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トヨタ育成2期生の山本雄紀と小暮ひかるがWRCフィンランドに挑戦。第2のホームながらもリタイアに

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トヨタ育成2期生の山本雄紀と小暮ひかるがWRCフィンランドに挑戦。第2のホームながらもリタイアに

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である小暮ひかると山本雄紀が、8月1~4日にフィンランドのユバスキュラを中心に開催されたWRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』のWRC2クラスにトヨタGRヤリス・ラリー2で参戦。フィンランドに活動拠点を置く彼らにとって第2の“ホームイベント”だったが、小暮はアクシデント、山本はメカニカルトラブルによるリタイアという結果となった。

 フィンランド中央スオミ県の都市ユバスキュラを中心に開催されるラリー・フィンランドは、WRC全戦でもっとも平均速度が高いラリーとして知られており、森林地帯に設けられたグラベル(未舗装路)ステージは非常にハイスピードで、緩やかな超高速コーナーが続くコースとなっているのが特徴だ。

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 TGR WRCチャレンジプログラムの2期生としてフィンランドに移り住み、経験を積んできた小暮と山本にとっては日本に次ぐ第2のホームイベントともいえるイベントだが、四輪駆動のラリー2で出場するのは今回が初めて。彼らがエントリーしたWRC2クラスに関しては、同クラスの常連に加えてフィンランド国内選手権に出場している経験豊かなドライバー、TGR-WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラも出場するなど多数のラリー2マシンが参戦し、非常にハイレベルかつ激しい戦いが繰り広げられることとなった。

 さらに通常、路面がドライコンディションであれば、フィンランドの硬く締まったグラベルではスムースかつ正確なドライビングが求められるが、今大会は断続的に雨が降り続いたため、路面コンディションが変わりやすく、グリップレベルを把握することが非常に難しいなかでの走行となった。

■「ポジティブな面も多くあった」とヒルボネンがふたりを評価

 金曜日の朝から始まった森林地帯での本格的なステージは、雨の影響でグリップが安定せず難易度の高いコンディションとなったが、小暮と山本は確実性の高い走りで午前中のループを乗り切った。ところが、引き続き濡れた路面での戦いとなった午後のループで、小暮はミスを犯し『サーリカス』のステージ(SS7)でコースオフ。無念のリタイアを喫することとなった。

 一方の山本は好タイムを何本か記録しながら金曜日を走り切り、土曜日に駒を進めることに成功。土曜ステージには久々に復活したラリー・フィンランドを代表する超高速ステージ『オウニンポウヤ』も含まれ、山本はWRC屈指の難関ステージを初めて走行した。午前中のループを走り終え、午後の再走ステージでさらなるペースアップを予定していた山本だったが、日中のミッドデイサービスで深刻なメカニカルトラブルが発覚する。そのため残念ながら午後のステージを走行することなく、ラリーからリタイアすることとなっている。

 WRCチャレンジプログラムのチーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは次のようにふたりのラリーを振り返った。

「(小暮)ひかると(山本)雄紀は、彼らにとってはホームイベントのように思えるラリー・フィンランドに出場することに興奮していたんだ。彼らはステージについてはすでに知っていたが、路面のコンディションに関しては知らなかったし、非常に難しいチャレンジになった。それでもポジティブな面も多くあったんだ」

「今回の主な目標は、路面のコンディションがより安定しているときにWRC2トップドライバーたちとの差を縮めることだったが、彼らはその目標を達成した。残念ながら雄紀のリタイアを防ぐことはできなかったが、難しいコンディションのなか、彼は賢明な走りを見せてくれた」

「一方、ひかるは金曜日の午前中は調子が良く、午後も同じペースで走り続ける予定だった。しかし小さなミスを犯し、彼は何とか対処しようとしたんだが、残念ながらクルマが横転してしまった。ラリーではしばしば厳しい状況に直面することもある」

「エストニアを怪我で欠場したことも含めて、ひかるは今そのような局面に置かれているが、きっと立ち直ることができるはずだ」

■「来年はさらにプッシュできる」「コーナーの進入がわずかに遅れて」/ドライバーコメント全文

●小暮ひかる(GRヤリス・ラリー2/リタイア)

「ユバスキュラにはもう2年近く住んでいるので、今ではホームラリーのような感覚ですし、すべてが馴染み深いものに感じられます。サルディニアでのアクシデント後、数カ月運転をしていなかったので、初日は忍耐強く走り、良いリズムを見つけようと思っていました」

「午前中は天候が変わりやすく、完全にドライのところもあれば、車内からほとんど何も見えないくらい雨が激しく降っているところもあったので、慎重に走りました。それでも、金曜日の朝のループでは一度も危ない場面はなく、スピードも安定していました」

「サーリカスのステージはそれまで走る機会がなかったので、他のステージよりも慎重に走りました。それにも関わらず、ぬかるんだ路面のコーナーでミスをしてしまいました。コーナーに進入するのがわずかに遅れてクリーンなラインを通ることができず、コースを外れて横転してしまったのです。サルディニアでの負傷から回復した直後だったので、小さなインパクトではありましたが、翌日再出走することは叶いませんでした」

●山本雄紀(GRヤリス・ラリー2/リタイア)

「今年のラリー・フィンランドは、序盤から昨年よりもスピードが速く感じられました。きっと、オウニンポウヤがアイテナリーに組み込まれたからだと思います。フィンランドの道は今ではかなり慣れてきましたが、今回はラリー2車両の出場台数が多かったので、きっと大きなチャレンジになるだろうと覚悟していました」

「とにかく自分のペースを築き、エストニアよりも良いリズムを見つけることに集中しました。金曜日は天候が変わりやすく、午後はパンクもしたので大変でしたが、それ以外は本当に順調でした。先月のエストニアと比較しても、自分のペースが向上していることを感じました」

「オウニンポウヤのステージは本当に素晴らしく、コーナーを5速ギヤでジャンプしながら駆け抜けるためには、通るラインを正確に覚えておく必要がありました。それでもフィーリングは素晴らしく、本当に楽しめましたし、来年はさらにプッシュできると確信しました」

 ふたりの次戦は9月13日金曜から14日土曜にかけて、イタリアで開催される『ラリー・ミッレ・ミリア』だ。イタリア北部のブレシアを中心にアルプスの麓を走行するこのイベントは、道幅が狭くツイスティなコーナーが続くターマック(舗装路)ラリー。テクニカルなステージが多くを占めるが、ワイドで緩やかなコーナーが連続するセクションも点在する。

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