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ロードテスト テスラ・モデル3 ★★★★★★★★☆☆

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ロードテスト テスラ・モデル3 ★★★★★★★★☆☆

はじめに

2003年にマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングが設立し、まもなくイーロン・マスクが加わったテスラが、創業当時に究極的なゴールとしていたのが、今回ロードテスト で取り上げるクルマだ。すなわち、低コストな量販モデルで、これをもってわれわれに内燃エンジン車と永遠の別れを告げさせうるようなEVである。

【画像】テスラ・モデル3と電動モデルたち 全99枚

おそらく、当時ははるか先の話に思えたはずだ。しかし、これほど大胆な野望を実現するための期間として考えれば、自動車業界においても、15年の歳月はそれほど長いとはいえない。そして今、われわれの眼前にはその野望を具現化した、テスラのモデル3がある。

マスクは、ロータス・エリーゼをベースにしたロードスターの開発を推進し、ひとびとの目をテスラへ向けさせた。ちなみにマスクが所有したこのクルマ、宇宙に打ち上げられてふたたび話題を作った。その後、2012年には大型サルーンのモデルSを発表し、それから数年後にはSUVのモデルXを導入する。

いずれのEVも、共通する特徴がある。滑らかで派手さを抑えた曲線的なスタイリングと、イタリアやドイツのスーパーカーの中でもとりわけ速い部類と肩を並べるパフォーマンス、そして展開の進まないそれまでのゼロエミッション車市場ではお目にかかれなかったほどの航続距離だ。

しかし、新興技術のこれほど急速でエキサイティングな成長は、金銭的損失を生む。テスラは負債がふくらみ、生産面や品質管理の問題も抱えた。

だが、採算性はモデル3の投入で回復することが期待される。2019年上半期の欧州での販売台数は、モデル3のみでアルファ・ロメオ全車を上回る。4万ポンド(約600万円)を切る価格で、これまでのモデルの価格帯では得られなかった多くの顧客をテスラにもたらした。

カリフォルニアにあるフリーモント工場が、膨大なバックオーダーを迅速に処理できたとしたら、テスラは本当の意味で市場のルールを一変させる存在になりうる。ブランドのファンだけでなく、もっと一般的なユーザーもEV購入へ踏み切らせそうだ。モデル3はそんな大きな期待に十分応えてくれるクルマになっているか、しっかりチェックしてみよう。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

テスラの目標は、モデル3を、モデルSより小さくシンプルで手頃な価格にすることだった。そのため、このクルマにエアサスやアダプティブダンパーは与えられず、パッシブダンパーとコイルスプリングが装備された。だが、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクと、コストはかかるがトラディッショナルなスポーツサルーンには好まれるセットアップだ。

シャシーは、ほぼオールアルミのモデルSに対し、モデル3は主に高張力スティール。ただし、外装パネルのいくつか、たとえばボンネットやトランクリッド、ドアやルーフはアルミ。おかげでウェイトは、このクラスのEVとしては軽めの1645kgに抑えられている。

もちろん、同じようなサイズの内燃エンジン車なら特筆するほど軽くはないのだが、モデル3はかなり大きなバッテリーパックを積むピュアEVだ。テストしたのはエントリーグレードであるスタンダードレンジのプラス仕様だが、そのバッテリーは2976セルをパックにしたもので、容量は50kWhある。

モデルSなどでおなじみとなったスケボー風シャシーの床面に敷き詰めているが、それらは異例に長いホイールベースの内側に収まっている。その電力は、リアに配置された電気モーターへ送られ、シングルスピードのトランスミッションを介して後輪を駆動する。

ロングレンジ仕様とパフォーマンス仕様は、70kWhバッテリーにグレードアップし、WLTCモードでの航続距離はそれぞれ560kmと530kmだ。さらに、フロントのサブフレーム部にもう1基のモーターが搭載され、四輪駆動となる。この第2のモーターはふたつのマウントで支持され、衝突時には後方の空きスペースへ転がり込む設計だ。

テスト車の航続距離は409kmだが、他社のEVと比べれば、これより安いモデルだけでなく、ずっと高価なものに対しても競争力がある。もっとも、テスラとしてみれば、決して例外的な数字ではない。

