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「歴代モデルで唯一ターボエンジンを搭載するロードスター」圧倒的な中間トルクで怒涛の加速!【ManiaxCars】

掲載 更新 6
「歴代モデルで唯一ターボエンジンを搭載するロードスター」圧倒的な中間トルクで怒涛の加速!【ManiaxCars】

モアパワーを求めた北米市場に対応。日本では350台のみの限定販売!

チューニング&カスタムが施されたオーナー車両2台を試す!

「顔面移植のセオリーを逆攻め!」ステージア顔のスカイラインだから・・・車名はステライン!?

NBロードスターのモデル末期、2004年2月に登場したのが、日本では限定350台が販売されたロードスターターボだ。

エンジンは1.8L直4のBP-ZE型にIHI製ターボチャージャーを追加したBP-ZET型。赤く結晶塗装されたカムカバーが特徴となる。この時、ベースとなったNB8Cのエンジンは可変バルタイ機構S-VTを採用したBP-VE型にすでに切り替わっていたが、ターボ化に伴う信頼性や耐久性を重視したのだろう、ロードスターターボのベースエンジンに選ばれたのは、世代としてはひとつ前になるBP-ZE型だった。

ロードスターは初代から一貫してレスポンスや軽快感を求めるのが伝統で、それはロードスターターボでも同じ。動力性能を向上させるという目的があったにせよ、カタログ上の数値を追うために過給機を付けたわけではなかった。

その証と言えるのが、当時のターボエンジンとしては高い9.5:1という圧縮比。パワー志向でいくなら低圧縮比、高ブースト圧となるけど、BP-ZET型は絶対的なパワーやトルクよりも、NA領域でのレスポンスや、そこから正圧域にかけてのシームレスな過渡特性を狙ったことが分かる。

それでも過給機の効果は大きく、ベースのBP-ZE型に対して27ps/4.7kgmアップとなる172ps/21.3kgmを発揮。速さに磨きがかかるのはもちろん、最大トルクの発生回転数はどちらも5000rpmだから、実用域での扱いやすさも向上してるのだ。それに合わせて、エンジン関係では熱価を上げたイリジウムプラグや大容量ラジエターを装備。向上したパワー&トルクを受け止める駆動系もクラッチ、6速MT、プロペラシャフト、ドライブシャフトと全面的に強化され、トルセンLSDが確実なトラクションを約束する。

また、面白いのがファイナル比。実用トルクが向上した分、普通はハイギヤード化を図るところ(その方が燃費の面でもプラスに作用する)、逆にベース車の3.900から4.100へとローギヤード化。資料によれば、「ギヤの耐久性を高めつつエンジンとのマッチングを最適化するため」とのことだ。

さらに、シャシー系ではエンジン&デフマウントの強化、ローダウンスプリングをセットしたビルシュタイン製ダンパーや17インチホイール&タイヤの採用など、各部にロードスターターボならではのメイキングが施される。

今回取材した2台はそれぞれ吸排気系や足回り、ブレーキに手を加え、ホイール&タイヤも15インチ化。

3000rpm以下の領域では、正直BP-VE型を載せる素のNB8Cの方がレスポンスは良い。だが、2500rpm以上のトルク感はロードスターターボの方が確実に一枚上手で、タービンの過給効果がハッキリと現れる3500rpm以上はもうBP-ZET型の圧勝。フラットなトルクを持続しながら、パワーピークを迎える6000rpm目がけてタコメーターの針が鋭く駆け上がっていく。どこまでも軽快な素のNB8Cに対して、ロードスターターボには豪快さがトッピングされている。

というより、「ロードスターターボってこんなに速かったっけ!?」というのが率直な感想。実はデビュー当時にも試乗しているのだが、そこまで強烈な印象が残っているわけではなかったから、今回なおさらそう思ったのかもしれない。少なくとも、タイヤ外径の縮小でローギヤード傾向を強めていることが関係してるのは間違いないと思う。

「ターボ付きはちょっとなぁ…」というコアなロードスター乗りの気持ちも分かる。けれど、過給機パワーでブッちぎるロードスターターボ、自分は嫌いじゃない。

取材車両の2台を見ていこう。まずは駆動系から足回り、ブレーキ、ボディに手を入れたサーキット仕様の1台だ。リヤスポイラーやリヤアンダースカートはロードスターターボの専用品。左フロントフェンダーにはオーナメントも付く。ホイールはエンケイRPF1 RSで前後8Jオフセット+28。15mmのスペーサーを介して装着される。タイヤは195/50R15サイズのディレッツァZIII。

