アメリカではウケるが日本で成功しないクルマはSUVに多い
『ドル箱』という言葉、自動車業界ではアメリカを指す。アメリカでクルマを売るのは儲かる、という意味である。
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世界最大の自動車市場は現在、中国である。国際自動車工業連合会の調べでは、2018年の販売総数は2808万台。次いで、アメリカが1770万台だった。ただし、アメリカはSUVなど中型以上の乗用車の販売台数が多く、メーカーとしてもディーラーとしても、中国に比べて収益性が高い市場である。だから、ドル箱なのだ。
こうした世界市場の2トップで売れるクルマを、日本の自動車メーカーは最優先で企画して製造するのは当たり前のことだ。そうしたなかから、世界第三位の市場である日本市場に『あてがう』クルマが現れることになる。
そうなれば当然、アメリカではウケるが、日本ではウケないクルマが出てきてしまうことになる。その代表例が、SUVで多く見受けられる。
トヨタRAV4の撤退とホンダCR-Vの不振
まずは、トヨタRAV4だ。トヨタとして10年ぶりに、日本でのCOTY(カー・オブ・ザ・イヤー)を獲得して販売絶好調の最新モデルだが、ここに至るまでの道のりは長かった。
初代RAV4は、CMキャラクターにキムタクを起用し、都会派の小型SUVとして人気を博した。だが、アメリカからは「サイズが小さ過ぎる」という声が多く、第二世代から段階的にボディサイズはアメリカン人好みに大柄化した。その結果、2016年にはアメリカを含めた世界市場で最多販売台数SUVになりながら、日本では販売を終えると事態に及んだ。
そうした反省をもとに、アウトドアがファッションなどカルチャーっぽく人気が出てきた日本市場も十分意識した、オフローダーイメージに刷新したことで、RAV4としての新たなる道を切り開いた。
一方、ホンダCR-Vは日本市場でのミスマッチが続いている。クロスオーバー系SUVでも、オフロード系SUVでもない、アメリカ人好みの大柄CR-Vは日本人ウケしない。ヴェゼルとの差別化もなんとなく中途半端な状態だ。
RAV4の戦略変更を見たホンダとしては当然、メインマーケットのアメリカに軸足を置きながら、日本市場での新規展開を狙う次期CR-Vの開発を進めているはずだ。理想的には、北米CR-Vと日本CR-Vは別モノにすることもあるかもしれない。だが、2019年春にホンダ上層部が正式に表明しているように、仕向け別の専用モデルは廃止または基準モデルに統合されていく。そのため、やはり次期CR-VはRAV4のようにオフロード系SUVに転じる可能性が高いのではないだろうか。
自動車メーカー各社は、中国、アメリカ、そして日本という世界三大市場のなかで、最良の採算性を追い求めるという、難題を抱え続けることになる。
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みんなのコメント
そもそもお前らが絶賛するクルマほど
むしろ信用できねーよ。