デザイン面では、テスラはこの価格帯やサイズのクルマほとんどで予期されるようなマッチョさを避けているが、それを払拭するのは難しい。占有面積はBMWの新型3シリーズより大きいばかりか、混み合った駐車場でも見失わないくらい背の高さもある。

目を細めたようなヘッドライトは古き佳きアグレッシブさを感じさせ、グリルレスのノーズはしかめ面のように見せている。そのノーズは非常に低い。フロントにエンジンを積まないので、パッケージングにより多くのコストをかけることができる。そのことは、キャビンを見れば明らかだ。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

ミニマリズムの原則を自動車の内装デザインへどのように適用できるかを示す例として、モデル3ほど適任なものはない。その最たるものは、テスラのデザイナーが可能な限りスイッチ類を排除しようとした徹底ぶりだ。残された実体スイッチは、片手の指で足りるほどなのである。

パワーウインドウのスイッチを別とすれば、後はステアリングコラムの左右に生える、シフトセレクターと方向指示器のレバー、ルーフに設置されたハザードと緊急時アシストサービスのボタン、そしてステアリングホイールの左右スポークに据えられた多機能ダイヤル、それですべてだ。

シンプルでスリムなダッシュボードの中央にドンと居座る15.0インチの大画面タッチ式ディスプレイと合わせて、それら数個のスイッチで、このクルマの操作や調整はほぼ事足りてしまう。ドアミラーからステアリングホイールの位置、ナビ、クルーズコントロール、ヘッドライトやワイパーまで、タッチパネルとコラムレバー、ステアリングスイッチで操作できる。計器盤もまた、ディスプレイに統合されている。

このようなキャビン設計へのアプローチには、多少の慣れが必要だ。とはいえ、サブメニューの呼び出し方になじみ、どれが何を操作するものか理解してしまえば、問題なく機能する。ただし、完璧とは言えないが。ディスプレイは、クルマのほとんどの機能を操作するだけでなく、当然ながら重要な車両情報などの表示部でもある。そのため必然的に、運転中でも路上から視線を外さなければならないのが具合悪い。

後席には、大人2名がゆったり過ごせる広さがある。また、小物入れは多く、フロントの小ぶりなラゲッジコンパートメントとリアのトランクルームを合わせた積載容量は542Lで、3シリーズの480Lを上回り、高い実用性を備える。

ヴィーガンレザーと呼ばれる合成皮革とピアノブラックを用いた内装トリムは、質感向上に十分な寄与を見せる。それでも、アウディやBMW、メルセデスに肩を並べるには、まだやるべきことがある。

走り ★★★★★★★★★☆

総電力のパワートレインは、このモデル3でいよいよフルに本領発揮した印象だ。テスト車はエントリーモデルの上位グレードだが、数値に表れるパフォーマンスで言えば、比較対象になりそうなほとんどのコンパクトセダンを、たとえ相手が高性能版であっても凌いでいる。また、これまでテストした同価格帯の乗用EVよりはかなり速い。

暖かく晴れた日に、およそ90%ほどの充電量で、0-97km/hのタイムは5.8秒をマーク。公称値より0.5秒遅いことにガッカリする頑固なテスラ支持者もいるだろうが、2017年にBMW330eが出したタイムより0.6秒も速いのだから、失望するには当たらない。

思い切りスロットルペダルを踏み込んで発進しても、驚くほどスムースで落ち着いていて、トラクションが破綻する恐れもなく、みるみる速度が乗っていく。走り出してしまえば、制限速度までの加速はきわめて力強く、ウェイトから予想する以上に勢いがあるように感じられる。それは、ペダル操作へのレスポンスが歯切れよく、とにかく瞬間的であるからだ。

現実的な性能を推し量るのに最適な指標とわれわれが考える48-113km/h加速タイムは、2012年に計測した先代330dより速く、フォルクスワーゲンの現行ゴルフRにも0.5秒と遅れない。

日常的な速度域をもっとも多く使う現実的なペースに、オーナーが不足を感じることはないと断言しよう。このパワートレインが走り志向のドライバーを魅了するものではないとしても、それはおそらく静粛性の高さや不気味なまでのスムースさ、やむを得ない個性の薄さといった要素によるものだ。これだけ目新しいデジタル機器を多用しているのだから、ダミーのエンジン音を発するギミックでも用意すればよかったのだが。

