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8シリーズの本命はシリーズ唯一のFR+3ℓ直6ターボのグランクーペ?

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8シリーズの本命はシリーズ唯一のFR+3ℓ直6ターボのグランクーペ?

クーペの導入に始まって、コンバーチブル、そして最強のM8と、予定どおりバリエーションを増やしてきた8シリーズ。けれども、“本命”は別にあった。グランクーペだ。

8シリーズの流麗なフォルムとダイナミックな性能を妥協することなく引き継いだうえで、プラクティカルな4ドア4シーター(短時間ならもう+1も可能)としたモデルである。

「GTIとかGLiじゃなくて大衆車っていうのがいい。」──Vol.4 Boseさん (スチャダラパー)

パフォーマンス重視のラグジュアリィな高級4ドアクーペは、ピュアな2ドア(それゆえ格好だけで言えばやっぱりコッチの方がいいと思うのだけれど)よりも今や売れセンとなっていて、ライバルたちも多い。

美しく、利便性も高いノッチバックスタイル+4ドアという組み合わせのグランクーペ。クーペに比べると延長したホイールベースの影響もあり、車内空間はかなり広めとなる。www.daniel-kraus.comたとえば元祖というべきメルセデスベンツCLSクラスにはじまって、アウディA7やポルシェパナメーラはその代表モデルだろう。また、より高性能を狙う向きにはメルセデスAMG4ドアGTやアストンマーティン・ラピード、パナメーラの上級グレードも好敵手となりうる(たとえばグランクーペ版のM8)。

近年、このカテゴリーは特にアメリカやイギリス、ドイツ、日本といった“自動車先進国”マーケットと、そもそも4ドアへの期待が大きい中国市場において人気を博すようになったという。

最新モデルだけに車内装備もほぼ最新世代に。クラウド学習をするAIを活用し、音声認識などの装備も充実。8シリーズの車格に相応しい快適デバイスを多数搭載している。www.daniel-kraus.comシリーズ唯一となる2駆も魅力基本的なメカニズムは既に登場済みの8シリーズクーペ&コンバーチブルに準じたもの。ただし、クーペより205ミリもホイールベースを延長して後席を広げたほか、60ミリ背が高く、幅だって実は30ミリ広がった。トータルでみれば230ミリも全長が長くなっているから、実際、傍目にみてもかなり大型の4ドアクーペである。

後席のためとはいえ随分と気前よくメタボにしたね、と、エンジニアに突っ込んでみれば、確かにかなり大きくはしたけれども、8シリーズらしいダイナミックパフォーマンスは何ら犠牲になっていないという。

www.daniel-kraus.com本当かどうか。ポルトガルで開催された国際試乗会でそのことを確かめるべく、まずは最もベーシックなグレードである840iに乗り込んだ。340ps&500Nmの3リッター直6ターボエンジンをフロントミドに積んでいる。その他のグレードラインナップは840dとM850iでいずれもxドライブ(4WD)だから、8シリーズを二駆(FR)でドライブできる唯一のチャンスが840iというわけ。

はたして、アルガルヴェ地方のワインディングロードを駆ってみれば、エンジニアの自信は決して的外れなものではないことがわかった。

なにしろ、後の座席を視界に入れることなく、前を向いてドライブしている限りにおいて、良好なパワーフィールに恵まれたハンドリングの実に楽しい、つまりは8シリーズらしさに溢れた大型GTカーに終始した。

基本は5名乗りだが限りなく4名乗車に近い後席。全長5mオーバーらしく、レッグスペースは広めだが、後席のヘッドクリアランスは若干狭めとなっている。www.daniel-kraus.comそもそも2駆(FR)の8シリーズに試乗するのは初めてだったが、よくできたドライブ制御(4WD)のステアフィールと比べても、いっそう手応えもすっきりとしているという印象で、たいへん好ましい。前アシはドライバーの操作に応じて、まるで雑味のない、非常にクリアな動きをみせる。コーナーを曲がっていく際、望みの位置に前輪を正確に置ける感覚は3シリーズ以上のBMWに共通する“らしさ”だ。運転好きなら、一発で気に入ってしまう類の操縦感覚だと思う。

トランスミッションは全モデル8速のMステップトロニックを採用。マニュアル操作はセレクターレバーとステアリングのパドルスイッチで行う。www.daniel-kraus.comエンジンと車体が一体になっているすでに3シリーズや5シリーズでお馴染みのB58型ストレート6ターボは、大柄な8シリーズに積まれたことで、その力強さを思う存分に楽しみつつも、上までしっかり回してエンジンフィールの心地よさをじっくり味わえるようになった。ようやく、エンジンと車体のバランスが取れた(3や5ではオーバーパワーだった)と言っていいだろう。

大柄な車体に組み合わされたからといって、決して非力に感じてしまうわけではない。低速域でも十分なトルクを発してくれるし、きめ細やかにプログラミングされた8速スポーツATと反応のよいカーボンコアボディのおかげで、そのドライブフィールにはかったるさは微塵もなかった。

2種類のガソリンエンジンと1種類のディーゼルエンジンをラインナップ。ベースグレードの840iは最高出力340ps、最大トルク500Nmで、トップグレードのM850iは最高出力530ps、最大トルク76.5kgmとなる。www.daniel-kraus.comなにより素晴らしいと思ったのは、乗り心地の良さだ。M850ixドライブに比べても、随分とたおやかな乗り味で、肩の力が抜けている。バランスのいいパワートレインとともに、望めば超リラックスしたドライブを楽しむこともできた。もちろん、高速クルージング性能にも文句はない。

当初、グランクーペのガソリンエンジン+二駆(FR)の日本市場への導入は予定されていなかったらしい。けれども、ファロの国際試乗会に参加したジャーナリストが「これこそ8シリーズの本命だから入れた方がいい」と口を揃えて言うものだから、上陸するという。責任重大である。

ぜひ、試していただきたい。

日本での販売グレードは5種類。ベースグレードの840i(1152万円)と840iのMスポーツ(1298万円)が2駆モデルで、840d xDrive(1226万円)、840d xDrive Mスポーツ(1372万円)、M850iが4駆モデルとなる。www.daniel-kraus.com文・西川 淳 写真・BMWジャパン 編集・iconic

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