■「アルテオン」のMCモデルは、運転支援システムが魅力
フォルクスワーゲンのグランドツーリングカー、「アルテオン」がマイナーチェンジを受けて発売された。
【画像】カッコいい! VW改良新型「アルテオン」「アルテオン・シューティングブレーク」を画像でチェック(38枚)
2017年にデビューしたアルテオンは、車格でいうとDセグメント、ざっくりいえば中型セダン、というよりもファストバックといっていいものだが、かっちりとしたセダンである「パサート」と比較して、たとえばBMWでいうところの「3シリーズ」に対する「4シリーズグランクーペ」、アウディでは「A4」に対する「A5」のような、スタイリッシュさを合わせ持つ4ドア車となっている。
●外装での変更点とは
ではこの新型アルテオンは、どこが変化したのか。基本となるMQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)には変わりがないため、ボディサイズ的に変わったのは、全長が4865mmから4870mmとなり、全高が1435mmから1445mmとなったことのみ。1875mmの全幅と、2835mmのホイールベースには変化がない。
エクステリアデザインは前後の意匠が変更された。フロントはバンパーデザインの変更から、カタマリ感が強くなり、LED光ファイバーケーブルが装備されたラジエーターグリルからサイドにかけて、キャラクターラインがつながっていることで、より洗練されたイメージとなった。
リアはアンダーカットが設けられたことで、全高を視覚的に低く見せている。全体としてスポーティな印象が強くなったといっていいだろう。さらにいうと、ナイトラン時には、LEDヘッドライトと光るラジエーターグリルによって、ひと目でアルテオンであることがわかるデザインとなっていて、アピール度の高さという部分も大きなポイントだ。
●インテリアでの変更点とは
インテリアは、より高級感が高まっている。ダッシュパネル最上部とドアトリムをレザレットでカバーし、ステッチ装飾も入れられている。ダッシュパネル2層目は、エレガンスグレードではウッド、R-Lineグレードはアルミパネルを採用。また、全車標準装備のアンビエンスライトは、最大30色のカラー選択が可能だ。エアコンのディスプレイはデジタル化されて、新しいデザインへと進化。シートヒーターやデフロスターなど、空調関係の設定は、センタコンソールのタッチパネルを利用して操作するようになっている。
さらに、ステアリングには、デジタルタッチパネルを装備。スポーク部に静電容量式のセンサーが装備されることで、たとえば運転支援システム「トラベルアシスト」を作動させたとき、ドライバーが軽く手で握るだけで検知できるようになった。そのため、トラベルアシストの快適性が大幅に高まっている。
その運転支援システム「トラベルアシスト」は、全車標準装備となった。インフォテインメントシステムは、オンラインサービスの「We Connect」を利用することで、さまざまな情報が入手できるほか、スマホ専用アプリを利用すると、駐車位置の確認や窓の閉め忘れなどといった車両情報をいつでも確認できるようになっている。
ナビゲーション付き9.2インチディスプレイの「ディスカバリープロ」は、センターコンソールのエアコン操作パネルの上部に装備。フルデジタルメーター「デジタル・コックピット・プロ」は、10.25インチとなり、ステアリングに装備されたボタンで、3つの基本レイアウトを切り替えることが可能だ。
オーディオ面では、ハーマンカードンの11スピーカーサウンドシステムがオプション設定されている。出力700W、16チャンネル・イーサネットアンプが、センターコンソールに装備されるスピーカーと、トランクに装備されるサブウーファーを含むスピーカーを駆動するこのシステムは、アルテオン専用にセッティングされたものだ。
パワートレインは2.0LTSIエンジンを搭載。最高出力は200kW(272ps)、最大トルク350Nmというパワーを伝えるトランスミッションは、7速の湿式DSG。駆動方式は4MOTION、つまりフルタイム4WDである。
価格はもっともベーシックなグレードの「R-Line」が567万9000円、装備が充実した「R-Lineアドバンス」は624万6000円、高級グレードの「Elegance」は624万7000円となっている。
■シューティングブレークが欲しければ、迷わず新型しかない
そんなアルテオンのマイナーチェンジだが、最大のトピックは、「シューティングブレーク」が追加発売となったことだ。ワゴンの機能性とスポーツカーのようなイメージを合わせ持つこのシューティングブレークは、ボディサイズはファストバックと同じだが、ラゲッジスペースの容量が増大されている。ラゲッジスペースの容量は、ファストバックが563-1557Lなのに対して、シューティングブレークは565-1632Lとなっている。たとえばキャンプや釣りにいくときの足として考えるのなら、シューティングブレークがおすすめだ。
●MC前をユーズドで購入するという選択
さて、そんな新型アルテオンだが、はたしてこのクルマは買いなのだろうか。というのも、同じグランドツーリングで考えた場合、今回のマイナーチェンジを受ける前の、前期型アルテオンをユーズドで購入するのも賢い選択ではないだろうか。
もちろん、最新の運転支援システムや、インフォテインメントシステムの恩恵を受けたいのなら、新型アルテオンを買ったほうがいい。いまは自動運転に向けての過渡期で、新型車の運転支援システムやインフォテインメントシステムは、日進月歩で進化を続けている。その点を重視するのなら、旧型と迷う必要なく、新型を買ったほうがいい。
さらにいうと、荷物を多く積めるシューティングブレークの便利さを味わいたいのなら、新型アルテオン・シューティングブレークを買うという選択しかない。外から積載物が見えないという、独立したトランクルームの優位さもわかるが、高さのある荷物を倒さずに積めるというのは、アウトドア活動を楽しみたい人にとっては、大いなる優位性だ。
しかし、ファストバックボディのアルテオンに乗りたいという場合には、旧型になってしまったとはいえ、マイナーチェンジ前のモデルを買うというのもありだ。他のクルマと比べた場合、運転支援システムやインフォテインメントシステムが明らかに劣っているというわけではなく、現役として十分に使えるレベルにある。
それでいて、アルテオンの中古車価格は、現在ベーシックグレードのRラインで、諸費用込み400万円から。エレガンスも500万円くらいと、かなりお買い得となっている。新型の価格と比べた場合でも、100万から150万円ほど安く買うことができるのだ。
この差を、どのようにとらえるのかが問題で、もともと粗雑に使うオーナーが少ないクルマだけに、中古車といっても、ボディが小傷だらけだったり、インテリアが汚れているといったような、極端に程度が悪い個体は少ない。
また、そもそもアルテオンは、「ゴルフ」のようによく見かけるというクルマではないので、旧型になったからといって引け目を感じるということもないはず。新型を買ったつもりでマイナーチェンジ前モデルを買い、浮いた予算を別に回せば、いろいろ幸せかもしれない。
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みんなのコメント
くるまのニュースさんこれ5ドアだよ