ペダル操作に対するブレーキの効き方は、EVのからすれば上々で、精密かつ円滑に減速するのに不足はまったくない。回生ブレーキの複雑な制御が走行中に見られないので、かえって目立ってしまうくらいだ。ほかのEVは、速く走らせればそれに合わせ、穏やかに走ればエネルギー効率向上に寄与する。モデル3も、同じくらいのことができるはずだ。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

テスラにかけられる期待のとおり、インフォテインメントシステムはまさしくシリコンバレー生まれといった感じだ。15.0インチのディスプレイは笑えるほど大きいが、機能面は注文通りといえる。グラフィックのクオリティや、操作に対する滑らかな動きには感心するしかない。

そうはいっても、その大きさがかえって扱いにくくなるときもある。空調からワイパーまですべてをこれで操作しようというのは、あまりいい考えではない。

ただし、少なくとも機能面に不足はない。ナビゲーションやBluetooth、デジタルラジオなど、600万円前後の小型セダンに望むものは完備している。さらに、デジタル仕掛けのブーブークッションやTVゲームなどというギミックも用意。テスラをどう非難しようにも、ユーモアのセンスがないということはできないだろう。

燈火類

モデル3は、LEDオートヘッドライトを標準装備。今回、夜間走行する機会がなかったので、その実力を試すことはできなかった。

ステアリングとペダル

ペダル配置について、不満はまったくない。位置もペダルの間隔も、快適に運転できるものだ。ステアリングコラムの調整幅についても、十分に確保されている。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

興味深いのは、モデル3のステアリングが、いくつかの点でミドシップのスーパーカーのようだということだ。そんなはずはないと思うかもしれないが、方向転換の過敏さは、テスラ言うところの「世界初となる真の量販EV」を、あるべき姿より運転しづらいものにしている。

しかし、どう思おうと、ロック・トゥ・ロックがたったの2回転で、十分に小回りもきくモデル3は、ある程度の速度域までは、高価なイタリア車を思わせる強烈な俊敏さを感じさせる。

ただし、モデル3の重量のかかり方は、フェラーリやパガーニ、ランボルギーニとは違う。その質量の多くをうまく覆い隠していても、その影響はクルマの挙動のほとんどあらゆるところに感じ取れる。だから、ステアリングホイールをセンターから切ると、ほぼ瞬時に前輪がコーナーに喰らいつき、硬めのサスペンションがボディのロールを実に効果的に抑え込んだとしても、コーナリング姿勢が落ち着き、出口へと向けはじめられるほど安定するまでには少しの間がある。

無感覚なステアリングは、かなりの場合に押し付けがましいほど重いが、前輪のサイドウォールに横荷重が掛かりはじめる瞬間をまったく伝えてはくれない。これらの点がいずれも明らかに原因となって、落ち着きない神経質さを感じることになるだろう。たとえ、ハンドリングの鋭さに慣れたとしてもだ。

朗報なのは、それに慣れてしまうこと、そして慣れてしまえば速いペースでのドライビングを楽しめるということだ。高速道路やA級道路、また郊外の細い道でも、ほかのスポーツセダンと変わらず走れるのである。

上下方向のボディコントロールは硬く、やや揺すられ気味で、ほぼどこを走っていてもよく動くが、ダンピングは十分に洗練されていて、過酷なB級道路でも、覚悟したほど平穏さが乱されることはない。

快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆

EVの運動特性において、不自然なほど強力なパフォーマンスはいまや当然とみなされているが、走行時にノイジーで洗練性に欠けるとは誰も予期しないところだ。もしもモデル3のオーナーがわれわれと同じ感想を持つなら、加速力や反応のよさに魅了されると同時に、硬いサスペンションがキャビンへ伝えてくるロードノイズや、荒れた路面でボディが発する高周波の耳障りな唸りにガッカリするはずだ。

明らかにテスラは、このクルマを設計する際に、最先端のNVH遮断技術への投資を怠った。大きな音を立てるレシプロエンジンが積まれないことや、これがテスラの最廉価モデルであることを考えれば、それも納得できるところだ。そうはいっても、巡航速度で聞こえてくる背景音の大きさに気づけば、彼らの決定を見過ごすことはできない思いに駆られる。

