国道357号が現れるもののすぐに途絶え、横浜市鶴見区の大黒ふ頭以降でやっと復活します。横浜ベイブリッジは有料道路と無料道路の2層構造です。
さて現在、まず多摩川を超える「羽田空港~浮島JCT」が事業化され、徐々に工事進行中です。「多摩川トンネル」として、首都高の西側にシールドトンネルを1本通して、浮島で国道409号につながる計画です。
多摩川を渡る一般道路は少なく、産業道路の「大師橋」、国道15号の「六郷橋」、国道1号の「多摩川大橋」くらいしかないので、それぞれが交通集中で大渋滞になっています。
そのため、湾岸線の側道を横浜市街までつなげることで、交通分散を図り、生活交通の混雑による不便を解消しようというわけです。
気になる工事進捗ですが、2020年に準備工事が開始。シールドを掘削開始地点へ置くための「立坑」の作業が進められています。川崎方面へ掘り進めはじめるのは、もう間もなくかもしれません。
いっぽう川崎側でも、国道409号へつなげるランプ部の予備設計が始まっています。
ちなみに浮島から先は、まだ着手に至っていません。国や地元自治体も「まずは多摩川トンネルを着実に完成させて…」という感じで、並行して扇島や大黒ふ頭まで事業着手してくれという強い要望はありません。
なお、扇島地区ではJFEスチールの旧敷地で再開発計画が進められ、新たな交通需要が高まっています。これにあわせて東扇島・扇島方面までの整備機運が高まっていくかもしれません。いっぽうすでに、川崎駅方面から東扇島へ直結するあらたな橋梁ルート「東扇島水江町線」が工事最盛期となっています。
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