クルマの車内にも最小限の備蓄を
2023年9月は関東大震災からちょうど100年。9月1日には各メディアで震災の備えについても大々的に報道され、災害に関する番組、記事が特集された。それをきっかけに、各自、各家庭の災害への備えや備蓄に関して思いを改めた人は多いと思う。
先日、この@DIMEで多ポケットベストの有用性などについて報告したばかりだが、じつは、クルマというプライベート空間も、災害時の備えのひとつになる。そう、車内に最小限の”備蓄”をしておくことである。
エアコンの効く車内では乗用収集やスマホの充電もできる
クルマは停電時でもラジオやテレビから情報収集をすることができるし、もちろん、エアコンも効く。災害時の命綱にもなりうるスマートフォンの充電だって可能なのである。
ハイブリッド、PHEV、BEV(電気自動車)なら、AC100V/1500Wコンセントによって車内外で湯沸かしポットや照明などの家電品を使うことも可能になるし、USB type-C PDが使えれば、ノートPCの充電もできる。
フルフラットアレンジで車内をマイルーム化できる
さらに言えば、シートのフルフラット化が可能な車種であれば、ラジオ、テレビ、USBソケット、エアコン完備のマイルーム、専用カーテン装着によるプライバシーが守られたベッドルームとして活用することができる。
ステップワゴンの車内 写真 雪岡直樹
が、災害は自宅にいるときだけに起こるものではない。クルマでドライブ中に災害に遭遇することもありうる。実際、2011年3月11日、14時46分ごろに発生した東日本大震災の際、筆者は某輸入車の試乗で東京・芝浦の路上で信号待ちをしていた。クルマの揺れはもちろん、信号機までが大きく揺れ、「これは大地震だ」と直感。すぐにハザードランプを点灯させ、安全な場所にクルマを止め、ラジオのスイッチを入れた。
地震が落ち着いた後、試乗基地のお台場のホテルにクルマを戻したのだが、ホテルの壁の一部が崩れ落ち、ホテルの滞在客が避難しているのを見て、改めて「大変なことが起こっている」と痛感したものだ。クルマが被災したわけではないが、もしドライブ中の被災で、クルマが走れない、使えないという最悪のケースもありうる。
走行中に被災したらキーを置いたままドアロックせずに避難
被災したのが都市部であろうと、お出掛け先、人気のない山間部などであろうと、しばらくは車内で状況を把握し、その後の対策を考えなければならない。それも昼、夜とも限らない。クルマから離れる必要がある場合は、クルマを安全かつ緊急自動車の通行の妨げにならない場所に止め、キーは付けたまま(置いたまま)ドアはロックせずに安全な場所に避難・・・という流れになる。
最小限の車内防災グッズ積載の勧め
そこで筆者が行っているのが、最小限の車内防災グッズの積載だ。コンパクトなリュックにミネラルウォーター、LEDライト、救急用品、タオル、ウェットティッシュ、ホイッスル、ノート&ペン、マジックペン、白のガムテープ(文字が書けるもの)などを入れておくとよい。ポイントは、それらをリュックの容量の2/3ぐらいに抑えておくこと。理由はクルマから離れる際、車内に積んである貴重品、車検証なども併せて詰め込みたいからだ(常に大きなバッグを携帯してドライブに出かけるわけではないだろう)。バッグが手提げタイプではなく、リュックなのは、背負うことで両手が使えるから。先日、この@DIMEでお伝えした多ポケットベストに避難用品を収め、積んでおくのもいい。
もし、車内に積んでおくリュックにどんなものを入れておくといいのか?で悩むなら、ボルボの純正アクセサリーとして販売されている車載にも対応した「防災セット」(29700円/税込み)の内容が参考になる。
ボルボの「防災セット」の内容とは
その中身は、夜の避難にも安全な「リフレクター付きリュック」、「不織布マスク8枚」、保温や防水性に優れた「簡易ブランケット1枚」、「軍手1組」、「簡易トイレ2回分」、「絆創膏1箱」、「マウスウォッシュ3回分」、「ホイッスル」、「カイロ1個」、「圧縮タオル」、「クッキー」、「クリアボトル」、「洗い流し不要シャンプー」、「ウェットティッシュ」、「厚手ウェットティッシュ」、クルマを離れる際にフロントウインドー内側に貼っておく「緊急連絡先用紙」、「ラジオライト」、「飲料水2本」、「畳めるヘルメット」、「防水ブルーシート」となる。前部にはちょっとしたポケットが付いているから、そこにも薄手のものを入れることもできる。
ボルボの「防災セット」ボルボのショールームで購入することが可能で、もちろんボルボ車以外のユーザーが使ってもOK。ほかに必要なアイテムがあれば追加すればよい。筆者はボルボユーザーではないが、オシャレなリュックの色使い、デザインが気に入って、クルマの荷室に常備している。避難アイテムをあちこちに分散して積んでおくより、慌てていても持ち出しやすいメリットは絶大だ。
愛犬家のクルマには愛犬用の避難アイテムも
また、愛犬を乗せてドライブする機会が多い愛犬家のクルマには、別途、愛犬用避難アイテムをひとまとめにしておくことも忘れずに・・・(画像は市販されているペット防災バッグ)。
文/青山尚暉
写真/青山尚暉 ボルボ
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みんなのコメント
北海道胆振東部地震でブラックアウトになった時、水道もガスも大丈夫だったけど、電気が無い。
お隣さんのプリウスから電気をいただいて、ボイラーを点火。シャワーを浴びる事が出来ました!!!
我が家で発電機を買おうか?!と検討しましたが、次に乗り換える車は…と思っています。
身近に、リアルに今を生きた阪神淡路大震災や東日本大震災では被災されたひとの声のほうが、タイムリーに活かせるよ?