現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ビモータ テージH2試乗インプレッション後編【30年の時を経た革命復活への道のり】

ここから本文です

ビモータ テージH2試乗インプレッション後編【30年の時を経た革命復活への道のり】

掲載 更新 1
ビモータ テージH2試乗インプレッション後編【30年の時を経た革命復活への道のり】

H2エンジン以外の選択肢もあった!?

ビモータ激動の歴史:プロトタイプ時代にはホンダV4やヤマハ750ccも

ビモータ テージH2試乗インプレッション前編【30年前のハブセンターステアリング革命復活】

前編より続く)

ビモータは’73年にバイクの製造を開始。様々な技術革新で世界中に衝撃を与えたが、’81年にボローニャ大学院生だったピエルルイジ・マルコーニ氏とロベルト・ウゴリーニ氏、そしてビモータの当時のチーフデザイナーであるフェデリコ・マティーニ氏による共同作業で、”論文”を意味する「TESI」の研究開発が始まった。

プロトタイプにはホンダVF400のV4エンジンやHRCファクトリー仕様の750ccV4エンジンなどが搭載され、後者はダビデ・タルドッツィ氏のライドにより耐久レースなどにも出場。後にYB4をベースとしたテージP4(ヤマハFZ750のエンジン搭載)を経て、’90年のケルンショーでドゥカティエンジンのテージ1Dが発表されるに至った。

マルコーニ氏を代表するモデルの生産は’95年に終了。その後、別のエンジニアの手によってテージ2D/3Dが製作された。ちなみに個性的なイタリア車・ヴァイルス(Virus)は、元ビモータのエンジニアによるものだ。

―― 写真左はテージH2を設計したピエルルイジ・マルコーニ氏とホンダV4エンジンを搭載したテージP1、右はヤマハFZ750の並列4気筒エンジンを搭載したテージP4だ。この他に耐久レーサーなども存在した。 [写真タップで拡大]

H2とは異なるエンジン搭載の可能性もあった!?

上で紹介したように、”テージ博士”=ピエルルイジ・マルコーニ氏という人物は、ボローニャ大学院生だった’81年に、イタリア語で”論文”を意味する「TESI(テージ)」の研究を始め、翌’82年には仕事/研究プログラムの一環としてリミニの工場で6か月間働いた。その間に開発した、油圧を用いたハブセンターステアのテージデザインは、大学のコンピュータを予備設計作業に使い、カワサキGPz550のエンジンを使用した。

マルコーニ氏が’83年にビモータでフルタイムの仕事を得た直後に、テージのプロトタイプが登場。VF400のV4エンジンを搭載したテージP1は、その年のミラノショーで発表され注目を集めた。そしてTT-F1クラスの耐久レース用にHRCから直接購入した750ccファクトリーレースエンジン(V4)を搭載したP2へと続いていく。

テージP1は複合接着素材による剛性の高いフレームを使っていたが、VFR750RエンジンのテージP2ではエンジンの大きさからこれを断念。その代わりに重量わずか5kgのカーボンファイバーハニカム複合材のツインスパーフレームを使用した。フロントサスはDSCと呼ばれる平行四辺形のセンターハブデザインに変更され、P1で水平マウントだったショックユニットは、P2ではリヤサスと同じようにプログレッシブリンクで垂直にマウントされた。

さらに、鋼管スペースフレーム使用のP3を経て、ヤマハFZ750エンジンを使用したP4へと発展。これが並列4気筒を搭載した最初にして唯一のプロトタイプテージである。その後、’91年にドゥカティエンジンの「テージ1D」が発売され、’95年にテージの旅はいったん終了することに。

そして話は現代へ。マルコ・キアンチネージ氏らが’13年にビモータを買収しBB3等を生産するも、エンジン供給の問題から’16年に会社を閉鎖。その後、大手メーカーとの親密なパートナーシップが必要だとして、日本4社を含む11社に連絡し興味があるかどうかを確認。これに対し、カワサキと某日本企業が呼応したという。そして’16年11月にカワサキの伊藤浩氏と会談を持ち、’19年11月の復活劇へと繋がっていった。仮にもう1社の方が選ばれた場合、どんなエンジンが搭載されていたのだろうか…。

