MX-30にはEV以外のパワートレーンが存在した
2019年の東京モーターショーで話題を集めた、観音開きドアをもつSUV「マツダ MX-30(エムエックス サーティー)」が2020年秋に日本発売されると発表されました。
東京モーターショーの時点では内燃機関を積まないBEV(バッテリー式電気自動車)と発表されていましたが、2020年秋にローンチされるモデルは、直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」に独自のマイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を組み合わせたパワートレーンを採用することも発表。この新しいパワートレーンには「e-SKYACTIV G (イー・スカイアクティブ・ジー)」という名前もつけられています。
とはいえ、マツダのMハイブリッドは今回が初搭載というわけではありません。すでにMAZDA3のSKYACTIV-Xエンジン搭載車において採用実績のあるマイルドハイブリッドシステムです。その構造や仕組みはどのようになっているのでしょうか。ここでは「マツダ3」のMハイブリッドについて見ていきましょう。
マツダ3と同様の高機能なマイルドハイブリッドを採用か?
マイルドハイブリッドというくらいですから、モーターでガンガン駆動するタイプのハイブリッドではありません。一般的なエンジンはクランクプーリーとオルタネーターをベルトでつないで発電していますが、オルタネーターのかわりに「ISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)」を採用して、発電に加えてエンジン始動やモーターアシストも可能にする、マイルドハイブリッドではよくある仕組みです。
ISGが回生した電力をためるリチウムイオンバッテリーは、マツダ3では東芝の「SCiB」を採用していることが明らかになっています。SCiBの特徴としては、電気の出し入れを繰り返してもバッテリーが劣化しづらいという超長寿性、なんらかの衝撃が加わったときに内部短絡を起こしづらい安全性、そして急速充電性能に優れていることが挙げられ、国産のマイルドハイブリッドではスタンダードです。
さらに、マツダ3のSKYACTIV-X車では、より回生エネルギーを多くとり込むために回生協調ブレーキシステムが採用されています。マイルドハイブリッドでここまで凝ったメカニズムを採用しているケースは珍しいのですが、それが、マツダらしさといえるのかもしれません。
エンジンは異なりますが、ベルト駆動のISGと東芝SCiBという組み合わせはおそらくMX-30でも同様のメカニカルが採用されるだろうと考えられます。さらに回生協調ブレーキまで採用しているとなれば、究極のマイルドハイブリッドといっても過言ではないかもしれません。
今後もMX-30のバッテリーEV版は話題にならないかも!?
いずれにしても、ガソリン直噴エンジン+マイルドハイブリッドから市販されるというのは、「RX-8」を思わせる観音開きドアのクーペSUVのルックスに惚れ込んだ人には朗報。MX-30のBEVはバッテリー総電力量がそれほど大きくなく、航続可能距離も短いことが予想され、SUVらしくツーリングなどを楽しむのであれば「e-SKYACTIV G」のほうがベターというわけです。
ちなみに、東京モーターショーで存在をアピールしたBEV仕様のMX-30については2020年度内にリース販売を開始予定であることが発表されました。量産とはいっても、リース販売という段階で、それほど数を売ることは想定していないと考えられます。となると、来年以降も販売はマイルドハイブリッドが主役となり、BEV仕様は話題にもならないかもしれません。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
また半年もしたら違う言い訳をしているよ