アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ
リチャード・レーン(Richard Lane)
【画像】英編集部の「1番好き」 エリーゼのレストモッド 電動・最強のGクラス HVのアルトゥーラ 全107枚
実際にステアリングホイールを握るまで、アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツには懐疑的だった。ベースとなったロータス・エリーゼ S1は、多少の慣れは必要ながら、そもそも高次元なミドシップ・スポーツカーだから。
それをベースに、同社は10万ポンド(約1950万円)ものコストを投じ、レストモッドしている。過剰に手が加えられたのではないかと、勘違いしていたからだ。ところが、筆者の読みは完全に間違っていた。
オリジナルのエリーゼ S1は、良好な状態なら公道で格別の体験を与えてくれる。それを超えたとはいえないだろう。だが、近所へサーキットがある環境なら、スーパースポーツで最高の時間を過ごせるはず。
驚くほどダイレクトで生々しいが、全開で周回を重ねても疲労感は最小限。チューニングされたローバーのKシリーズ・ユニットは、7250rpmで213psを絞り出す。アナログ・オートモーティブの仕事は、高く評価できる。
スペックシート上では、その魅力を理解しにくい。しかし実際に走らせてみれば、脳裏に刻まれる経験となる。
メルセデス・ベンツ G 580 EQテクノロジー
マレー・スカリオン(Murray Scullion)
メルセデス・ベンツのGクラスが電動になることを、悲観的に捉える読者もいらっしゃるだろう。それでもG 580 EQテクノロジーは、そもそも向かうところ敵なしといえたオフローダーの、史上最強バージョンといっていい。
最高出力は587ps、最大トルクは118.5kg-m。この動力性能は、V8ツインターボエンジンを積む、AMG G 63と殆ど変わらない。
車重は約3tで、電費は3.2km/kWhを超えれば良い程度。合理的な存在とは表現しにくいが、運転してみれば抜群に面白い。オフロードでの走破性は、G 63を凌駕。戦車のように、その場でくるりと360度ターンを披露することもできる。
きついヘアピンでは、内側のタイヤへブレーキをかけることで、ラリーマシンのハンドブレーキ・ターンさながらな方向転換も可能。深夜のショッピングセンターの駐車場で、こっそり試したくなる気持ちも理解できる。
BMW i5 M60ツーリング
ウィル・リメル(Will Rimell)
2024年の1番好きなクルマが、車重2.5tの電動ワゴンになるとは、年始には想像していなかった。しかし、BMW i5 M60ツーリングは自分へ鮮烈な印象を残した。バッテリーEVへ懐疑的なBMWファンの気持ちを、変えられる力があるように思う。
航続距離は、現実的に450kmを超える。グレートブリテン島を、東から西へ横断するのにも充分。一般道での走りは好印象で、操縦性も素晴らしい。直列6気筒エンジンのモデルと遜色ない安心感や安定性で、大パワーを活かした豪快な加速も披露してくれる。
車内は広く、家族5名での移動は余裕。長距離旅行の荷物も、問題なく積める。M60ツーリングの英国価格は、約11万1000ポンド(2165万円)とお高いが、それを納得させる高級感も与えられている。
マクラーレン・アルトゥーラ
マット・ソーンダース(Matt Saunders)
間もなくお伝えする、2024年の英国ドライバーズカー選手権(BBDC)にも、優勝候補としてノミネートしているが、マクラーレン・アルトゥーラは筆者を完全に魅了した。しなやかで直感的。豊かなフィーリングを伝えつつ、終始安定している。
ミドシップでパワフルで、サーキットを高速に周回できるだけではない。極めて乗りやすく、公道での落ち着きも抜群。出色のマナーを生み出した、マクラーレンの技術者へ賛辞を送りたい。
当初予定されていた2022年から発売は大幅に遅れたが、同社は強い信念と忍耐を持って高次元に完成させた。過去に試乗したプロトタイプから、インタークーラーは再設計されている。それ以外の技術的な課題も、1つひとつ克服されたようだ。
すべてが解決済みだと信じたい。マクラーレン最高の量産車だと感じているから。
MGサイバースター
クリス・カルマー(Kris Culmer)
近年までのMGを、少し残念に見ていたのは筆者だけではないだろう。他メーカーを真似たような、安っぽいモデルばかりラインナップされてきたから。
親会社のSAICモーターは、MGのブランド哲学に惹かれたわけではないようだった。欧州市場で認知度の高いブランド名を、欲していただけのように感じていた。スポーツカーを生み出すことなく、約10年が過ぎたのだから。
また、従来のクルマ好きの気持ちを一瞬で奪い取るような体験を、バッテリーEVは当面提供できないだろうとも考えていた。しかしMGサイバースターは、そんな考えを吹き飛ばすのに充分だった。
スコットランドで試乗した電動のロードスターは、運転が本当に楽しく思えた。豪快にノイズを撒き散らすメルセデスAMG CLEと同じくらい、夢中になれたといっていい。マニュアルの、マツダMX-5(ロードスター)を超えてはいないけれど。
このベビー・スーパーカーが、MGへ追加されたことが非常にうれしい。それを実現させた、SAICモーターの心象も大きく改められた。
この続きは、英編集部の2024年に「1番好き」な1台!(3)にて。
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みんなのコメント
運転したら重さを感じないんでしょうけど、エコじゃない気がしてしまいますね。
初めて運転させてもらった英車
エラン、エスプリ、パワー系アストン等のヒストリックカーの
衝撃は、もう感じる事は出来ない時代なのかなぁ~