今ならまだリーズナブル?E24系6シリーズのオークションを追う
かつては「ユーズドカー」として、非常に安価なプライスで流通していたクルマが、近年のクラシックカー市場高騰にしたがって、コレクターズアイテムへと変身する事例は少なくないです。今回はその一例として、英国の「アイコニック・オークショネアーズ」社が、2024年5月第3週末に開催した定例オークションに出品させたBMW「635CSi」を俎上に乗せ、そのモデル解説と、注目のオークション結果についてお伝えします。
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美しいスタイリングとパフォーマンスを両立した初代6シリーズとは?
BMWが1976年にデビューさせた初代「6シリーズ」(E24系)は、20世紀後半におけるドイツ最高の高性能クーペのひとつ。エレガントなスタイルとパフォーマンスを両立した、グランドツアラーの名作といえよう。
同時代のE12系「5シリーズ」のフロアパンや主要コンポーネンツを流用し、このころから「エンジン屋」の称号で呼ばれるようになったBMWの面目躍如ともいうべき、「シルキーシックス」こと、ビッグブロックの直列6気筒SOHCエンジンを搭載している。また、2年後にデビューすることになるBMWのフラッグシップ、E23系「7シリーズ」のための新機軸も先行採用されていたという。
当初はキャブレター仕様の「630CS」、またはボッシュ製Lジェトロニック燃料噴射装置(633CSi)を搭載した「633CSi」として発表されたが、2年後に発表された「635CSi」では3.5Lまでエンジンのスケールアップが図られ、多くのファンにとってE24系6シリーズの決定版となった。
控えめなフロントエアダムスカートと、ソフトな樹脂製トランクリッドスポイラーを備えた635CSiでは、それまで4速だったマニュアルトランスミッションに、初めて5速が設定された。
また、美しく整備されたキャビンは大人4人がゆったりとくつろぐことができるいっぽう、ドライバー側に湾曲したコックピットスタイルのダッシュボードレイアウトとインストルメントパネルは、のちのBMWのスタンダードとなった。
さらに新機能として、電球やフルード類のレベル、ブレーキパッドをモニターするチェック・コントロールシステムが搭載された。これは、現在の高級車では当たり前だが、当時はまさしく革新的な装備だった。
世界がオイルショックに喘いでいた1976年のモーターシーンに登場した時代から、スタイルとメカニカルの双方で、BMWの才能を象徴していたこの美しきクーペは、つねに時の試練に耐え、あらゆる場所でも周囲を感嘆させる能力を備えていたのだ。
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ドイツ製ヤングタイマーの雄として、マーケットでも急速成長中?
アイコニック・オークショネアーズ社は、2011年に「シルヴァーストーン・オークション」として創業。2023年8月に現在の屋号に改組して再スタートを図ったという、自動車オークションビジネス界では比較的新興勢力ともいうべきオークション会社である。
そして2024年5月18日、同社が英国ノーザンハンプトン州シウェルのローカル飛行場を会場とするオークションに出品したのは、フェイスリフト後の635CSiA。もとより英国に新車として輸出された、オリジナルの右ハンドル/オートマティック仕様車である。
英国での初登録は1982年7月1日で、歴代所有者については明かされていないものの、現オーナーとの付き合いは7年に及ぶという。オークション公式ウェブカタログ作成時の表示走行距離はわずか2万6818kmで、これは2017年に現オーナーが購入して以来、メンテナンスに際して発行された請求書を含む、膨大な履歴ドキュメントによって裏付けられている。
1980年代を迎えると、初代6シリーズではエクステリアおよびインテリアのスタイリングが少しだけ変更され、シャシー&サスペンション、エレクトロニクスなどもE28系5シリーズのものへとアップデートされていたのだが、このオークション出品車両もその時代のもの。BMWが誇る215psのM30型「シルキーシックス」に、E28から初導入された4速オートマティックを組み合わせている。
また「ポラリス・シルバー」のボディや、ブルーのクロスインテリアは、走行距離の少なさを暗示するような、素晴らしいコンディションを維持している。
かつての中古車市場においては、インテリアは本革レザーが好まれたのだが、近年のクラシックカー市場では時代を感じさせるファブリック生地も、コンディションさえ良ければ本革に勝るとも劣らない評価を受けるようになっているようだ。
今回のオークション出品に際して添付されたドキュメントファイルには、この「1982年フェイスリフトモデルは真に例外的な1台であり、このようなクルマをいかなる価格でも見つけることは極めて困難」とする、英国を代表するBMWスペシャリスト「ミュンヘン・レジェンド」社から、2007年9月12日に送付されたレポートも含まれている。
現在の車検は2025年2月まで有効で、「ノー・アドバイザリー(警告すべき事項なし)」と記載されているという。また、BMWの特徴であるトランクリッド裏のツールケースの純正工具が完備されるなど、装備やオプションの面でも申し分のない1台だった。
そしてアイコニック・オークショネアーズ社はこのBMW 635CSiについて、2万5000ポンド~3万5000ポンドという、かなり強気にも見えるエスティメート(推定落札価格)を設定した。
ところが実際の競売では、エスティメートの下限を大きく割り込む2万1375ポンド、日本円に換算すれば約435万円という、落札者にとってはラッキー、売り手側にとってはかなり不本意なプライスで競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。
ところで蛇足ながら、E24系6シリーズをして「世界一美しいクーペ」とする見方はどうやら日本発祥のもののようで、実際に英語の「The Most Beautiful Coupe in the World」で検索してみても、6シリーズにはなかなかたどり着けない。
ただ、それでもこのモデルが素晴らしく美しく、そして魅力的であることは間違いなく、ヤングタイマー・クラシック人気と相場の高まりにしたがって、今後は価格高騰の可能性が非常に高いクルマのひとつと思われるのである。
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みんなのコメント
間違い無いけど
この頃の6シリーズはこの時代に大活躍し、バブル最中にセレブ等に認められ終結しました。
BMWの最高傑作だけど当時の思い入れのある方が購入出来たならいいですね。