ステアリングホイールはナルディスポーツタイプAのφ330。ワークスベルのステアリングボス、ラフィックス2を使うことで簡単に脱着できるようになり、乗降性も改善する。

運転席はナニワヤのフルバケットシートEZに交換。3インチ幅のBTMI製4点式ハーネスと併せて、ハードな走行時にもカラダをしっかりとサポートしてくれる。

また、シフトチェンジ時に肘が当たるという理由から、センターコンソールはジェットストリーム製ショートタイプに交換。

6スピーカーのうち2つが内蔵されるエアロボードを取り払って、安全性向上のためにサイトウロールケージ製4点式ロールバーを装着。シートの背後で左右を繋ぐバーには4点式シートベルト用のアンカーも設けられている。

バンパー開口部の奥にのぞく前置きインタークーラー。ECUセッティングやノックコントロール技術などもあるんだろうけど、吸気温度を抑えることでターボ車にしてはかなり高めの圧縮比9.5を実現している。

スモークタイプのヘッドライトべゼルはロードスターターボ専用品。これでフロントマスクがグッと引き締まる。ちなみに、NBロードスター乗りの間ではこのヘッドライトユニットを移植するのが定番だとか。

もう1台は依然オーナーが乗っていたというNB8Cからパーツを移植し、独自の存在感を放つエアロミックス仕様。リヤスポイラーはJACS製エクストレイル用を加工して装着。ロールバーはサイトウロールケージ製4点式となる。ガレージベリー製フェンダーに収まるのは、25mmスペーサーを介して装着された8Jオフセット+3のエンケイRPF1 RSに195/50R15サイズのディレッツァZIIIだ。

ドライビングポジション適正化のため、ステアリングホイールはナルディラリーφ340のディープコーンタイプに交換。それに合わせてシフトノブもナルディ製を装着する。

BP-ZET型の最高出力発生回転数は6000rpmで、1.8LNAのBP-VE型に対して1000rpm低い。そのため、レッドゾーンが始まるのもBP-VE型の7500rpmより1000rpm低い6500rpmとなる。

サポート性の向上とドライビングポジションの適正化を図るため、ブリッドのローマックス、ビオスIIIに交換された運転席。助手席はヘッドレスト一体型の純正ハイバックシートだ。

左右に大胆なアウトレットダクトを持つボンネットはトヨシマクラフト製。後端を浮かせることでエンジンルームのクーリング効果をさらに高める。

フロントバンパーとサイドステップはノガミプロジェクト製で統一。前端のスリット処理や、後方に向かって切れ上がるキャラクターラインなどがサイドビューの大きなアクセントになる。

マフラーはどのメーカーにもロードスターターボ用の設定がないため、柿本改ハイパーフルメガのNBロードスター用を加工流用。アンダー部をカットしたリヤバンパーに合うよう、テールエンドの角度を調整している。

■SPECIFICATIONS

車両型式:NB8C

全長×全幅×全高:3965×1680×1235mm

ホイールベース:2265mm

トレッド(F/R):—/—

車両重量:1120kg

エンジン型式:BP-ZET[RS]

エンジン形式:直4DOHC+ターボ

ボア×ストローク:φ83.0×85.0mm

排気量:1839cc 圧縮比:9.5:1

最高出力:172ps/6000rpm

最大トルク:21.3kgm/5500rpm

トランスミッション:6速MT

サスペンション形式:FRダブルウィッシュボーン

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤサイズ:FR205/40R

TEXT& PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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みんなのコメント

6件
  • ターボ…悪くは無いんですが
    既に幾つかの重要部品が廃盤になってるので
    オーナーになるには覚悟が必要ですね
  • はっきり言って後付けのターボの方が良いかも。
    ヘッドガスケットをメタルガスケットに交換した方が良い。
    インタークーラーはランエボの純正を流用して、フルコンで制御した方が良い!
    純正のターボは350台限定だから、走行距離が少ないと200万円ぐらいするから。
    インジェクターの容量が足りないから6500回転までしか回せないから!
    あとはディーラーでの修理が難しい!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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