車両価格や税金を抑えられるのがメリットだったはずの軽自動車。しかし、安全性能や商品魅力を引き上げるため、車両価格は上昇し続け、現在では、ナビゲーションなどのオプションをひと通り揃えてしまうと200万円を超えてくる車種もある。これでは、普通乗用車と変わらないどころか、クルマによっては軽乗用車のほうが高いくらいだ。
2016年に軽自動車税が増税となったことで、(それでもコンパクトカーより安いものの)さらに軽乗用車であることのメリットは小さくなってしまった。はたして、軽自動車はいまでも「経済的」といえるのだろうか。軽自動車とコンパクトカーの年間維持費を比較してみよう。
文:吉川賢一
写真:SUZUKI、TOYOTA、HONDA、DAIHATSU、NISSAN、写真AC
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ジムニーとジムニーシエラで比較!!
今回は、スズキのJB64ジムニーとJB74ジムニーシエラを題材に、年間にかかる維持費を比較し、考察をしてみようと思う。
外観的には、オーバーフェンダーの違いや、トレッドの違い(JB74のトレッドはJB64よりも130mmも広い)くらいしかないこの2台。シャシーも基本的には同じだが、ご存じの通り、エンジンは大きく違い、ジムニーは排気量660ccの3気筒ターボエンジン、ジムニーシエラは排気量1500ccの直4 NAエンジンだ。
2018年7月に発売した4代目ジムニー(JB64型)。世界でも類を見ない小型4WDオフローダーとして人気が高い
高速道路走行などをつかった長距離移動が多い方ならば、やはり、エンジンに余裕のあるジムニーシエラの方が走りやすい。半面、非力なエンジンをブン回し、狭い道や未舗装路のドライビングを楽しむ、という方にはコンパクトなジムニーがベターだ。
外観上の違いは、バンパーデザインと、オーバーフェンダー装着の有無程度だ。ワイドフェンダーによってオフロードシーンでの逞しさが増すジムニーシエラ(JB74型)
維持にかかる税金等は、それほど違いがない
自動車税については、ジムニーは年間1万800円、ジムニーシエラは年間3万4500円。また、新車購入時と車検取得時に、車検有効期間分を支払う自動車重量税は、ジムニー年額3300円、ジムニーシエラ1万2300円。自賠責保険についてはほぼ差はなく、ジムニー2万5070円(24ヶ月)、ジムニーシエラ2万5830円。
これらを計算すると、毎年3万3460円、ジムニーシエラの方が余計にかかることになる。ジムニーシエラはエコカー減税非対象車のため、この金額差になったが、エコカー減税対象車であれば、金額差はこの半分程度だ。
車検時の費用も比較しておこう。ディーラーや整備工場、ガソリンスタンド並列店舗によって、整備料や手数料が異なるが、車検取得費用などを含めた価格相場は、ジムニーが6万円程度、ジムニーシエラが8万円程度と、2万円程度シエラの方が高くなる。
軽自動車とコンパクトカーで、維持にかかる税金等は、それほど違いがない(PHOTO:写真AC_紺色らいおん)
燃料代はシエラの方が安いが、その差はごくわずか
ジムニーのカタログ燃費は13.2km/L(AT、WLTCモード燃費)、年間走行距離を1万kmとすれば、ガソリン代は年間9万4697円だ(ガソリン1リットル単価125円で算出)。一方のジムニーシエラの燃費は13.6km/L(AT、WLTCモード燃費)、同条件で計算すると年間9万1912円となり、シエラの方が2700円安くなる計算となる。
もちろん、燃費は使い方次第で大きく変わってくる。趣味性の高いジムニー/ジムニーシエラであればなおさらだ。たくさん燃料消費をすれば、この差は大きくなるが、それでも、燃料代でジムニーシエラに大きくアドバンテージがあるとはいえない。
ジムニーの魅力の一つが、オフロード性能の高さだ。コンパクトなボディと4WD性能の効果で、登坂性能が非常に高い。こうした遊び方をするシーンでは、ガソリンを大量に消費するが、ジムニーとジムニーシエラとの燃料代にそれほど差はつかない
「軽は経済的」という考え方は、時代遅れ?
ジムニーの車両価格は187万5500円(AT)、ジムニーシエラは205万7000円(同)。この2台では、18万1500円、ジムニーシエラの方が高いことになる。新車購入時の諸費用・税金もトータルで5万円ほど、ジムニーシエラのほうが多くかかる。
この購入時にかかる車両価格と諸費用の差を除けば、今回のジムニーとジムニーシエラでの年間維持費(自動車税、自動車重量税、燃料代)の差は3万7000円ほど。エコカー減税が適用できるコンパクトカーならば、軽乗用車との差は、さらに少なくなる可能性もある(エコカー減税対象車は一般的に、非対象車よりも車両価格が高いが…)。
圧倒的な金額差ではないが、今回の比較では「軽乗用車の方が経済的」という結論にはなった。約3万7000円もあれば遊びにも行けるし、ちょっと贅沢な食事もできる。金銭面でのメリットは大きい。
しかし、年間約3万7000円、という差は、12カ月で割れば月々3000円程度、ごくわずかともいえる。しかも乗用車の方が、ボディサイズの違いからくる横方向の広さ、車内の快適性、デザインの自由度、車重に見合ったエンジンパワーなど、できることは多い。
いま日本でもっとも売れている軽自動車のN-BOXは142万円~、カスタムは177万円~となる。フィットBASICは155万円~であり、その差はわずかだ
軽自動車ユーザーとしては、おそらく「経済的メリット」というよりも、サイズが小さく小回り性能に優れていること、また、規格によって大きさが決められていることから、サイズが変わらない安心感があること(駐車場を確保しやすい)、自動車メーカー各社が力を入れているので、商品力に優れていること、などを重視して軽自動車を選択している方が多いのではないだろうか。
もはや、「軽自動車は経済的」という考え方は、時代遅れなのかもしれない。
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みんなのコメント
ヤリス、フィット、マツダ2にスイフト、軽と比べれば素晴らしい性能と安全性を有するコンパクトカーが購入できるというのに、何だかなあって感じですね。
色んな部品がヘタって早いのは明確。