■現行モデルで明暗分けた? RAV4とCR-Vの違いとは?
トヨタとホンダのミドルサイズSUVにおいて決定的な違いが出てきた。両社の代表的なトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」の直近動向をみていきたい。
先代RAV4(4代目)は日本で売れないだろうということから販売しておらず、海外のみで売っていた。
この状況はホンダも似ており、CR-Vは先代モデル(4代目)を国内導入したものの、売れ行き不振のため途中で販売を止めてしまった。
先代モデルは、どちらも日本市場についちゃ失敗です。しかし、ともに5代目となる現行モデルを見ると圧倒的な差が付いてしまった。
2020年(1月から12月)の販売実績を見ると、RAV4は5万4848台を売ったのに対し、CR-Vときたら一桁違う5986台。
両モデルのメイン市場となるアメリカだと、RAV4の43万台に対しCR-Vが33万台で大差があるものの市場全体で見れば好勝負。トヨタはRAV4をベースに日本市場を意識した「ハリアー(北米名:ヴェンザ)」も作り絶好調です。
海外市場をメインにして開発したホンダ車の不振はCR-Vに限らない。中国市場向け車の「ジェイド」、アメリカ向けである「シビック」や「アコード」、「インサイト」など、すべて国内販売したものの大失敗となっている。
ジェイドやシビックなど、本来なら日本で作る予定は無かった。それなのに急遽日本生産にしたため、大きな負担を強いられることになったしまったそうな。
一方トヨタを見ると、海外市場向けに開発したモデルも日本で好調に売れている。
2021年3月1日に2021年のヨーロッパCOTY(カー・オブ・ザ・イヤー)が発表されたのだけれど、なんと受賞したのは「ヤリス」です。
日本車は過去に4回しか受賞していないということからわかる通り、ヤリス(ヤリスクロスも含む)というモデル、本来はヨーロッパ市場を強く意識しています。
さらに、これから日本発売するというSUVの「カローラクロス」は、2020年7月にタイでワールドプレミアされたのを見てもわかるように、少なくとも日本市場がメインということはないと思う。
けれど価格次第じゃ日本だって売れることだろう。1台のクルマを開発するコストは同じ。だったら世界中で売れるクルマ作りをしたほうがいいと思うのだが。
■トヨタとホンダで異なる“クルマの作り方”
トヨタとホンダの決定的な違いは何なのだろうか。自動車業界的に見ると非常に簡単だったりします。
トヨタの場合、RAV4でもヤリスでもカローラでも、開発責任者は世界中の市場を考えて開発する。
そして最終的な価格決定に至るまで、開発責任者に大きな権限が与えられます。価格もクルマの性能のひとつだと考えているワケ。
ホンダはどうか。CR-Vの開発担当者が世界中の市場を考えているところまで同じ。けれど、濃淡があります。
ホンダというメーカーは、研究所が強いと思われているようだけれど、最近はまったく違う。アメリカホンダから強いプレッシャーを掛けられると、イヤといえないのだった。逆に日本市場からのリクエストは、販売台数を考えたら通りにくいです。
RAV4を見ると、日本市場とアメリカ市場でニーズの違う部分は上手に作り分けている。
日本市場向けを作る際のコストアップ要因になるケースがあっても、RAV4全体の開発コストに含めるため、アメリカ仕様より高い販売価格にするようなことをしない。
アメリカ仕様より日本仕様のほうが高かったら、日本のお客さんにとって失礼という意識も強いです。
ホンダは八郷さんが社長になってから「日本向けに作った部分は日本で負担しろ」という流れが出来た。
アメリカ側からすれば「日本で売る分のコストは日本で負担しろ。アメリカで売るCR-Vのコストに上乗せすることは許さない」ということ。
結果的に日本仕様のCR-Vを見ると商品力が落ちるうえ、アメリカより高いというワケがわからない状態になる。
CR-Vは骨太で良いクルマながら、各部の仕上げは「アメリカン」で安っぽい。ナビだってイマドキにしては小さいのに、アメリカより60万円も高い値付けになってしまった。
アメリカじゃRAV4と同じ価格のクルマなのに、日本だと圧倒的に高い。売れなくて当然でしょう。海外向けに開発したホンダ車はすべてこの流れです。
業界の人なら売れないのは誰にだってわかること。なぜホンダがそんなことをやっているのか不思議でならないです。
ホンダは三部新社長になり、大きな方針転換をすると期待したい。
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