―― 【ピエルルイジ・マルコーニ氏】テージH2の生みの親。ビモータでのテージ1DやSB6(最大のヒット作)、2スト500ccの500-V Dueのほか、ベネリ・トルネード900なども開発した。

―― 吸排気系もニンジャH2を踏襲したテージH2。エンジンスペックも同一だ。ヘッドライト下後方に斜めに取り付けられたラジエターなども独特のレイアウトとされる。

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

※本記事はニュースメディア配信用に一部抜粋・再編集されたものであり、全文詳細はオリジナルサイトに掲載されています。The post ビモータ テージH2試乗インプレッション後編【30年の時を経た革命復活への道のり】 first appeared on WEBヤングマシン|最新バイク情報.

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ベストカーWeb
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
AUTOSPORT web
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
AUTOSPORT web
スプリントでアロンソを押し出したヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティ。罰則ポイントも/F1第11戦
スプリントでアロンソを押し出したヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティ。罰則ポイントも/F1第11戦
AUTOSPORT web
中古ミニバンで悩んでる方超必見! プレマシーvsウィッシュvsフリード コンパクトミニバン三つ巴ガチンコ対決プレイバック!!!
中古ミニバンで悩んでる方超必見! プレマシーvsウィッシュvsフリード コンパクトミニバン三つ巴ガチンコ対決プレイバック!!!
ベストカーWeb
強豪チームが定義する常勝ホイールの性能要件。タイヤの伸びしろを引き出す知られざるホイールの役割/BBS RI-A
強豪チームが定義する常勝ホイールの性能要件。タイヤの伸びしろを引き出す知られざるホイールの役割/BBS RI-A
AUTOSPORT web
ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
motorsport.com 日本版
マクラーレン750S 詳細データテスト 本能を揺さぶる加速 ダイレクトなハンドリング 引き締まった脚回り
マクラーレン750S 詳細データテスト 本能を揺さぶる加速 ダイレクトなハンドリング 引き締まった脚回り
AUTOCAR JAPAN
F1オーストリアGP決勝速報|首位争ったフェルスタッペンとノリスがまさかのクラッシュ! ラッセルが”棚ぼた”優勝。角田裕毅14位
F1オーストリアGP決勝速報|首位争ったフェルスタッペンとノリスがまさかのクラッシュ! ラッセルが”棚ぼた”優勝。角田裕毅14位
motorsport.com 日本版
衝撃の結末! フェルスタッペンとノリス、頂上決戦の末に接触で共倒れ。ラッセルが優勝さらう|F1オーストリアGP決勝
衝撃の結末! フェルスタッペンとノリス、頂上決戦の末に接触で共倒れ。ラッセルが優勝さらう|F1オーストリアGP決勝
motorsport.com 日本版
ホンダが50ccバイクを生産終了! 原付は排気量から出力規制へ! 新規格のPCXとかシグナスとか出るのか?
ホンダが50ccバイクを生産終了! 原付は排気量から出力規制へ! 新規格のPCXとかシグナスとか出るのか?
ベストカーWeb
世界中で270万台の大ヒット! メルセデス・ベンツ「W123」シリーズは「Sクラス」のコンポーネントを受け継いで多様性に応えた傑作でした
世界中で270万台の大ヒット! メルセデス・ベンツ「W123」シリーズは「Sクラス」のコンポーネントを受け継いで多様性に応えた傑作でした
Auto Messe Web
フェルスタッペンがスプリント制す。ノリスをかわしたピアストリが2位【レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンがスプリント制す。ノリスをかわしたピアストリが2位【レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
あくまでも結果論!? 愛車が一生モノになるオーナーの5つの特徴とは?
あくまでも結果論!? 愛車が一生モノになるオーナーの5つの特徴とは?
外車王SOKEN
驚異的に「速く」明らかに「重い」 最新BMW M5へ初試乗 次世代は727psのV8プラグインHV!
驚異的に「速く」明らかに「重い」 最新BMW M5へ初試乗 次世代は727psのV8プラグインHV!
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村