昭和の時代は純正オプションがほとんどなかった
筆者のような昭和の時代からカーライフを楽しんでいた者にとって、当時のクルマを買ったあとの楽しみのひとつがカスタマイズだった。しかし、新車の装備類が今ほど充実しておらず(エアコンなどなくクーラーをオプション装備していた)、純正アクセサリーもごく少数だったのである。
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カスタマイズするにはカーショップに出かけるか、カーアクセサリーを一堂に集めた本を買って、そこから選び、売っている店を探し、買うしかなかったのである。いすゞ117クーペ、ピアッツアを乗り継いだときも、まずはフェンダーミラーをドアミラーに付け替えることから始まったような時代だった。
だが、今は違う。新車の装備類が劇的に充実し、機能装備がこれ以上望めないぐらい標準装備されている新車もある。それでも、より自分好みの1台に仕上げるための装備の追加やカスタマイズは、クルマ好きならずとも、大きな楽しみではないか。
自動車メーカーはひと通りの装備を、標準、メーカーオプションとして用意しつつも、さらにかつてない規模の純正アクセサリー、ディーラーオプションまで揃えている。車種によってはそのクルマのキャラクターに合わせた、新車同時開発ならではのフィット感が約束された純正アクセサリーを数多く用意。もはや、昭和の時代とは違い、アフターマーケットの用品などいらないのでは? と思わせてくれるほどだ。
ここでは、そんな純正アクセサリー、ディーラーオプションが超充実したクルマを、とくにアウトドアや車中泊目線で紹介したい。
さまざまなアレンジが可能な「トヨタ・シエンタ」
まずは発売されたばかりのトヨタ・シエンタだ。OUTDOOR、FAMILY、FRIENDLYという3つのカテゴリーを中心に、ドレスアップ派のためにはモデリスタのエクステリアパーツがトータルコーディネイトされ、もちろんミニバンとしての機能性、実用性を高めるインテリアアイテムも豊富に用意されている。
だが、ここであえて取り上げたいのは、シエンタの2列シート仕様で実現するアウトドア、車中泊に対応するアイテムたちだ。それにはバックドアネット、バックドアラック、ラゲージLED(照明)、ラゲージウッドデッキ(木目調)から、ジャストサイズのエアスリープマット、室内カーテン、ユーティリティフック、ラゲージトレイなどが揃っている。
残念ながら、タープ類は純正アクセサリーカタログに見つけることはできないものの、純正アクセサリーだけでアウトドア仕様、車中泊仕様にカスタマイズすることが可能。つまり、新車と同時に注文すれば、納車直後からアウトドア仕様の新型シエンタとして稼働できるというわけだ。
クラシックカーの雰囲気も味わえる「ダイハツ・ムーヴキャンバス」
出たばかりの新型車では、ダイハツのムーヴキャンバスもまた、純正アクセサリーがものすごく充実した1台だ。車両本体も今回は2トーンカラーのストライプスとモノトーンのセオリーというキャラクター分けがなされているが、さらにアナザースタイルとして、リラックススタイル、エレガントスタイル、ビタースタイルの3種類のアナザースタイルを純正アクセサリーで実現している。
ムーヴキャンバスは往年のVWバスをモチーフにした、タントとムーブの中間的車高を持つ両側スライドドアのハイトワゴン。クラシックタイプのルーフキャリア(ホワイトとブラックの2色)を装着しただけで渋く、アウトドアテイストを加速させる佇まいになる。なんだかミニ風の顔になるフロントパック(フロントエンブレムガーニッシュ)を装着すれば、顔つきの印象が一変。クルマの高級感さえますほどだったりする(ホイールもクラシックミニ御用達のミニライトが用意されている)。
ボディサイドをよりクラシックなイメージに変えられるフューエルリッドガーニッシュ(3色)は先代ユーザーにも大好評だったドレスアップアイテムのひとつ。リラックススタイルに似合う、ホワイトのミニライトホイールも、ストライプスボディの足元をスタイリッシュに仕上げてくれる決め手になるはずだ。新型ムーヴキャンバスの純正アクセサリーカタログは、ムーヴキャンバスの世界観を大きく広げてくれるファッション誌のようでもある。
愛犬向けアイテムも豊富な「ホンダ・フリード/フリード+」
シエンタとともにアウトドアシーン、車中泊を盛り上げてくれるのが、ホンダ・フリード、そして2列シート仕様のフリード+だ。
内外装のドレスアップパーツ、ユーティリティアイテムの用意はもちろん、アウトドアシーン、車中泊に対応するマルチボード、ユーティリティフック、ルーフラック(室内側)、スライドレールシステム/クロスバー、プライバシーシェード(全周カーテン)、車内を簡単にベッドルームに変身させられるラゲッジクッションマット(W約123×L約180×H約3cm)、車体後部をマイルームにし、着替えなども行えるテールゲートカーテン(というか簡易テント)などまで揃っているのである。
これは軽キャンのベース車両としても重宝されているN-VANも同様だ。さらにホンダ車の場合、愛犬家のための純正アクセサリーとしてHonda DOGシリーズまで揃っているのだから、もう完璧。アフターマーケットのアイテムいらず(!?)なのである。ほとんどが車種専用品のため、ジャストサイズ、かつ保証付きで手に入るところも大きな魅力となる。
車中泊もテレワークもOKなアレンジが魅力の「スズキ・スペーシアベース」
最後に紹介するのは、2022年8月に発売されたばかりのスズキ・スペーシアベース。4ナンバーの商用車でありながら、N-VANよりもさらに一般ユーザー、というか、アウトドアや車中泊に向けたユーティリティカーである。
内外装のドレスアップ、ユーティリティアイテムはもちろん、カーテン&タープキット、プライバシーシェード(貼り付け式カーテン)、車内のフルフラットアレンジ時に、フロア面をよりフラットにして寝心地のいいベッド化を実現するリラックスクッション。そしてブランケットクッション、AC100V/100Wパワープラグ、さらに車外の電源(オートキャンプ場の電源供給設備など)と接続してAC100V/1500Wまでの電源を車内にスマートに取り込める外部電源ユニット(4万8950円)まで用意したのである。
これはもう、秀逸なシートアレンジ性とともに、アウトドア、車中泊に使って下さい!! と宣言しているようなものである。結果、スペーシアベースはアウトドアや車中泊だけでなく、移動できるテレワーク用のマイオフィスとしても大活躍してくれることになる。そんなスペーシアベースに「純正アクセサリー、ディーラーオプション大賞」を授与したいぐらいである。
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みんなのコメント
今の技術なら電動バイクや電動キックボードでもできるっしょ。
EVにオプション設定してクルマと一緒に充電。
出先での遊びが広がる。