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【昭和の名車 最終回】日産 シルビア:昭和63年(1988年)

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【昭和の名車 最終回】日産 シルビア:昭和63年(1988年)

昭和は遠くなりにけり・・・だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。いよいよ最終回となる第107回は、昭和63年発売の日産 シルビアだ。

スペシャリティカーで楽しめるFRの醍醐味!
日産 シルビア:昭和63年(1988年)5月発売
5代目のシルビアとなるS13型は、昭和63年(1988年)5月のデビュー以来、スペシャリティカーとしてばかりではなく、峠仕様などのハードユースでも人気を得てきたクルマだ。

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当時、すでに少なくなっていたFR 車ということで大歓迎されての登場でもあり、素直な操縦性はすぐに高評価を受けることとなった。さらに、それだけではなく、スタイリッシュなエクステリアも目を惹きつけたといえる。全体が流麗な曲面で構成されており、日産では横から見たフード、ウエスト、リアデッキへの流れを“エレガントストリームライン”、丸みのあるフロントフェンダーを“グラマラス フェンダー”、左右とルーフに曲がり込んだ3次元曲面ガラスを“カプセルリアウインドー”と名付けてアピールした。

中間グレードのQ’sはスペシャリティカー(デートカー)の色合いが強かったが、K’sはストリートや峠仕様として、当時の走り屋の支持を得ることとなる。J’sの設定もあったが、これは単に廉価版というだけではなく、富士フレッシュマンレースに設定されていたワンメイクレースのベース仕様車という位置付けだった。

パワーユニットは、排気量1.8LのCA18DEだ。DOHC16バルブヘッドを搭載し、当時の日産4気筒スポーティエンジンの代表ともいえるもので、気持ちの良い吹け上がりと高い信頼性を誇っていた。廉価版グレードといえるJ’sとQ’sが最高出力135ps/最大トルク16.2kgmの自然吸気、スポーツグレードのK’sがインタークーラー&ターボが装着されたCA18DETとなり、最高出力175ps/最大トルク23.0kgmを発生していた。

サスペンションは、前:ストラット/後:マルチリンク。とくにリアのマルチリンクサスペンションは、当時の最先端ともいえるもの。複数のリンクの組み合わせによってタイヤの動きを最適にコントロールし、優れた操縦性、高い直進安定性、そしてしなやかな乗り心地を実現。前後バランスを高めたことによってコントロール性も良かった。

また、オプションで4輪操舵システムであるハイキャスIIが装着されたのも話題となった。これは、走行中のステアリング操作によって生まれた横加速度に応じて、電子制御の油圧アクチュエーターがマルチリンクリアサスペンションのタイロッドを動かし、前輪と同位相に最大で1度後輪を操舵するメカニズムだ。

シルビアは、手頃な価格のFR車として、またチューニングベースとしても大いに歓迎された。ターボ車は比較的手頃にパワーアップが可能であったこともチューニングフリークに喜ばれた面はあるが、やはりポイントは足まわりのパーツが豊富だったこと。

NISMOなどメーカー直系だけではく、アフターパーツとして、多くのメーカーからサスペンション系やブレーキ系のパーツがリリースされ、ストリート、峠、サーキットで活躍した。モータースポーツではNAエンジン仕様車をベースに富士フレッシュマンレースでシルビアレースが行われ、トップドライバーへの登竜門的存在となった。

1989年の4月に、シルビアのハッチバックモデルとして登場した180SXについても触れておこう。エンジンはCA18DETのみでNAバージョンはない。それだけ走りに振った仕様ともいえる。装備の違いにより、タイプI、タイプIIの2グレードがあり、後者には、ハイキャスIIと当時の高性能タイヤであるBSポテンザRE71がセットでオプション設定され、ビスカスLSDも標準装備された。フロントウインドーディスプレイが用意されるなど充実した仕様だった。

日産 シルビア K's 主要諸元
●全長×全幅×全高:4470×1690×1290mm
●ホイールベース:2475mm
●重量:1120kg
●エンジン型式・種類:CA18DET型・直4 DOHCターボ
●排気量:1809cc
●最高出力:175ps/6400rpm
●最大トルク:23.0kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/60R15
●価格:214万円

昭和の名車のバックナンバー

[ アルバム : 日産シルビア(S13) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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