■時代はいま、旧車を電動化する流れにシフト
旧車フィアット500を電気自動車にした「FIAT 500 ev」の販売がスタートした。
【画像】ルパンの愛車が令和の日本に蘇った「FIAT 500 ev」を見る(16枚)
ベースとなったのは、1957年から1975年にわたり累計367万台が製造・販売されたイタリアの大衆車であるフィアット「500(チンクエチェント)」である。空冷2気筒500ccのエンジンをリアに積んだ、丸みを帯びた可愛いボディが特徴だ。
「FIAT 500 ev」をプロデュースしたのは、愛知県名古屋市にある「チンクエチェント博物館」である。チンクエチェント(イタリア語で500の意味)の愛称で親しまれるフィアット「500」を愛する私設の自動車博物館として有名だ。
チンクエチェント博物館は、1957年から1975年に製造された旧いフィアット500(チンクエチェント・クラシケ)を所蔵・展示するとともに、保護・保存にも取り組んでいる。
チンクエチェント・クラシケを現代の暮らしのなかで現役のクルマとして乗ることも保護・保存につながると考えており、眠っていた車両を救い出し、提携するイタリアのカロッツェリアでレストア(修復)し、電気自動車(EV)として蘇らせたのがFIAT 500 evである。
内外装はオリジナルを活かしており、クラシケの趣が大切に残されている。
●オートマチック限定免許でも運転OK
チンクエチェント・クラシケは誕生から50年以上経った、いわゆるクラシックカー。一般的にクラシックカーはマニュアル車のイメージがあるが、電気自動車にコンバートしたFIAT 500 evなら、オートマチック限定免許でも運転が可能となる。
初めてクラシックカーに乗る人でも扱いやすく、楽しめるクルマだ。
リチウムイオンバッテリーを採用し、5.5kWのワンバッテリー仕様と10kWのツーバッテリー仕様がある。航続距離はワンバッテリー仕様だとフル充電で約40km、ツーバッテリー仕様だと約80kmとなる。
モーターの最高出力は13kW(18ps)、最大トルクは160Nmで、後輪を駆動する。バッテリーはフロントに搭載されており、オリジナル・チンクエチェントとは重量バランスが異なるが、モーターであるがゆえに静止状態からの加速が非常によく、現代の交通事情にも合致した走りを実現しているところがポイントだ。
車両価格は、フルレストア済みのワンバッテリー仕様で506万円(消費税込、以下同)、ツーバッテリー仕様で550万円となっている。
●実車展示会場
実際に多くの人たちに触れて見てもらうために、チンクエチェント博物館をはじめ、各地のチンクエチェント・クラシケ ディーラー(販売拠点)にて順次展示を行う予定だ。
現在開催が決定している展示日程・会場は次のとおりだ。
・9月18日(金)-9月30日(水):チンクエチェント博物館(愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14-1)
・10月4日(土)-10月14日(水):フィアット京都(京都市左京区上高野諸木町47-1)
・10月17日(土)-11月2日(水):ガレーヂ伊太利屋(東京都江東区1-5-14)
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