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「日本市場撤退間際に放たれた最後のオペルアストラ」ターボモデル販売台数は2年間でたったの53台!【ManiaxCars】

掲載 更新 11
「日本市場撤退間際に放たれた最後のオペルアストラ」ターボモデル販売台数は2年間でたったの53台!【ManiaxCars】

2.0ターボスポーツは激レアグレード。200psを6速MTのFFで受け止める!

VWゴルフをライバルとした5ドアハッチ、扱いやすさと速さを高い次元で両立。

「日本市場撤退間際に放たれた最後のオペルアストラ」ターボモデル販売台数は2年間でたったの53台!【ManiaxCars】

個人的な感覚で申し訳ないが、オペルというのは、なかなか掴み所がないメーカーだ。同じドイツのメルセデスやBMWほどプレミアム性があるわけではないし、アウディに肩を並べるかと言うとそうでもない。ではVW的? とも思ったけれど、車種ラインナップを見れば一目瞭然、メーカーの規模としては足元にも及ばない。

そんなオペルが日本市場から撤退する直前まで取り扱ってたのが、ここで取り上げるアストラ2.0ターボスポーツだ。アストラ自体は91年に初代が登場。4ドアセダン、ステーションワゴン、3/5ドアハッチバック、コンバーチブルが揃い、2代目からは2ドアクーペも追加されたオペルの主力モデルと言っていい。

それまで、今回取材した3代目アストラをちゃんと見たことがなかったから、実車を前にして「これ、どこのクルマ?」と思ったのは事実。始めからそういうものなのか、それとも交換したからそうなったのかは不明だが、稲妻マークを横倒しにしたようなオペルのエンブレムがフロントグリルに見当たらなかったので、車種不明感も相当なものだった。

全長4.2m強、全幅1.8m弱の5ドアハッチバックボディは絶対的にコンパクト…とまでは思わないが、デザインによる塊感があって引き締まって見えるのは確か。聞けば、VWゴルフがライバルだったそうな。

通称“エコテック”と呼ばれる2.0L直4ターボエンジンは、アイドリング回転+αの領域でもしっかりトルク感があって、まずゼロ発進が楽だ。

φ86.0×86.0mmというボアストロークはトヨタ3Sに日産SR20、ホンダK20、三菱4Bと国産2.0Lエンジンでもお馴染みだが、圧縮比が8.8:1と低く、ターボ付きなのに最高出力は200psと、カタログスペックを見る限りそれほど期待してはいなかった。「2.0L直4で200psなら、3S-GEのVVT-i仕様がNAでも出してるし」みたいな。

ところが、どこからブーストがかかってるのか気付かないくらい下から効くターボによって低回転域からトルクが立ち上がり、アクセルペダルを踏む右足の動きに直結してクルマがグイッと前に出る。このレスポンスの良さと力強い加速感は、全く想定していないものだった。

しかも、ミッションは6速MT。正直、このエンジン特性ならATの方がマッチングが良いとも思ったが、自分の意志とタイミングで好きなギヤを選んで走れる楽しさは他に代えられないわけで。各ギヤで上まで引っぱれば文句の付けようがないくらい速いし、逆に多少シフトチェンジをサボったとしても、そこはトルクの厚いエンジンがなんとかしてくれる。

グリップが太く握りやすいステアリングホイールがスポーティ。スポーク部にはハンズフリー電話やマルチインフォメーションディスプレイの操作スイッチが付く。

メーターパネルには260km/hフルスケールのスピードメーターと、8000rpmフルスケールのタコメーターが並び、その間に燃料計が配置される。ダッシュボード右端にはHKS製ブースト計も装着。

センターコンソール最上段に備わる液晶パネルを使ったマルチインフォメーションディスプレイ。時計や外気温の他、エアコンの作動状態を表示したり、ストップウォッチとして使うこともできる。

センターコンソールに設けられた“SPORT”スイッチを押すとスロットルレスポンスが向上し、ステアリング操舵力も重くなるなど、スポーツ走行に適したものになる。ON/OFFでフィーリングが大きく変わるから面白い。

エンジンの性能を引き出す6速MT。シフトフィール自体はとくにカッチリしてるわけでなく、一般的なFF車とそう大きく変わらないけど、前後&左右方向ともにストロークは短め。リズミカルに小気味よくシフトチェンジが決まる。

センター部が盛り上がり、前後方向にキャラクターラインが走る室内。ダッシュボード上部やサイドブレーキレバーのグリップ部にそれが確認できる。また、リヤゲートなど外装にも同じデザイン的な処理が見られる。

サポート性に優れ、身体をしっかりホールドしてくれる前席。ダイヤル操作による無段階リクライニングやシートリフターなど、キメ細かくドライビングポジションを調整できる。

後席は3名分の3点式シートベルトが備わり、背もたれは40:20:40の分割可倒式。

奥行き、幅、深さともに十分で、大きな開口部によって荷物の積み降ろしもしやすそうなラゲッジスペース。分割可倒式の後席と併せ、乗車人数や荷物の量に応じてアレンジできる。

さらに、剛性感抜群のボディや路面状況に左右されにくい安定したハンドリングなども兼ね備えるなど、走りに関してアストラ2.0ターボスポーツは高い完成度を誇るドイツ車だった。少し甘く見ていたことを謝ります!

■SPECIFICATIONS
車両型式:AH 04Z20
全長×全幅×全高:4255×1760×1470mm
ホイールベース:2615mm
トレッド(F/R):1475/1465mm
車両重量:1320kg
エンジン型式:Z20
エンジン形式:直4DOHC+ターボ
ボア×ストローク:φ86.0×86.0mm
排気量:1998cc 圧縮比:8.8:1
最高出力:200ps/5400rpm
最大トルク:26.7kgm/4200rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ:FR215/45R17

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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みんなのコメント

11件
  • ジェレミーから税務署員のズボンみたいなデザインって言われそう。
  • 来年復活するんですよね。今はGMからPSAのグループになったんですね。
    オペルは、ヴィータみたいな一発屋もありましたが、当時のベンツVW一本槍みたいな日本のクルマメディアに潰された感もありました
    今ではゴルフなんかもそうですが、本国より安い価格の車種もあって良心的だな、と思ってました。
    コルサはやはりトヨタの関係でヴィータとして売るのかな
    一番小さいアダムは、4ドアしか売れない日本ではダメかもしれませんが、良いなあ
    売れ筋はカングーみたいなコンボになるのかな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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