使い勝手と運転性能が調和 乗り心地や操舵応答性も良好
今から約30年前にワゴンRが発売されていなかったら、現在のように国内自動車販売で軽自動車が主流になることはなかっただろう。そう思えるぐらい初代ワゴンRは画期的なクルマだった。六代目となる現行型も初代から培われた、使い勝手の良い広い室内空間と運転のしやすいパッケージングを備えたバランスの良い軽自動車に仕上がっている。
ハイト系ワゴンもスライドドアが便利で重宝。思わずスマイル!「スズキ・ワゴンR スマイル」【最新軽自動車 車種別解説】
エクステリア
スライドドアを備えるワゴンRスマイル に対して、こちら元祖ワゴンRは一般的なスイングドアを装備。フェイスデザインは合計3種類におよび、かなりバリエーション豊富だ。最小回転半径は4.4m。観スタイルは初代ワゴンRを彷彿とさせる縦長のヘッドライトを採用した「FA」(5速MTも選べる!) と「FX」、シャープな横長のヘッドライトを採用した「FZ」を設定。さらに闘牛を思わせるワイルドな顔つきと、スポーティな内装加飾のスティングレーも用意するなど選択肢は豊富だ。
インストルメントパネル
水平基調のインパネにセンターメーターを備え、最大8インチのナビゲーションが販売店オプションとして設定されている。「FA」を除いてフルオートエアコンを備えるなど、それなりに装備は充実しているが、やや古さは否めない。エンジンは自然吸気が主体だがスティングレーではターボも選べる。ボディがハイトワゴンでは最軽量で、「FA」以外はモーターアシストが付いたマイルドハイブリッドとなるため、自然吸気でも心地良い加速が味わえる。スティングレーのターボなら全域で力強さが増し、タイヤも15インチになるためハンドリングも幾分シャープにはなるが、ワゴンRなら自然吸気でも十分だ。
居住性
後席前席ワゴンRスマイルと比べれば「やや狭い」と表現すべきだが、後席の膝前が約330mm、頭上が約70mmと広さは必要十分。 後席シートは左右分割のリクライニングにも対応する。うれしい装備
後席シートは左右独立の前後スライド機構を装備。荷室の奥行きは最大約410mmまで拡大できる。運転席前方のスクリーンに速度などを表示するヘッドアップディスプレイをメーカーオプション設定。後席に傘を立てた状態で収納できるアンブレラホルダー。溜まった水滴は自然と車外に排出される。月間登録台数 6971台 ワゴンRスマイルを含む (21年8月~22年1月平均値)現行型発表 17年2月(一部仕様変更19年12月)WLTCモード燃費 25.2km/l※「ハイブリッドFX」「ハイブリッド FZ」「ハイブリッドX」のFF車
ラゲッジルーム
通常時後列格納時開口部が少し扁平な形状をしているところからもワゴンRスマイルとの高さの違いがわかる荷室。フロアの奥行きも広くはないが、後席をスライドさせたり、床下収納を活用したりすれば、日常的な用途には十分事足りるはずだ。乗り心地は全体的に良好だが荒れた路面では細かい凹凸を拾いがちだ。ハンドリングは軽快感があり応答性も良いのだが、山道ではもう少しフロントの粘りが欲しい。最近はスライドドアのスマイルが人気だが、運転のしやすさや軽快感を重視する人には本家のワゴンRをお薦めしたい。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。
http://motorfan-newmodel.com/integration/140/
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