1月1日、大晦日に開幕した第45回ダカールラリー2023のステージ1がサウジアラビア西部のヤンブー近郊で行われ、アウディRS Q e-tron E2をドライブするカルロス・サインツ(チーム・アウディスポーツ)が自身42度目となるステージウインを飾り総合首位に立った。
前日12月31日の“プロローグ”で幕を開けたW2RC世界ラリーレイド選手権第1戦ダカールラリーは、元日もヤンブーの近くに設けられたシーキャンプのビバークを起点とするループステージが行われた。全14本のステージのオープニングとなったステージ1の全長は601km、このうち競技区間は368kmとなっている。
ダカールラリー2023開幕。アウディのエクストロームがプロローグ最速、1秒差でローブが続く
マティアス・エクストローム(チーム・アウディスポーツ)のドライブでプロローグ最速車となったアウディRS Q e-tron E2はこの日も好調で、ダカール通算3勝の“レジェンド”で60歳のサインツが、ステージ序盤にパンクに見舞われながらもオープニングステージを制し総合首位となった。僚友のエクストロームも3番手タイムを記録したが、ウェイポイントを通過していなかったことから15分のタイムペナルティを受け総合13番手に順位を落としている。
首位サインツから10秒遅れの総合2番手につけたのは、前日のプロローグでも2番手タイムを記録したセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)だ。エクストロームの降格によって空いた3番手には、GRダカールハイラックスT1+を駆るヤジード・アル・ラジ(オーバードライブ・レーシング)が入り、首位とのギャップは2分1秒となっている。
アル・ラジの背後、2秒後方にゲラン・シシェリ(GCKモータースポーツ)がつけた一方、その後方はやや間隔が空きオーランド・テラノバ(バーレーン・レイド・エクストリーム)が首位から7分以上遅れて総合5番手に。続いて前回大会の覇者ナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)が総合6番手に続いている。
■2022年大会ウイナーがステージ1で戦線離脱
二輪部門ではディフェンディングチャンピオンのサム・サンダーランド(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング)が転倒しリタイアに。連覇を目指していたイギリス人ライダーは37km地点をトップタイムで通過したが、さらに15km進んだ52km地点でクラッシュ。事故後は意識があり身体も動かせたが、背中の痛みを訴えていたためヤンブーの病院に搬送され肩甲骨の骨折と診断された。
そんな波乱が起きるなか部門トップに立ったのは、ホンダCRF 450ラリーに跨るリッキー・ブラベック(モンスターエナジー・ホンダ・チーム)だった。2番手と3番手にはケビン・ベナビデス、トビー・プライスのレッドブル・KTMファクトリー・レーシング勢が続き、タイム差はそれぞれ19秒、39秒となっている。
四輪市販車部門10連覇を狙うチームランドクルーザー(TLC)は2台の新型ランドクルーザー・GRスポーツがダカールデビューを飾り、ロナルド・バソが総合135番手/クラス首位となった。一方、三浦昂は306km地点で転倒。チームメイトや後続のトラックによる救援を受けるも競技復帰までに大幅なタイムロスを強いられた結果、総合150番手/クラス3番手でステージ1を終えることとなった。幸い三浦とローラン・リシトロイシターの両名に怪我はないという。
燃料系トラブルによってプロローグで後れを取った日野チーム・スガワラの菅原照仁は、日野600ハイブリッドに対策を講じて競技初日のステージへ。この日はサスペンションのセッティング変更も奏功し快調な走行が続き、後方37番手スタートからトラック部門総合15番手まで順位を上げることに成功している。
ステージ2が行われる2日(月)は、シーキャンプから東に進路をとりアル・ウラーに移動する。1日の走行距離は約589km、深い渓谷や砂丘などが待ち受ける競技区間の全長は430kmだ。
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