アイサイト搭載車の追突事故発生率は、非搭載車に比べて84%減、また歩行者事故発生率は49%減(※)。この数字だけでも、アイサイトは事故の低減に大きく役立つことがわかりますが、交通死亡事故の約半数を占める歩行者(自転車乗車中も含む)保護への対応として、スバルは国産車初の歩行者保護エアバッグを新型インプレッサ/XVに採用しました。
※アイサイト(Ver.2)搭載車。公益財団法人・交通事故総合分析センター(ITARDA)のデータを基にスバルが独自算出
先日、スバル群馬製作所で行われたメディア向け見学会でその詳細を初めて見ることができました。実はフロント部で歩行者にとって最も危険な部位がフロントピラー周りで、そこをエアバッグでカバーすることにより、重篤な頭部損傷の可能性が劇的に低下するそうです。歩行者保護エアバッグの構造ですが、モジュールはバルクヘッドに搭載されており、バンパー内に配されたシリコンチューブの圧力変化で歩行者との衝突を判別、フロントフードとワイパーの狭い隙間から瞬時にエアバッグが開きます(動画1)。
壁や柱、小動物など歩行者以外にぶつかった際には誤作動することなく、またフード上のエアバッグ展開部に雪や泥などがついている状態でも、人にぶつかればしっかり開くということです。テストとしてショッピングカートとの衝突デモを披露してくれましたが、結果はその通りのものでした(動画2)。
また、JNCAP歴代最高点を獲得した新型XVを使用して、全幅の40%をアルミハニカムを取り付けた壁に衝突させるオフセット前突試験も公開しました(動画3)。64km/hで壁に衝突させることでフロント部は激しく損壊しますが、フロントドアのヒンジ付近に影響はなさそうで、ドアの開閉に支障はありませんでした。もちろんエアバッグも正常に作動してキャビンはしっかりと守られていました。
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)によって、安全性能のさらなる強化へ取り組むスバルですが、その見据える先は10年後だと言います。高強度材の採用拡大や、荷重伝達経路を多重化するフレームなどにより、2025年までに現行車比で車体強度を40%増しにするとのこと。アイサイトの進化も含め、この分野ではスバルの動向から目が離せない状況が続きそうです。
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