レーシングカーのサスペンションアームの構成にはウィッシュボーン(鳥の胸骨、叉骨を意味する)型サスペンションアームが使われている。前後ともに、このウィッシュボーンを上下に使ったダブルウィッシュボーン形式がレーシング・サスペンションの定番で、V型をしたアームを上下に使ってサスペンションを動かしているわけだ。
現在のF1カーのサスペンションはすべて、このダブルウィッシュボーン型だ。
【津川哲夫F1私的メカチェック】追い詰められてきた王者メルセデスを象徴するかのようなW10の“のど元エアロ”の変化
外観からもすぐ見えるフロントサスペンションはダブルウィッシュボーンの形状が解りやすいが、リヤサスペンションとなると複雑だ。まだアッパーアームは見えるのだが、ロワアームになると各チーム独特な処理が施され、見えずらいこともあるため実際のアーム形状を把握するのは極めて困難だ。
リヤサスペンションのロワアームは現在、すべてリヤのアクスルセンター高さに位置している。アクスルセンターにはギヤボックスからドライブシャフト(写真ブラウンのライン)が伸びていて、エンジンの回転トルクをタイヤに伝えているのだが、このドライブシャフトの高さにウィッシュボーンとトラックロッドが並んでいる。
力学上、リヤで発生する巨大なトルクを路面に伝える時や、巨大な減速トルク等で発生する大きな負荷に耐えるため、ウィッシュボーンの前後マウント位置はドライブシャフトを挟んで搭載することになる。
しかし、ロワウィッシュボーンのバックレグ(後方アーム)の車体側マウント位置をドライブシャフトの後方に置くには、同じ高さに平行して存在する太いドライブシャフトをまたがねばならない。
そこで登場したのがドライブスルー型バックレグだ。ロワウィッシュボーンのバックレグを鍵型に造り(写真のレッドライン)、そのクランク部にドライブシャフトを貫通させる形式だ。これはカーボンコンポジット製のアームだから出来る処理だと言える。
そして、このバックレグにリヤのトラックロッド(リヤホイールのトーを受け持つロッド/写真のブルーのライン)を併設し、フェアリングで覆っている。複雑で理解が難しいが、これが今のF1の現状で、これまでの自動車工学の常識はとっくに覆されていることがわかる。
この設計はもちろん、力学的見地からではなく、完全にエアロに対するデザインであることは言うまでもない。
この手のサスペンション設計が始まったのは、94年にアイルトン・セナを失ったウイリアムスFW16から。つまり、エアロのカリスマ、エイドリアン・ニューウェイがアッパーアームで始めたものだ。
そしてこの斬新なスタイルは、基礎工学とストレス解析をコンピューターが解析して始めて可能となったのは言うまでもない。近代F1に今や一般常識は通用しないのだ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?