1982年のYZR500・OW61からの系譜を継承
ヤマハは欧州で、XSR900をベースとしたハーフカウルスポーツ「XSR900 GP」を発表した。’80~’90年代のグランプリマシンをオマージュしたカラーリングに身を包み、5インチTFTディスプレイやKYB製フルアジャスタブルサスペンションなど装備も一級品だ!
【SCOOP!】プロトタイプ登場「ヤマハ XSR GP」市販バージョンが見えたッ!!
1980年代のYZR500から1990年代のFZR・TZRを意識
ついに出た! ヤマハが誇るクロスプレーンコンセプトの3気筒マシン、XSR900をベースとしたハーフカウルのスポーツヘリテイジ「XSR900 GP」が欧州で発表されたのだ。これは以前から「XSR GP」などの名でスクープ情報をお届けしてきたもので、最終的な予想CGはかなりイイ線を突いていたことが判明した(自画自賛)。
1982年のYZR500・OW61を筆頭とする1980年代のグランプリマシンにインスパイアされたカウリングは、1970年代の曲線的なボディワークから角ばったデザインへと移行した“黄金時代”を現代の市販バイクに甦らせるものだ。
そんなXSR900 GPのカウルは、1980年代後半から1990年代前半の市販スポーツマシン、FZRやTZRに採用された姿そのもの。あの時代を駆け抜けたマシンたちと同じく、XSR900の丸型から、レーシングマシンの雰囲気を生かした四角いLEDヘッドライトに換装。カラーリングは黄色ゼッケンのGPマシンを彷彿とさせる。
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
アッパーカウルを支える丸パイプやメーターを支えるブラケットなども1980年代を意識したもので、アッパーカウルステーのナット構造はTZR250と同様の方式を採用しているという。もちろん、大型ウインドシールドやナックルガードなども、あの時代の匂いがプンプンする。
メカニズムや構造もあの時代をオマージュ
レーシングスタイルのクリップオンハンドルはトップブリッジの上にマウントされ、初代TZR250(1KT)あたりと同じように公道での快適性も確保。厚めのクッションを備えたシートにボディ同色のシートカウルやシートストッパー、デルタボックススタイルのアルミニウム製フレームなど、公道市販車としての完成度とディテールへのこだわりを両立している。
ステップは2ポジションに設定可能で、標準状態はよりスポーティなアッパーポジションを選択。軽量なスピンフォージドホイールには発表されたばかりのブリヂストン・バトラックスハイパースポーツS23を履く。KYB製サスペンションはフルアジャスタブルで、リヤショックにはリモート式プリロードアジャスターを採用。ブレンボ製ラジアルマスターシリンダー、ヤマハ純正ラジアルマウントキャリパーなどで足まわりを固める。
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
このほか、サブフレームの強化やCP3(3気筒)シリーズ唯一のアルミ製ステアリングステムシャフト採用などで、減速からターンイン、向き変えの軽さを安定性のバランスを追求したというから楽しみだ。
電子制御はもちろん最新!
エンジンは最新のユーロ5+排出ガス規制に適合。電子制御は3つのライディングモード(スポーツ/ストリート/レイン)を持ち、2つのカスタム設定を保持できる。そしてこれらはMyRideアプリを介してスマートフォンから設定可能だ。
IMUはもちろん6軸仕様。バンク角連動型のトラクションコントロールシステム&ABS、スライドコントロール、フロントホイールリフトコントロールを備え、エンジンパワーの調整も可能だ。
また、クルーズコントロールのほか、加速時のクラッチレスシフトダウンや減速時のクラッチレスシフトアップを可能とした第3世代クイックシフトシステムをスポーツヘリテイジモデルとして初めて採用した。
メーターは5インチTFTで、アナログスタイルのタコメーターも表示可能。スマートフォンやヘッドセット(別途用意する必要あり)とリンクすることで通話や音楽を聴くことができるほか、ガーミンのシステムを利用すればターンバイターンのナビゲーションを表示することもできる。このダッシュボードの近くにはUSBタイプCソケットも備えている。
このほか、ウインカースイッチをソフトクリックするとウインカーが3回だけ点滅、フルクリックで15秒&150m以上移動するまで点滅を続けるといった新機能、急ブレーキを後続車に知らせるエマージェンシーストップシグナルなども新採用している。
用意されるカラーリングは2種類で、赤×白および黒×灰はいずれも“あの頃”をイメージしたもの。アクセサリーとしてはアンダーカウルやライセンスプレートホルダー、スラントしたスクリーン、そしてアクラポヴィッチ製エキゾーストシステムが用意される模様だ。価格や発売時期は未発表だが、日本への導入も期待大!
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]のカラーバリエーションとスペック
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]Legend Red
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]Legend Red
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]Legend Red
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]Power Grey
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]Power Grey
―― 車名XSR900 GP全長×全幅×全高2160×810mm×1180mm軸距1500mm最低地上高145mmシート高835mmキャスター/トレール25°20′/110mm装備重量200kgエンジン型式水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ総排気量890cc内径×行程78.0×62.1mm圧縮比11.5:1最高出力119ps/10000rpm最大トルク9.5kg-m/7000rpm始動方式セルフスターター変速機常時噛合式6段リターン燃料タンク容量14L燃費20km/Lタイヤサイズ前120/70ZR17タイヤサイズ後180/55ZR17ブレーキ前φ298mmダブルディスク+4ポットキャリパーブレーキ後φ245mmディスク+1ポットキャリパー価格&発売時期未発表色赤×白、黒×灰※諸元は欧州仕様
YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]のディテール
―― スクエアな形状のアッパーカウルにはナックルガードを備え、小型のLEDヘッドライトを内蔵することでレーシングイメージを損なわずにデザインを成立させている。シートカウルと肉厚なシート、シートストッパーも往年の雰囲気。
―― アナログスタイルのタコメーターを表示するが、じつは5インチTFT。各種設定もここから行なう。
―― KYB製倒立フロントフォークのトップにハンドルをクリップオン。カウルステーなどの造形にも注目だ。ステップは2ポジションが設定できるタイプ。
―― 第3世代クイックシフトシステムは、スロットル開/閉のどちらでもシフトアップ/ダウンが可能。並列3気筒エンジンはMT-09、XSR900、ナイケンと共有するヤマハ最新世代のクロスプレーンコンセプトエンジン『CP3』だ。
―― 赤いホイールに金の倒立フォーク(ホイールトラベル130mm)、イエローのリヤショック(ホイールトラベル131mm)がレーシングスペックを彷彿とさせる。前後サスペンションはともにフルアジャスタブル。
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
―― YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]
【動画】2024 Yamaha XSR900 GP: Born Iconic
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みんなのコメント
最近のはカクカクコマコマしてるけど、それの為に余計に樹脂を使って、それも重い樹脂だったりするので…。
僕は好きですね。