モデル3は、上位のモデルSやモデルXが築き上げた、テスラのNVHに関する水準に達していない。そして、この価格帯のクルマに求められる洗練性にも遠く及ばない。パフォーマンスに惹かれて購入しても、その後は多少の妥協を強いられることになるだろう。

このクルマの乗り心地も、快適さは群を抜いてひどいとはいわないが、よほどスムースな舗装でなければ、しなやかさやバンプの吸収能力は標準以下といったところ。硬いスプリングのサスペンションは、ボディをせわしなく揺する。

とはいえ、この上ないボディコントロールは健在で、ハンドリングの安心感も損なわれていない。手応えが重く、緩慢で、ハイギアなステアリングは、少なくともハイウェイでの高いスピード域における上々のスタビリティを生み、バンプステアの影響もめったに受けない。

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

モデル3スタンダードレンジ・プラスは、どの程度お買い得といえるだろうか。約53万円の補助金を適用して約560万円という購入価格は、もっと安いEVを探せる金額だ。とはいうものの、この価格帯では、今回のテスラほどドライバビリティに優れ、ほしいと思わせるEVにお目にかかったことがない。

そうはいっても、同価格帯で、もっと航続距離の長いEVはある。英国の一般的な高速道路での速度域なら、このモデル3は一充電あたり320km程度走れるはずだが、先ごろテストしたキアeニロならあと50km弱は先まで到達できる。

80km/h前後を保ってクルージングすれば、レンジは360km少々まで伸びる。加えて、信頼性が高く使いやすい急速充電器のネットワークを利用できるのが大きな強みだ。充電ポートはCCS方式なので、テスラが提供するスーパーチャージャーだけでなく、サードパーティー事業者が運営する充電スタンドも利用できる。

もちろん、スーパーチャージャー・ネットワークチョイスがデフォルトで、ナビゲーションシステムがバッテリー残量を考慮して充電場所へ案内する場合はここへ誘導する。それでも、他社の充電設備を使用しても明らかな不利はない。イオニティの350kWチャージャーでは、1時間の充電で480km強を走れる電力を補充できる。

スペック

レイアウト

今回のスタンダードレンジ・プラスは、リアにモーターを1基搭載して後輪を駆動する。そのエネルギー源は、フロアに敷き詰められた50kWhバッテリーだ。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。車両重量の実測値は1633kg、前後重量配分は46:54だ。

パワートレイン

駆動方式:リア横置き後輪駆動
形式:永久磁石電気モーター
駆動用バッテリー:液冷式リチウムイオン、360V/50kWh
最高出力:255ps
最大トルク:38.3kg-m
許容回転数:16300rpm
馬力荷重比:158ps/t
トルク荷重比:23.8kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4694mm
ホイールベース:2875mm
オーバーハング(前):841mm
オーバーハング(後):978mm

全幅(ミラー含む):2090mm
全幅(両ドア開き):3700mm

全高:1443mm
全高:(リアゲート開き):1940mm

足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大810mm
座面~天井(前):最大1050mm
座面~天井(後):最大900mm

構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:1611kg(公称値)/1633kg(実測値)
抗力係数:0.23
ホイール前/後:8.5Jx18
タイヤ前/後:235/45ZR18 89Y
ミシュラン・パイロットスポーツ4
スペアタイヤ:修理キット

変速機

形式:単速リダクションギア
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:9.00/13.8
最終減速比:1.013:1

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.0km/kWh
ツーリング:6.4km/kWh
動力性能計測時:2.6km/kWh

メーカー公表値:消費率
平均:6.7km/kWh

公称航続距離:409km
現実的な航続距離:251km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.0回転
最小回転直径:11.61m

