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結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)

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結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)

2024年のベスト・コスパなバッテリーEVは?

ゼロエミッション化は避けられない。反面、最近の欧州ではバッテリーEVの販売が鈍化気味。市場へのお手頃な実用モデルの投入が、今後数年間における自動車メーカーの使命になりそうだ。

【画像】2024年のベスト・コストパフォーマンス・バッテリーEVは? 12~5位までの4台はコレ! 全201枚

一般ユーザーにとっては朗報といえる。コストパフォーマンスへの意識は強まり、競争は厳しさを増している。技術開発は進展し、従来以上の性能を有するバッテリーEVが次々と登場している。今後も、その流れは変わらないだろう。

では、2024年のベスト・コストパフォーマンスといえるモデルはどれなのか。大切な予算を投じるうえで、最も相応しい1台とは? 2023年から状況は変わっただろうか。

そこで今回は、英国価格を4万ポンド(約756万円)以下に設定。現在の選択肢の中から、1番を選考することにした。

この金額は、残価設定型プランを組んだ場合、一般的に1週間当たりの支払いが100ポンド(約1万9000円)前後になるお値段。英国では、現実的なバッテリーEVへの負担額といえる。

4万ポンド以下の20車種から12台を選出

2024年の英国では、4万ポンド(約756万円)を用意すれば、20車種のバッテリーEVを選べる。その中から、英国編集部の評価が高い12台を選りすぐった。2022年だったら、10台も揃えることは難しかったはず。

定評ある欧州ブランドだけでなく、中国の新興メーカーも含まれている。韓国や北米のメーカーも。デジタル技術を強みにしたモデルから、実用性自慢や、際立つ動力性能を備えたモデルまで、特徴も幅広い。

ノミネートしたブランドを挙げると、BYDにクプラ、ヒョンデ、ジープ、キア、MG、ルノー、スマート、テスラ、ヴォグゾール、フォルクスワーゲン、ボルボというラインナップ。AUTOCAR英国編集部の6名がそれぞれ採点し、順位を決めた。

例によって、運転の楽しさも重要な評価軸となっている。それでは早速、2024年のベスト・コスパEVを、12位から確認していこう。

12位:スマート#1 内側を共有するEX30と違う特性

バッテリーEVの場合、ボンネットやフロントバンパーの内側を覗き込んでも、さほど面白いものは見えない。内燃エンジンなら、機械的な構造や特徴を観察できるのだが。

それでもスマート#1の内側を覗けば、ボルボEX30と強い関係性を持つ、ボディフレームやシャシー構造、ボックスセクションのクラッシュゾーンなどを確認できる。基本的に、内側は共有している。

反面、まったく異なる特性を備える事実が興味深い。EX30の見た目はシャープなSUV風だが、#1は丸みを帯びて女性的。全高は#1の方が遥かに高く、シルクハットを被ったまま運転席へ座れるほど、車内空間にもゆとりがある。

最新モデルは、ミニマリスティックな従来のスマート・ブランドの精神とも距離をおいた。0.8Lディーゼルエンジンを積んだスマート・フォーツーは、エネルギー効率を最大化するため、小さなボディで前面面積と車重を抑えていた。

インテリアも機能的で、個性的でもケバケバしくはなかった。しかし、メルセデス・ベンツとジーリー・ホールディングスとの合弁事業から生まれた#1は違う。

ダッシュボード中央のタッチモニターには、キツネのアシスタント・アバターがアニメーションで描き出される。メニュー構造は少々複雑で、シンプルという言葉は適用できない。

ステアリングホイールには、実際に押せるボタンが並ぶ。その奥にはメーター用モニターがあり、情報は見やすいのだが。

少し掴みどころのない電動クロスオーバー

実際に走り出すと、後輪駆動で回頭生は良い。少し気張るとテールスライドも誘え、運転自体は退屈ではない。とはいえ、楽しいとまではいえないだろう。

ステアリングホイールは軽く無感触。アクセルレスポンスも線形的ではなく、コーナーでのライン調整を助けてくれるわけではない。同じプラットフォームから、一貫した反応と操る楽しさが引き出されたEX30とは明らかに違う。

とはいえ、#1は今回の12台に含まれた。4万ポンド(約756万円)以下でオススメできる1台に数えられることは間違いない。少し掴みどころのない電動クロスオーバーだとしても。

スマートには、確立されたブランド・イメージが存在した。それをバッテリーEVへ発展させる機会が、メルセデス・ベンツにはあったのではないかと考えてしまう。

11位:ヴォグゾール(オペル)・アストラ・エレクトリック オーナーを満たす

ヴォグゾール(オペル)・アストラは、4万ポンド(約756万円)を切る電動ハッチバックとして2023年に登場。デザイン・グレードなら充実装備で3万7795ポンド(約714万円)と、フォルクスワーゲンID.3などの好敵手になっている。

今回はお高めのGSグレードだったが、見やすいメーター用モニターとインフォテインメント用タッチモニターは標準。高級化を意識した、インテリアのコダワリも強い。それでも、本来の魅力はエネルギー効率と実直さにあると思う。

スタイリングは、全高が低めでまとまりが良い。電気モーター版の車重は、プラグイン・ハイブリッド版より少し重いだけ。155psと最高出力は控えめで、0-100km/h加速は9.2秒と穏やかだが、電費効率は6.7km/kWhとライバルを凌駕する。

駆動用バッテリーは51.5kWhと大きくないが、航続距離は416km。自慢できる数字ではないとしても、充分納得できる距離を走れる。

動的特性も輝く部分。アクセルやブレーキの反応は自然で、運転しやすい。乗り心地はフラットでしなやか。英国の傷んだアスファルトにも、見事に対応してみせる。

ステアリングホイールの重み付けは妥当で、反応も好ましい。不足ないグリップ力を活かし、小さなボディーロールで気持ち良くコーナーを駆け抜けられる。

それでも、アストラ・エレクトリックは11位に留まった。やや狭めのリアシートと、価格に対する装備内容で順位を下げている。今回の12台の実力の高さを示しているが、オーナーを満足させる電動ハッチバックではある。

スマート#1とヴォグゾール(オペル)・アストラ・エレクトリックのスペック

スマート#1 プレミアム(英国仕様)

英国価格:3万8950ポンド(約736万円)
全長:4270mm
全幅:1822mm
全高:1636mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.7秒
航続距離:439km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1725kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:62.0kWh(実容量)
急速充電能力:150kW
最高出力:271ps
最大トルク:34.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・エレクトリック GS(英国仕様)

英国価格:4万145ポンド(約758万円)
全長:4374mm
全幅:1860mm
全高:1470mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:9.2秒
航続距離:416km
電費:6.7km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1679kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:51.5kWh(実容量)
急速充電能力:100kW(DC)
最高出力:155ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

この続きは、お手頃EV 12台比較(2)にて。

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みんなのコメント

13件
  • tos********
    2万ポンド以下にして欲しい。
    一体どこがコスパがいいんだか理解不能。
  • fia********
    コスパのいいEVというのは存在しません。ことごとくコスパ悪いですし、環境にも悪い!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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