ブレーキ

前:320mm通気冷却式ディスク
後:335mm通気冷却式ディスク

静粛性

アイドリング:-dB
全開・129km/h時:-dB
48km/h走行時:60dB
80km/h走行時:65dB
113km/h走行時:69dB

安全装備

ABS/ESC/LKAS/AEB/速度支援システム
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人96%/子供86%
歩行者保護性能:74%
安全補助装置性能:94%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温21℃
0-30マイル/時(48km/h):2.7秒
0-40(64):3.6秒
0-50(80):4.6秒
0-60(97):5.8秒
0-70(113):7.4秒
0-80(129):9.2秒
0-90(145):11.4秒
0-100(161):14.2秒
0-110(177):17.7秒
0-120(193):22.3秒
0-130(209):28.6秒
0-140(225):-秒
0-150(241):-秒
0-160(257):-秒
0-402m発進加速:14.4秒(到達速度:162.2km/h)
0-1000m発進加速:26.0秒(到達速度:203.3km/h)

ライバルの発進加速BMW 330e Mスポーツ(2017年)
テスト条件:湿潤路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):3.4秒
0-50(80):4.6秒
0-60(97):6.3秒
0-70(113):8.0秒
0-80(129):10.2秒
0-90(145):12.6秒
0-100(161):15.6秒
0-110(177):19.0秒
0-120(193):23.2秒
0-130(209):28.8秒
0-140(225):-秒
0-150(241):-秒
0-160(257):-秒
0-402m発進加速:16.9秒(到達速度:132.0km/h)
0-1000m発進加速:31.2秒(到達速度:163.2km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.8秒

30-50(48-80):1.9秒

40-60(64-97):2.3秒

50-70(80-113):2.8秒

60-80(97-129):3.3秒

70-90(113-145):4.1秒

80-100(129-161):5.1秒

90-110(145-177):6.3秒

100-120(161-193):8.1秒

110-130(177-209):10.9秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温21℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.4m
70-0マイル/時(80km/h):45.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.77秒

ライバルの制動距離BMW 330e Mスポーツ(2017年)
テスト条件:湿潤路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):25.6m
70-0マイル/時(80km/h):48.8m

結論 ★★★★★★★★☆☆

驚異的な進歩を遂げるテスラは、すでにモデル3で大成功を収めている。なんといっても、そのポジショニングが絶妙だ。英国でいえば、月々400ポンド(約6万円)でテスラが手に入るのだ。

しかし、モデル3は単に手頃な価格のテスラというだけが魅力ではない。廉価グレードであってさえ、セダンとして競争力のある実用性と、実に衝撃的なパフォーマンスや、意欲的ではない場面でも不足をみせないハンドリングを併せ持つ。

このクルマが世界的に市場の主導権を握れないとすれば、洗練性の明らかな不足や、やや扱いにくいドライバビリティが理由になるだろう。また、最高水準の小型プレミアムセダンの圧倒的なそれに比べれば、完成度で劣る点も挙げられる。EVパワートレイン技術が、あらゆる点で優れたクルマを生み出すのに役立たなければ、全世界で歓迎されるのは難しい。

それでも多くのひとびとが、今のままでもこのクルマを喜んで受け入れると思う。それはどう見ても、テスラの成長を支え、電動自動車の領域をかなり拡大し、そしてテスラに、その歴史が続いていく中で、多くの新たなチャレンジを可能にするのに十分以上な数となるだろう。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースインフォテインメントシステムのトイボックス、すなわちおもちゃ箱とラベリングされたメニューの新たな項目は、子供じみたギミックや、テスラのマニアにしかわからない内輪ネタのようなものばかりだ。購入を真剣に検討していなかったひとが、ブーブークッションの音が出ますといわれて心変わりするとは思えない。

サイモン・デイヴィススーパーチャージャーことテスラの急速充電器は驚くほど使いやすい。アカウントさえあれば、あとは充電施設へ行ってプラグを挿すだけ。迷うようなことはない。テスラは、EVを所有する上での大きな問題点をクリアしている。

オプション追加のアドバイス

スタンダードレンジ・プラスなら、ほしいアイテムはすべて標準装備。残された選択肢はボディカーラーのみで、おすすめは明るい色合いだ。

改善してほしいポイント

・乗り心地をもっと穏やかにしてほしい。EVで失望するような洗練性というのはちょっとない。
・ステアリングの切り始めのギア比がもう少しソフトで、路面のフィールがもっと感じられればいいのだが。
・速度などを表示するヘッドアップディスプレイや、好みでエンジン音を発生させられるデバイス、回生ブレーキの効きを調整するパドルといったものを付けてほしい。

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